こちらの記事をご覧いただいている方の中にも、もしかするとそういった方がいらっしゃるかもしれません。
メダカを放流する行為が如何にダメな行為であるか。
以下の記事をご覧の上、思いとどまってくれる方が増えることを願っております。
人は何かに罪悪感がある時、自分にとって都合の良い理由を探し始めます。
「メダカ 放流 メリット」こういったワードで検索されている方の中には、もしかすると思い当たる節がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの記事ではメダカたちを放流してはいけない理由についてご紹介させていただきます。
メダカブームが取り沙汰される昨今。
ブームも限りを見せ始め、殖やされ過ぎたメダカたちが毎年行き場をなくしています。
愛好家、副業メダカ屋、専業メダカ屋、何れの場合も必要以上に殖やし過ぎることには注意したいところです。
また、急な引っ越しや、家庭の事情など何かしらの事情によってメダカを飼うことができなくなる方もいらっしゃると思います。
近年、メダカの放流が問題視されており、過度なブームの弊害とも言えるでしょう。
こうしたメダカたちは誰かが飼いきれなくなり放流してしまった場合もあれば、中には意図しない形で流れ着いたメダカたちもいます。
メダカは日本の魚なので放流しても問題ないのでは?と思う方も多いと思います。
ただ、原種の野生のメダカと近年ペットショップやメダカ屋で販売されているメダカでは遺伝子が異なります。
また、ペットショップで売られている所謂ヒメダカやシロメダカであれば見た目で原種ではないことが分かりますが、皆さんが野生種だと思っているクロメダカも実は原種とは異なります。
これらは原種のメダカをベースとした一種の改良メダカです。
販売されている個体としては、最も原種に近い存在ではあるものの完全な原種とは言えません。
であれば自然の川や池から採取した完全な原種のメダカであれば良いのか?というと。
これに関してもそう簡単な問題ではありません。
キタノメダカ
ミナミメダカ
原種のメダカには2種類います
Oryzias sakaizumii(キタノメダカ)とOryzias latipes(ミナミメダカ)です。
これらは一見しただけではなかなか見分けが付きません。
仮にご自宅にいるメダカが原種のメダカだったとしても放流することで混ざってしまうことがあります。
「この子たちは同じ川で採ってきたから大丈夫」と思っていても気を付ける必要があります。
同じ川、同じ水系でも上流と下流でミナミメダカとキタノメダカが棲み分けていることもあります。
もっと言えば、例えば、同じキタノメダカ同士だとしてもその川の下流と上流、支流などで遺伝子がその水域固有のものであることもあります。
これらに関しては以前Youtubeでも詳しく解説しています。
是非動画も合わせてご覧ください。
「飼えなくなったメダカの行方」または「媛めだか 放流」で検索。
上記の動画を上げた際に各種SNSのDMなどでも色々なご意見をいただきました。
「改良メダカ達は放流しても目立つから自然と淘汰されていくから大丈夫」といったご意見や、
「大学の教授が繁殖させた原種の放流を推進している」といったものや色々とあります。
放流肯定派も放流否定派も、それぞれに考えがあり、それらはそれぞれにとっての都合の良い解釈とも言えるのかもしれません。
ただ、ここで一つ忘れてはいけないのは、ペットとして飼育を始めた魚を放流するというのは捨て犬、捨て猫の問題に近い行為であり、倫理的にも良くないことであるのは皆が理解しているかと思います。
様々な理由をつけ放流するという行為を肯定するよりも、メダカを放流することでそれまで思いもつかなったような重大な生態系の変化が池や川に発生するかもしれないと、案じる気持ちの方がずっと大切だと思います。
メダカは寿命の短い魚です。
2~3年、4年の生きれば長寿です。
長いようで非常に短い一生。出来る限り最後までしっかりと面倒をみていきましょう。
それでもどうしても飼えない理由がある場合はペットショップなどに引き取ってもらってください。
放流するくらいであればペットショップなどで大型魚たちの餌にされた方がまだましです。
これに対して、「それは可哀そう」と思うのであれば、最後まで飼育してください。