春から秋にかけて、メダカたちは毎日のように驚くほど沢山の卵を産んでくれます。 キラキラした卵を見つけると嬉しくなり、ついつい「全部育てたい!」と沢山の卵を採卵してしまいがちです。
採卵を始めて数週間~1ヶ月もすれば、あっという間に数百匹の針子(生まれたばかりの稚魚)たちが誕生します。一見、賑やかで嬉しい光景ですが、ここには大きな落とし穴があります。
今回は、卵を取りすぎることによる弊害と、立派なメダカに育てるための「適正数」について、僕の経験も交えて解説します。

ここで忘れてはいけないのが、「数百匹の針子が、いずれは全て成魚サイズになる」という未来です。
もちろん、これは全ての針子を上手く育てられた場合の話ですが、もし数百匹がすべて4cm前後の大人になったらどうなるでしょうか? 針子のうちは小さなタッパーやボウルで飼えても、成魚になれば大きな飼育容器や、水槽の数を増やす必要が出てきます。
小さな容器にぎゅうぎゅう詰めの状態(過密飼育)で飼育していると、メダカは大きく育ってくれません。
容器には水量や表面積に応じた「適正な数(定員)」というものがあります。 メダカの数が容器の容量に対して多すぎると、以下のようなことが起こります。
沢山の卵を採って沢山の針子を孵化させても、スペースやお世話にかける時間(餌やりや水換え)が追いつかなければ、結局多くのメダカたちを健康に育て上げることはできません。
ここで少し専門的な補足をします。 「餌さえあげれば過密でも育つのでは?」と思われるかもしれませんが、実はそう単純ではありません。
たくさんの魚を少ない水の中で飼うと、魚は「詰め込みすぎ」のストレスを受けます。
その結果として、成長を進めるホルモンの働きが乱れ、「成長を促す物質」や「代謝を高めるホルモン」が減ってしまい、体の成長がゆっくりになります。
※高密度ストレス → コルチゾール↑ → 成長ホルモン↓ + 甲状腺ホルモン↓ → 成長停止
メダカを早く大きく立派に育てたい場合、ブリーダーはあえて広々とした容器に少数を泳がせます。 逆に言えば、卵を取りすぎて過密になることは、自ら「大きくならない環境」を作っているのと同じことになってしまいます。
「卵は少ない方が良いの?」という疑問に対する僕の答えは、「飼育スペースに見合った数に絞るのがベスト」です。
卵を取りすぎず、針子の数をコントロールすることで、以下のようなメリットが生まれます。
結果として、無理に数百匹を維持しようとするよりも、余裕を持った数で育てた方が、生存率も高く、立派な体型のメダカに仕上がります。
もし現在、「沢山の稚魚がいるけれど、なかなか大きくならない」と悩んでいる場合は、以下のポイントを見直してみてください。
飼育環境や管理できる時間をオーバーしている可能性が高いです。
メダカ飼育を楽しむためにも、くれぐれも「卵の取りすぎ」には注意して、余裕のある飼育を心がけてみてくださいね。

Youtubeチャンネル「媛めだか」 メダカ系にて登録者数日本一のYoutubeチャンネルも運営中。 動画では実際の飼育容器の様子や、成長比較なども発信しています。 詳しくはYoutubeにて「媛めだか」で検索してみてください。