毎年、春から初夏にかけて沢山の稚魚が孵化しています。
ただ、孵化したメダカ達が最初は順調に成長していたものの、成長していく過程でいつの間にか少しずつ減っていきます。
秋を迎える頃には100匹近くいた稚魚たちが、わずか数十匹にまで減ってしまいます。
どうしてでしょうか?
こういった時に考えられるケースはいくつかあります。
水質の悪化、病気、外部天敵、色々とありますが、今回は少し視点をずらした上で1つご紹介していきます。
それが大きくなっていることを忘れてしまっている。といったケースです。
仔魚(しぎょ)、生まれたての針子の頃は全長僅か約4㎜~6㎜程度と非常に小さいです。
稚魚の頃は体が小さい分、食べる餌の量もごくわずかです。
人工飼料などで育てている場合も餌を与える量は親と比べると非常に少なくなります。
※パウダー状の餌のため見た目上は多く見えますが、実際の量でいえば非常に少ない量になります。
また小さな稚魚たちが出す排泄物の量は非常に少なく親個体と比べると水自体もあまり汚れづらい環境です。
消費する酸素の量も体が小さい分少なくなっています。
比較的小さな容器だとしても針子にとっては十分なサイズであることも多く、こうした小さな容器で育てられていることも多いです。
ただ、仔魚たちもいつまでも小さいわけではありません。
次第に大きくなり10㎜、15㎜と成長していきます。
仔魚から稚魚、幼魚、若魚と成長していく過程で彼らの排泄物の量も増え、また体も大きくなり運動量も増え酸素の消費量も増えていきます。
私たちが与える餌の量も増えていきます。
その分、当然水質が悪化するまでのスピードは早くなります。
また時には酸素不足(酸欠)になることもあります。
成長と共に排泄量、運動量、酸素消費量、食事の量、それら全てが変わっていることを覚えておく必要があります。
最終的には飼育者のお世話の仕方も含めた使っている容器での限界匹数に落ち着く
いつまでも針子の頃と同じ感覚で飼育していると当然、徐々にその容器で飼うことができる適正量にまで数が減っていきます。
飼い方にもよりますが、メダカの屋外飼育のように濾過器などを使わない飼い方の場合、おおむね容器に対しての適正な数に落ち着きます。
例えば
針子の頃は100匹いても狭く感じなかった容器も針子が大きくなってくると手狭になってきます。
100匹の針子を全て成長させるには大きくなった分、容器の面積を大きくするか、または容器を増やし半分ずつに分けてみるなどする必要があります。何もしなければ、その飼い方、その容器で飼育できる数にまで減っていきます
夏になると水温が上昇します。水温の上昇と共にメダカたちの活性や代謝があがり当然稚魚たちの成長が加速します。
急激な成長に飼育者側の対応が遅れると、前述したのような理由によってメダカたちが落ちていきます。
メダカが落ちる原因、減っていく原因は複数あります。
この記事ではそのうちの1つの例として、「見落としがちなメダカたちの成長」といった視点で記事にさせていただいております。
ご了承ください。こちらの記事の内容はより詳しくyoutube動画でもご視聴いただけます。
仔魚から稚魚・幼魚、若魚、成魚へと徐々に成長していく過程で体が大きくなり、水を汚す量も増えていきます。
成長とともに水も汚れやすくなっていることを考え、容器を大きくしたり、容器の数を増やし分けたり、水換えの頻度を増やしたり、必要に応じてエアレーションなどを導入してみたりと、その都度、臨機応変に対応していく必要があります。