ビオトープで植物を育てる上で見落としがちな大切なポイントの一つに水温があります。
ビオトープの場合、植物自体が簾代わりの様になり水面を覆い遮光してくれるため、またスダレなどを被せることが難しいため遮光対策などはしないことも多いです。ビオトープを作ってすぐの時はまだ植物が繁茂しておらず少ない状態です。
こうした状態の場所に直射日光が当たり続けると真夏だと水温が簡単に40℃近くにまで上昇します。
春であれば直射日光もさほど気にする必要はありませんが、真夏の猛暑日などには注意が必要です。
40℃といえば普段入っているお風呂のお湯と同じです。
こうした状況が連日続くと植物は腐っていきます。
メダカ飼育にて好んで使われることの多いホテイアオイやサルビニアククラータなどの熱帯性の浮草は高水温を好みます。
本来、高水温にも強い水辺の植物になります。
僅か数十リットルの水量しかない飼育下では対策などしていないと自然界とは比べ物にならないほど過度な高水温になりやすい環境です。
猛暑日の直射日光によって育てていると煮えて枯れてしまいます。
最初は上手育っていなかったけれど徐々に増えてきて浮草や植物が水面を覆う面積が増えてくると調子が良くなってきた。
こういった経験はないでしょうか?
その一つに植物が繁茂してきて水面を覆うことで、水中を遮光し過度な高水温になることを防ぎ植物にとって育ちやすい環境になるといった理由もあります。
真夏にビオトープを立ち上げる時は植物はまだ根付いていない状態です。
水草たちが根付く前の段階でこうした過度な高水温は弊害をもたらします。
室内で水草レイアウトなどをしていると、いかにライトが大切だということに気づきます。
その状態から屋外でビオトープを始めると日向であることが必須だと勘違いしてしまいがちです。
ここで注意したいのは室内の観賞魚用LEDライトと屋外の太陽光では天と地ほどの差があることです。
光の明るさ表す指標としてルクスというものがありますが、太陽光は5万から10万ルクス曇り空でも1万ルクスを超えてきます。
一方で一般的な60㎝水槽などで使用されているLEDライト1000~2000ルーメンのもので、ざっくりと2000~4000ルクス程度かと思います。
ビオトープなどで使用されている水草などの水上葉でも5000ルクスもあれば十分に育てることができます。
もちろん、植物の育成には光合成しやすい波長なども大切なためルクスよりも大切な光の三原則RGBが最も大切なため、単に光の強さで判断するべきではありませんが、それでも屋外であれば、多少日当りが悪くても全く問題なく水草は育成可能です。
むしろ日が当たり過ぎてコケだらけになったり水温が上がり過ぎるような環境の方が植物をキレイな状態で維持していくには不向きと言えます。
室内、水草水槽のLEDライトと太陽光では天と地ほどの差があること。
雲越しの光でさえ、はるかに観賞魚用ライトよりも強い光であること。
この辺りを忘れずに光を当てすぎて過度に水温があがり、水が悪くなったり、根腐れしてしまわないようにご注意ください。
ビオトープの管理方法のテクニックなどもyoutubeにて沢山配信しています。
興味がある方はyoutubeにて「媛めだか ビオトープ」で検索。