例えば、西日本のような温暖な地域であれば、こういったサイズ感の稚魚たちでも十分越冬することができます。
当養魚場(愛媛県松山市)においては厚み5㎝程度の氷が水面に張るような寒さが厳しい冬においても、これらの稚魚が越冬することが出来ています。
最小サイズでいえば、ハウスなどを使わない雨ざらしの飼育環境においても1㎝程度の個体群の稚魚たちが冬越しに成功しております。
温暖な気候の地域であれば、稚魚たちの冬越しも問題ありませんが、東北方面の場合は難しい場合も多くあります。
例えば北海道には野生のメダカが生息しておらず、いくら寒さに強いメダカとはいえ限界があります。
北海道まではいかなくとも東北方面でも地域によっては北海道に近い寒さになることもあります。
人為的な断熱などの保温対策を施さない限り、稚魚においては越冬が難しい地域と言えます。
とはいえ、何も対策なしで稚魚たちが冬越し出来るかというと飼育環境によっては難しいこともあります。
これは成魚と同じで、水質が過度に悪化しないように注意することと、水温の変化を緩やかにすることです。
急激な水質の悪化、急激な水温の変化などが少なくし、出来るだけ大きめの容器で越冬させるとより冬越ししやすくなります。
他にも過密飼育にならないようにすることが大切です。
いくら微生物などを添加しようとも、それらには限界があります。
大切なのは1匹あたりの水量を多く確保することです。
微生物は自然と湧いてくる量で十分に賄うことが出来ます。
真冬になれば水が氷るほどの寒波が必ず訪れます。
この時、水が凍らないような対策も大切ですが、急激な水温変化が起こらないようにすることも大切になってきます。
それが出来れば、例え水面が凍ろうとも氷の下で稚魚たちは元気に雪解けを待ってくれます。
※水面が凍るような状況が連日1週間以上にわたり続くような場合にはこの限りではありません。
メダカは生まれてすぐの段階ではまだヒレさえもまともにありません。
泳ぐことすらままならない状態です。
産まれて1週間未満のまだつたない泳ぎの1㎝程度の稚魚もいれば
見た目のサイズよりもしっかりとしている生後1か月程度の1㎝の稚魚もいます。
メダカたちが越冬態勢に入るタイミングのメダカたちの状態によっても冬越し出来る出来ないが変わってきます。
そのあたりも考慮しつつ、屋外で越冬させるか、より安全な室内などで越冬させるかは飼育者自身の判断になります。