産卵が始まると毎日のように卵を産み続けるメダカたち。
毎朝のように繰り広げられる産卵行動。
卵を毎日生むという行為。
これがどれだけエネルギーを消費するかは想像がつくと思います。
卵は非常にタンパク質が豊富です。
蛋白質が豊富な卵を毎日生み続けるメダカたちにとって良質のタンパクや脂質は必要不可欠です。
栄養が不可欠なのは、メス個体に限った話ではありません。
提供:ピクスタ
タンパク質が必要なのはメス個体に限った話ではありません。
オスの精子も亜鉛や良質のたんぱく質が大切になってきます。
メダカの餌に高蛋白な餌が多いのには産卵を意識したところがあるといえます。
100均などの餌だと小麦主体のものが多く栄養面で不足しがちです。
出来る限り飼料メーカーさん、観賞魚メーカーさんが出しているような栄養価が高く吸収率の高い餌を使ってあげてください。
しっかりと栄養を取ったメスたちから生み出される卵。
これらのメダカの卵の中には油、油滴(ゆてき)と呼ばれるものがあります。
顕微鏡などで拡大して見てみると最初はこの油滴のつぶつぶが沢山見られます。
その後、一つにまとまり大きくなっていきます。
卵の比重が軽いのもこの油滴によるものだろうと言われています。
この油滴が卵の中のメダカの栄養分になっていきます。
油滴の成分は主に中性脂肪なので、蛋白だけでなく脂質も大切になってきます。
メダカの餌が高蛋白、高脂質である理由が見えてきたかなと思います。
良い卵を産んでくれやすい環境とはどういったものなのか。
逆に卵に負担がかかりやすい環境とは?
産卵シーズンとなる春から夏にかけて太陽光も強くなり高水温になっていきます。
水質も悪化しやすくなり、それに伴いメダカ達がストレスを受けやすい状態が続きます。
ストレスは産卵率の低下や孵化率の低下にもつながります。
過度な高水温によってオスたちの精子も活発さも失われていき、奇形の発生や産卵数にも影響する可能性が出てきます。
身近なものでいうとオゾンがあります。酸素=O2、オゾンはO3。
3つの酸素原子からなる不安定な酸素、これらは活性酸素の一つとされています。
オゾンなどの活性酸素は不安定な状態のため他の物質に酸素を与えて自らが安定しようとします。
その時に酸化していきます。
オゾンなどの活性酸素は紫外線によって生み出されていきます。
厳密にいうとややこしいので簡易的にいうと、
酸素分子O2が紫外線によって2つの酸素原子(O)になり酸素原子(O)と酸素分子(O2)が結びつくことで活性酸素(O3オゾン)ができるといった感じです。
例えば、ヒラメの卵において孵化率は紫外線量によって変化することが分かっています。
具体例でいうと以下のようなものがあります
・ヒラメの受精卵に紫外線を照射すると正常な生殖腺がない不妊化個体が生まれてくる
・一定の紫外線量において卵の発生が阻害され、孵化率がほぼ0になる
・紫外線の量を孵化出来る量にしたとしても紫外線によるDNAの損傷など半数が奇形になる
他にもUV照射量が大きいほど孵化までの死亡率が高くなったというような実験結果も報告されています。
こういった紫外線、またそれに伴う活性酸素も当然、メダカの卵へも悪影響も考えられます。
油滴の酸化や卵質の低下へとつながる可能性もあります。
突然ですが、皆さん
サケやマスの卵、イクラなどの魚卵が何故赤いのか?ご存じでしょうか?
産卵を終えたサケたちはやがて死んでしまいます。
その死骸が孵化した稚魚たちの餌になります。
※産卵で疲れ果てたサケ
このようにサケたち非常に浅い浅瀬に卵を産んでいます。
砂利で蓋をしているとはいえ、紫外線の影響を非常に受けやすい環境といえます。
サケの卵が赤いのには実は秘密があります。
この紫外線から卵を守ってくれているのが赤い色素アスタキサンチンです。
このカロテノイドの一種であるアスタキサンチンは強い抗酸化作用を持っています。
サケたちは産卵のために川に戻るときに筋肉にアスタキサンチンを蓄えて活性酸素を消去し、疲労を防ぎます。
産卵の準備が始まるとメスは卵にアスタキサンチンを移すことで、紫外線による卵のDNAの損傷を防いでいます。
アスタキサンチンは紫外線によって発生する活性酸素に最も威力を発揮する抗酸化成分とも言われています。
サケやマスなどの魚卵が赤いのは紫外線から卵を守っているアスタキサンチンが含まれている為です。
ここで出て来るのが青水。「媛めだかといえば青水」
2018年にyoutubeを始めた時、当時、らんちゅうなど金魚もやっていたため金魚飼い方をそのままメダカ飼育用に少しアレンジを加えてご紹介していました。
当時、古い考え方をお持ちの方たちにメダカは金魚じゃないと酷評されたこともありました。
ただ、金魚の世界馬鹿にしてはいけません。金魚屋さん、金魚の世界の人たちはいわば、屋外飼育のスペシャリストです。
メダカ業界の人たちのはるか上をいく飼育技術や経験をもっています。この辺りを取り入れたのが媛めだかの青水飼育。
屋外飼育、必ずと言っていいほど、日が当たる場所で飼育していると青水になります。
否が応でも青水になってしまう時があるのがメダカの屋外飼育です。
であれば、青水のメリット・デメリットを知り、青水を上手く利用していこう。
これが僕が2018年当初、最初にご提案させていただいた青水飼育になります。
実はこの青水の中にいる植物プランクトンにもアスタキサンチンが含まれています。
屋外で青水飼育していると自然と糞が緑色になります。
植物プランクトンを吸収しています。
食べているのか食べていないのかよく分かりませんが、糞を見る限り、体内に入っているのは分かると思います。
自然と青水飼育になる屋外個体が黄色の卵を産むことご存じでしょうか。
これ室内飼育をしていると無色透明になりやすいです。屋外だと黄色、室内だと無色透明。
ここまで記事をしっかりとご理解していただいた方であれば、もう分かると思います。
抗酸化成分を含むアスタキサンチンを多く取り入れられる青水飼育のような環境下での卵は
抗酸化成分が活性酸素より酸素を奪うことによって活性酸素を除去し、強く孵化率の高い卵になってくれている可能性があります。
アスタキサンチンなどの抗酸化成分がサケの卵と同様にメダカの卵にうつってくれ強い卵になっていると考えられます。
ただ、青水のままで卵を管理していると青水の質によってはカビなどが生えやすくなるため以前お伝えした卵の管理方法、
塩素を含む水道水での卵管理これも併用すると良いかと思います。
屋外飼育、青水飼育だと強く黄色い卵になることは分かった。
では、室内だったり屋外でクリアウォーターで飼育している場合にどんな餌を与えていれば黄色の卵にすることが出来るのか?
そこで出て来るのが産卵を意識したフードです。
最近はメダカ業界も良質のフードが増えてきたので特にこれがということはありませんが、
ここではあえて今回の話にも最適な商品を一つご紹介させていただきます。
メディメダカ繁殖アップ
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こちらの餌に含まれる成分をご紹介すると、
例えば、活性酸素から守ってくれているものにはアスタキサンチン以外にも色々とあります。
植物などの場合だと光合成することで酸素を出します。
この時に活性酸素が植物を傷つけてしまいます。
これを守っているのがポリフェノールです。
こちらのフードはアシタバが入っているフードですが餌を与えていると卵黄色くなりやすいです。
アシタバに含まれる抗酸化成分であるカルコンが卵を黄色くしてくれていると思われます。
サケのアスタキサンチンが卵に移行するように、アシタバのカルコンがメダカの卵に移行し紫外線からも卵を守ってくれるのではないかなと思われます。
こちらの餌、アシタバだけでなく亜鉛酵母なども含まれているのでオスの精子も強くなります。
他にもストレスに強い抗酸化成分であるトルラ酵母なども含まれています。
養殖のフグに与えた場合、ストレスでかみ合いをしやすい養殖のフグのかみあいが少なくなり、ストレスの軽減につながるともいわれているものになります。
他にも各種ビタミンやミネラルなど孵化率、受精率の向上につながる成分が多く含まれています。
こういった餌を使われても良いかと思います。
メディメダカ繁殖アップ
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もっと詳しく説明したyotuube動画もあります。
詳しくはyoutubeにて「媛めだか 強い卵の作り方」で検索
※20分にわたって詳しく説明したとても有益な動画になっております。是非合わせてご覧ください。