魚にはそれぞれ好む水質があります。
例えば熱帯魚であれば、ディスカス等だとpH(ペーハー、ピーエイチ)が6~6.5位の弱酸性の水質を好み。
ワイルド個体であればもっと低い値の場所に生息していることも珍しくありません。
水が酸性であるかアルカリ性であるかを数値で表したものになります。
pH7を中心に中性とし、7よりも数値が低ければ、酸性、高ければアルカリ性になります。
日本の水道水は地域によって多少違いがあるものの概ね中性付近に近い値を示します。
参考までに愛媛県松山市の僕の自宅の水道水のpHは7.2前後の弱アルカリ性です。
およそ28年前から変化していません。
pHは魚を飼っていると変動していきます。
魚の排泄物などによって有害なアンモニアが発生します。
通常の観賞魚飼育においてはろ材などに定着した硝化バクテリア、濾過バクテリアにより比較的無害な硝酸塩にまで分解、酸化されていきます。
これらが蓄積されていくことによってpHは酸性へと傾いていきます。
観賞魚の飼育に限らず、家庭菜園や農業においてもバクテリアによって蓄積された硝酸などによって土壌が酸性になってきます。
極度に酸性化された土では植物も育ちません。これを矯正するために石灰などをまき中和するといったこともあります。
また水草水槽などであれば、植物の光合成によってCO2の値などに伴い、pHも変化していきます。
では、メダカの場合はどうでしょうか?
濾過なし、砂利なし、水槽内に何も入れない状態。
所謂ベアタンク飼育が多いメダカの屋外飼育においては、この濾過サイクルが機能していないことも多いです。
屋外飼育においては植物プランクトンなどがアンモニアなどを吸収し、天然の濾過フィルターの役割を果たしてくれていることも多いです。
また植物プランクトンの光合成による作用などもあり、pHはアルカリ性に傾きます。
本来メダカ達が棲む田んぼや池や川は日中はコケや水草、植物プランクトンたちが光合成しています。
二酸化炭素を消費し、酸素を放出します。
植物たちの光合成によってpHが大きく変動しています。
日中は水中の二酸化炭素が減少し、pHがアルカリ性に傾いていきます。
一方、夜になると水中の植物たちも呼吸をします。今度は二酸化炭素を放出します。
田んぼなどであれば、元々たんぼの土はpHが酸性よりです。
日中は光合成によってpHが9近い値を示していますが、逆に夜間朝方になると6くらいにまで下がっていることもあります。
弱酸性を保ちやすい水草用のソイルなどを用いた水草水槽においても、そこまで極端ではありませんが、同じようなpHの変動が起きていることがあります。
濾過バクテリアの作用による硝酸などの蓄積によるpHの変動とこういった植物の光合成によるpHの変動では理由が異なります。
水質を単にpHの上昇、低下だけで見るのでなく、その理由も大切になってきます。
結論から言えば、メダカにとって適切なpHは弱酸性~アルカリ性までかなり幅広い範囲で適応可能と言えます。
pHが6近い酸性でも、pHが10近いアルカリ性でもメダカ達元気に生きています。
ただ、それが適正とは限りません。
基本的には水道水のpHである中性付近を基準とし、幅広い範囲で適応可能と言えます。
こちらの記事はYoutube動画からの一部抜粋となります。
ノーカットの本編はYoutubeにてご覧ください。
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