メダカと白点病|病気・寄生虫の治療法と対策

メダカと白点病|病気・寄生虫の治療法と対策

一般的にメダカは白点病にかからない、ならないと言われていますが、実際にはなります。メダカの体色的に目立たず、また熱帯魚などのように白点まみれになる前に死んでしまうことから気づかないというのが正しい理解かと思います。

事例として多くはないがメダカも白点病になります

メダカは白点病にならない?

皆さん、メダカは白点病にならないと思っている方も多いと思います。

実際にはメダカも多くはありませんが白点病になります。

目に見えるほどの白点虫がつく前に死んでしまっていたり
あまり横見で飼育することが少なく、またメダカの体色的に見えづらいため
「気付いていないだけ」というのが正しい理解かと思います。

 

ただ、なりづらいというのも事実です。
これには飼育環境と白点虫のシストとメダカの特性の関係があります。

 

魚が白点病にかかる流れ

観賞魚の病気の定番でもある白点病。

白点病を起こす繊毛虫類の一種である白点虫は水底や土壌の中など多数存在しています。

彼らは魚の体表、実際には上皮内に寄生し栄養を摂取し成熟していきます。
この時に魚達は細胞や体液を吸い取られてしまうため弱ってしまいます。

 

十分に成熟した白点虫たちは、魚達の体から離れ、容器の側面や底、
底床材を使っていれば砂利やソイルの上などでシストと言われる膜を形成します。

 

その後、細胞分裂を繰り返しながら数百~数千の仔虫(しちゅう)を産生し、

産生された仔虫たちはシストから飛び出し、それがまた再び魚達の体などに寄生し成長していきます。

その後、また成熟し、また離れてシストを形成し細胞分裂を始める。
これの繰り返しです。

魚体に寄生→成熟し一度離れシストを形成→細胞分裂により数百・数千の仔虫を産生→再び魚体に寄生

 

休眠シスト状態の白点虫たちはミジンコの卵のようなものと思っても良いかもしれません。

 

乾燥した田んぼにある、ミジンコの耐久卵、休眠卵、水を張ると復活します。
厳密に言えば、少し違いますが、白点虫の休眠シストも同じようなイメージをもたれると分かりやすいかと思います。

 

白点病は休眠シストから放出された白点虫たちによって起こされています。

暖かくなり生物の活動が活発になった状態から水温が急激に下がった時などに白点病が起こるのは、ちょっとした水温低下をスイッチとした休眠シストからの白点虫の放出とも言えます。

水温の低下が病気を招く理由

魚類の大半は体表が微量の粘液で覆われています。
これらは直接的な外部刺激、病原性のある寄生虫などを抑制する役割でもあります。

 

 

魚たち、メダカ達にとって水温が下がるということは
私たち人間で言えば寒気がする、鳥肌がたつようなイメージです。

 

水温の低下が招く病気への流れ
・水温の低下による免疫力の低下
・体液の分泌が悪くなったり、肌荒れしたような状態
・体表の状態が悪くなり無防備になった状態

 

 

白点虫などの寄生虫にとっては大チャンスと言えます。
生き物というのは本当に良く出来ていて面白いです。

 

このチャンスを狙ったかのように休眠シスト状態であった
白点虫たちが一気に放出され、体に寄生していく。

 

 

色々なケース

熱帯魚などの場合、メダカよりもずっとシビアです。
郵送中の温度変化、水合わせ中に袋を浮かべることでおこる元の飼育水に与える水温変化、
これにより水槽内のシストの放出。こんなケースだって実際あります。

 

小さな小型水槽に通販などで購入した少し冷たくなった水を水事ばしゃっと入れてしまうと簡単に温度変化が起こってしまいます。
肌荒れ状態の魚達にシストの放出。

 

水合わせ後の飼育水を入れないでと言われているような熱帯魚屋さんがいるのも、この白点虫のシストを考慮しているとも言えます。
導入元の飼育水の水温、購入してきた袋の水温、どちらが高いか低いかでもまた変わってきます。

 

飼育水の中には常に病原菌が常在しています。
白点虫の休眠シストも同様です。

 

新しい魚を導入して病気になったため病気を持ち込んだと思っていたら、もともといた休眠シストにきっかけを与えてしまった。
そういったケースもあるかと思います。

 

新しく導入した熱帯魚などの魚達が白点病にかかりやすいのは輸送中のストレスなど粘液の分泌が悪くなっていたり、
人間で言えば鳥肌がたち寒気がしているような状態で寄生しやすいからとも言えます。

 

白点病に限らず春先や秋口、季節の変わり目はもちろん
梅雨時期に病気が多くなるのも、こういったメダカ達の免疫が落ちていると思うと納得しやすいかと思います。

 

こうして考えると水合わせ大切さも分かると思います。
メダカの場合は丈夫なので、大丈夫なことも多いですが熱帯魚など水温変化にシビアな観賞魚になってくるとより大切さがより実感できるかと思います。

 

メダカが白点病になりづらい理由

メダカが白点病になりづらい理由として水温変化に強い一面等はもちろん、他にも飼育環境があります。

白点虫は高水温になると先ほど説明したシスト~成虫になるまでのライフサイクルが加速することで短くなり一巡までが早く薬効なども高まります。(詳細説明省略)
夏場に高水温になりやすいメダカの屋外飼育においては白点病になりづらい飼育環境といえます。

 

まとめ

ひとつ誤解しないで欲しいのは白点病、そこまでメダカにおいては多い病気ではないので過剰に気にし過ぎないようにしてください。
ずっとメダカは白点病にならないと言われてきましたが実際にはなることもあるよ。くらいに覚えておいてください。

 

メダカにおいては見た目だけでいえばよく似たものにウーディニウム(コショウ病)というものがあります。
これについても、また別の機会に記事にしていきたいと思います。

 

この記事をより分かりやすく詳しく動画にしたものもあります。
詳しくはyoutubeにて「媛めだか 白点病」で検索!

 

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