メダカの飼い方と繁殖方法|媛めだか

メダカの飼い方と繁殖方法|媛めだか

YouTube登録10万人超!愛媛県松山市のメダカ屋「媛めだか」が教える、失敗しない飼育術。一番難しい針子の育て方や産卵のコツ、病気対策まで、プロの経験を動画と記事で分かりやすく解説します。

メダカ屋が教える飼育の教科書|産卵から針子の育て方まで動画×記事で解説


現役メダカ屋が教える、産卵・針子育成も失敗しない飼育バイブル
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メダカの繁殖と飼育の年間カレンダー

「メダカって簡単でしょ?」
そう思って始めたものの、採卵がうまくいかなかったり、冬越しで全滅させてしまったり……。実は奥が深いのがメダカ飼育。


今回は、僕がYouTubeや実際の飼育現場で実践している「年間スケジュール」を、少しマニアックな視点も交えて記事にしました。教科書通りの内容ではなく、「現場で本当にやっていること」を中心に書いていきます。


メダカの活性を決めるのは、カレンダーの日付ではなく「水温」と「日照時間」
僕はこの2つの軸で、1年を4つではなく5つのシーズンに分けて管理しています。

① 春(3月〜4月):三寒四温との戦い

越冬明けの春は一番難しい季節。暖かくなってきたからといって、絶対に油断しちゃいけないのがこの時期。


「起こす」タイミングを見極める

失敗しずらい目安のタイミングとしては、最低水温が10℃を下回らなくなった時
昼間が暖かくても、夜に5℃近くまで下がるうちはまだ冬の管理を続けます。ここで焦って餌を与えて、消化不良で落とす失敗が一番多くなります。

ポイント

正直なところ、教科書通りの「最低水温10℃で安定」を待っていると、タイミングとしては遅すぎることが多いです。


その頃には、昼間の最高気温はすでに20℃を超えています。冬の間に汚れが溜まった水に、急に高い温度が加わるとどうなるか……そう、一気に水質が悪化し、アンモニア濃度上昇。魚たちにとっては過酷な環境です。


そこで僕が動画でも推奨しているのが、「少しずつ起こしていく」という方法です。
一気に変えるのではなく、部分換水を繰り返しながら、「汚れた冬の水」をリセットして、春の暖かさでも傷まない「新しい水」へと徐々にシフトさせていく方法です。


産卵スイッチを入れる「13時間と20℃」

繁殖モードに切り替えるには条件がある。

  1. 光:日照時間が13時間を超えること。
  2. 温度:水温が安定して20℃を超えること。

僕は3月後半から、高タンパクな「産卵用配合飼料」に切り替えて、メダカの体内に栄養をチャージしていくようなイメージで給餌を行っていきます。ここで親魚をしっかり太らせられるかどうかが、その年の採卵数を決める大事なポイントになります。



なぜ「少量・回数多め」が良いの? 繁殖の鍵は『肝臓』にあり
「餌は1日1回たっぷり」
これでは、実は繁殖には不十分です。僕が推奨するのは、少量の餌を1日に3回、4回とこまめに与える「飽和給餌」という方法です。
これには明確な生物学的な理由があります。


① 肝臓を「産卵仕様」に仕上げる
メダカが食べた栄養はまず肝臓に運ばれます。肝臓は、卵黄の材料であるビテロジェニンというタンパク質を合成する“卵工場”の役割も担っています。
少量のエサをこまめに与え、肝臓に安定して栄養が供給される状態を保つことで、産卵期のエネルギー需要に対応しやすくなり、結果として卵黄形成と卵の質をサポートできます。
つまり、胃袋を満たすのではなく、「肝臓に栄養を送り続ける」イメージ。これがプリプリの卵を爆産させる秘訣です。



② オスの「精子」の質が変わる
忘れがちなのがオスの存在。
オスにとっても、良好な栄養状態は精子の質や受精に必要な体力を維持するうえで重要です。エサを少量多回で切らさないように与えることで、ペア全体として受精率の低下を防ぎやすくなります。
栄養状態が悪いと、オスは生命維持を優先してしまい、生殖能力がガクンと落ちます。結果、せっかく産卵しても無精卵ばかり……なんてことに。
回数を多く与えてオスにも常にエネルギーを回すことで、精子の活動が活発になり、受精率の低下を防ぎやすくなります。


「太らせる」のではなく「栄養で満たす」。
この違いを意識して、餌やりの回数をコントロールしてみてください。



初夏〜盛夏(5月〜8月):爆殖と選別の最盛期

5月のゴールデンウィーク明けくらいからが本番。ここからは「殖やす」こと以上に「残す(選別する)」技術が問われるシーズン。

稚魚(針子)を落とさないコツ

生まれたばかりの針子を死なせてしまう原因の9割は

  • 過度な高水温や低水温
  • 水温の乱高下(寒暖差)
  • 水質の悪化(餌の与え過ぎ等)
  • 餓死(少ない)

これらによるものです。


当養魚場では基本的に「粉餌のみ」で針子を育てています。
なぜなら、飼育の本質は「微生物(インフゾリア)をどう湧かすか」にあるからです。


結局、目的は「インフゾリア」等の微生物たち

市販されている針子用の添加剤や液体フード。これらが何をしているかというと、突き詰めれば「水槽内にインフゾリアを発生させるための栄養」を入れているに過ぎません。


針子の口に入るサイズの微生物が湧けば、極論、何を使ってもいいんです。


最強の添加剤は「水温」である

ここで多くの人が見落としているのが、餌の種類ではなく「水温」です。



微生物の世界はシンプルで、水温が高くなければ爆殖しません。

  • 水温が低い時: どんなに高級な添加剤を入れても、微生物の増殖速度は遅く、体感できる効果は出にくくなります。
  • 水温が高い時: 特別な工夫をしなくても、粉餌を与えることで水中の栄養分が増え、微生物が自然に繁殖しやすくなります。

そう、皆さんが毎日あげている粉餌が、微生物にとって非常に扱いやすい栄養源になります。
もっと言えば、何も与えなくても、もともと水や環境中に含まれる有機物を利用して、一定程度は微生物が自然に湧いてきます。


水温さえ十分にあれば、屋外飼育では、針子の主な死因といわれる餓死はそれほど多くないと僕は考えています。


難しく考えず、シンプルに
だから僕は、あれこれ添加するよりも「水温の管理」を徹底します。
水温さえ高めに維持できていれば、微細な粉餌をパラパラ撒くだけで、水槽内は勝手に「微生物のスープ」になり、針子はそれを食べて勝手に育っていきます。


道具に頼る前に、まずは環境(水温)を見直す。これが一番の近道です。


容器のサイズアップと「水換え」

夏場の高水温(30℃超え)は、水質の悪化スピードが異常に早い。

  • 水量確保:小さい容器は水温変化が激しいのでNG。最低でもNVボックス13(約13L)以上推奨。
  • 足し水より水換え:蒸発した分を足すだけだと水中の有害物質が濃縮されるため、夏場は大胆な全換水なども必要になってきます。

より詳しくは夏場の飼育カテゴリーをご覧ください。
メダカの飼い方(夏)


③ 秋(9月〜10月):冬越しのための「体作り」

少し涼しくなってきたら、繁殖はストップ。ここからは意識を「越冬準備」に切り替える。
冬越しの成功にとって、ここが一番大事かもしれない。


サイズだけじゃない。「脂肪」という名の燃料を詰め込む

僕の経験上、体長1cm未満のメダカは、冬の間に体力切れ(エネルギー切れ)で落ちやすいです。


でも、ただ背が伸びれば(サイズアップすれば)良いわけではありません。
10月中に、いかに「給餌(お腹いっぱい食べさせる)」をして、体内に「脂肪」をガッツリ蓄えさせられるか。これが勝負です。



冬眠は「絶食」との戦い
冬の間、メダカは餌をほとんど食べません。
その数ヶ月間、彼らは何をエネルギーにして心臓を動かしているのか?
それが、秋の間に蓄えた「内臓脂肪」です。



つまり、痩せっぽちのまま冬を迎えるのは、ガソリンが入っていない車で長距離ドライブに出るようなもの。途中でガス欠(餓死)してしまいます。


若魚にはラストスパートを
特に今年生まれの若い個体(若魚)には、1日3〜4回、高タンパク・高脂肪で、かつ消化の良い餌を与えてください。


横見でチェックして、お腹が少し出るくらい太らせる。
しっかりとした体格作りが無事に冬を越すための秘訣です。


④ 晩秋(11月):青水(グリーンウォーター)作り

水温が15℃を下回り始めたら、餌の回数を減らして、冬眠用の水作りに専念する。


「透明」でも「緑」でも、冬の水は『生きている』ことが条件。
冬越しの水作りで、僕が一番大切にしていること。
それは、見た目の色(グリーンかクリアか)ではなく、「微生物が湧いている『生きた水』であるかどうか」です。



そのために、秋の準備段階で必ず行うのが「割り水(わりみず)」というテクニック。


秋の換水は「半分残し」が基本
全部の水を変えるのではなく、今までメダカが住んでいた飼育水を半分〜3分の1ほど残し、足す。これが「割り水」です。


なぜこれをするかというと、古水に含まれるバクテリアや植物プランクトンを「種(タネ)」として次の環境に引き継ぐため。
新水のフレッシュさと、古水の生物バランスを「いいとこ取り」したこの水こそが、冬に向けた最強のベースになります。


微生物の「代謝熱」が天然のヒーターになる
植物プランクトン(グリーンウォーター)や、目に見えないバクテリア(クリアウォーター含む)。
彼らが水中に無数に存在し、活動しているということは、そこには微弱ながら「代謝熱」が発生しています。



この熱が、冬の厳しい冷え込みに対して「保温材」のような役割を果たし、水温の急激な低下を和らげてくれます。
真水(ただの水)はすぐに冷え切ってしまいますが、微生物がひしめき合う「濃厚な水」は、温度変化に対して粘り強い。これがメダカの命を守ります。
「腐らない水」を作る
「古水=汚い水」ではありません。
バクテリアのバランスが整った古水は、汚れを分解するサイクルが出来上がっているため、逆に「腐りにくい水」です。
逆に、バクテリアがいない新水に餌やフンが落ちると、分解されずにそのまま腐敗し、水カビ病などの原因になります。


結論:冬の水は「熟成」させる

  • グリーンウォーター: 植物プランクトンによる代謝熱と水質浄化作用。
  • バクテリアウォーター(クリア): 分解者による浄化作用と代謝熱。

どちらの場合も、目指すのは「熟成された温かい水」
メダカが寝ている間に、微生物たちが布団のように包み込み、水質を守ってくれる。そんな環境を秋のうちに作っておくことが、春に笑顔でメダカと再会するための秘訣です。


⑤ 冬(12月〜2月):放置の美学

最高水温10℃以下。ここでの仕事は「何もしないこと」
冬の飼育で一番大切なこと。それは、飼育者の「我慢」です。
水温が10℃を下回り、メダカが冬眠モードに入ったら、基本的には「放置」が正解です。


人為的な刺激は厳禁
冬のメダカは仮死状態に近いレベルで代謝を落としています。ここで

  • 網で掬って観察する
  • 全換水など負担が大きな水換えをする
  • 餌をやる

といった行為は、メダカにとって命取り。
人間で言えば、真冬に布団で寝ているところを叩き起こされて、冷たいプールに放り込まれるようなもの。無駄に体力を使わせてしまいます。


基本は、水位が下がった時に水温を合わせた水を静かに足すだけ。あとは春が来るのをじっと待ちましょう。


「氷」は割るな! それは天然の布団です
よくある質問ですが、水面に氷が張っても、絶対に割らないでください。


「息ができなくて苦しそう」


そう思って割りたくなる親心は痛いほど分かります。でも、氷を割る時の衝撃や振動は、冬眠中のメダカに強烈なストレスを与えます。
さらに、張った氷やその上の雪は、外気を遮断する「断熱材(かまくら)」の役割を果たしています。これを割るということは、真冬に家の屋根を取り払うのと同じこと。かえって水温を下げてしまいます。



【例外】氷を取り除くケース
ただし、小さな容器で「底まで凍りそうな場合」は緊急事態です。その時は氷を取り除き、水量を増やして凍結を防ぐか、玄関先などに避難させてください。


その容器、浅すぎませんか?
ただし、もし「底まで凍りついてしまいそう」で焦っているなら、厳しい言い方になりますが、その容器を使っている時点で冬越しの環境としては不十分と言わざるを得ません。


本来、適切な水深があれば、表面に氷が張っても底の水温は安定し、メダカはそこで安全に冬眠できるはずだからです。
「底まで凍る=逃げ場がない」状態を作らないために。なぜ冬越しに「水深(深さ)」が必要なのか?


失敗しない容器選びの鉄則については、以下の記事でガッツリ解説しています。併せてチェックしておいてください。
関連記事:メダカの水深は何センチがベスト?実は9m潜る驚きの能力と「水量は正義」の理由


冬でも「水換え」が必要なサイン
「冬は放置」と言いましたが、例外もあります。
もし、暖かい日が続いた後に以下のようなサインが出たら、勇気を持って1/4〜1/5程度の部分換水を行ってください。

  • 寒暖差などによる微生物の沈殿(水質腐敗)
  • 水面の泡が消えない(タンパク質汚れ)
  • メダカの体に異変が見える(水カビ病、松かさなど)

冬の古い水は、水温上昇とともに雑菌が湧きやすい状態になることもあります。
「おかしいな」と思ったら、新しい水の水温を飼育水と合わせて、静かに水を入れ替えてあげてください。


足し水だけでも随分と変わってきます


まとめ:メダカのリズムに僕らが合わせる

メダカ飼育で一番面白いのは、こうやって季節ごとに飼育方法が異なるところです。


「夏に殖えなかった」

「冬に死んでしまった」


その原因は、実はその季節の対応ではなく、「一つ前の季節の準備」にあったりします。

  • 春の立ち上げが遅かったから、春から夏にかけて上手く殖えてくれなかった夏に数が伸びなかった。
  • 秋に太らせきれなかったから冬を越せなかった。


こんな風に1年の流れを線で捉えられるようになると、メダカ飼育はもっと面白くなるし、媛めだか流の「強い個体」が作れるようになるはず。


焦らず、じっくり。
今年も良いメダカライフを送ってくださいね。

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