メダカの青水飼育~いかすもころすも愛好家次第!青水ってどんな水?

メダカの青水飼育~いかすもころすも愛好家次第!青水ってどんな水?

メダカに限らず、金魚も含め。屋外ろ過なし飼育において青水は切っても切れない飼育水といえます。彼らとどう向き合っていくのか。このあたりも大切になってきます。

メダカの青水飼育|青水ってどんな水?

メダカの屋外飼育は気候・天候に左右されます。
私たち人がどんなに工夫しようとも環境次第で青水になります。
メリットも多く、またデメリットも多い青水。だからこそ上手く利用していくための知識が大切になってきます。
これまでYoutubeにて青水に関する動画だけでも数百本と上げてきました。
ここでは大まかな青水の特徴や青水飼育への考え方を記述させていただきます。

青水って何?


植物プランクトンにはミドリムシ藻、緑藻、藍藻、珪藻、黄色鞭毛藻、渦鞭毛藻、褐色鞭毛藻、これらの仲間たちと沢山の種類がいます。
青水とはこれらの植物性プランクトンの仲間たちが含まれた水です。
植物プランクトンは葉緑素という色素を含んでいる為、
それらによって水が緑に見え、それを主に青水と呼んでいます。
一言にプランクトンといっても、様々な種類が無数に存在しています。オキアミひとつをとってもプランクトンです。
原生動物、単細胞生物。これらは簡単にいうと体が1つの細胞から出来ている生物もいれば
他にも独立栄養生物、微細藻類(びさいそうるい)などがあります。
微細藻類のように葉緑体をもち光合成をする藻類もいます。(独立栄養)

 

植物プラントンが作り出す有機物は食物連鎖の出発点といえます。
水中に棲む魚たちにとって、この出発点を作ってあげることも大切です。
水が緑だから、透明だからというのは単に見た目上の話であり水質の良し悪しを測るものではありません。

 

青水の中の微生物は限定的


プランクトンといっても、どれだけの種類がいるかは分かっていただいたと思います。
では青水の中にそれら無数の微生物が存在しているかというとそうとは限りません。

水草の場合


例えば、水草や植物の場合、自然界では同一種が一つの個体群として群栄しています。
多種にわたる水草が同じ場所に混合して自生することは少ないです。
特定の水草が群生し、別の水草が侵食してきた場合には既存の水草が淘汰されていきます。
このように同じ環境下、同一箇所で複数の植物が混合して自生していることは少ないです。

水草レイアウト水槽のように多種多様の水草が混合して自生していることはまずありません。
多くの場合は1種類または数種程度で群生し繁茂し、他は淘汰されていきます。

青水の場合


これを青水に置き換えてみてください。
青水から徐々にクリアウォーターに変わっていく時があります。
雨などによって一気に植物プランクトンが死に沈殿してクリアになる場合とは違います。
植物プランクトンが死ぬわけではなく、徐々に青水がクリアになっていくケースです。
この場合の一つの例としては植物プランクトンを食べる動物プランクトンなどの微生物が増えてくるためです。

植物プランクトンが多く含まれていた状態の青水の中に植物性プランクトンを餌とする動物性プランクトンが殖えてきた場合には水を緑色に見せている植物プランクトンが減り(淘汰)、飼育水がクリア(透明)になっていきます。

気候・天候により植物プランクトンが死に沈殿しクリアになる青水とは違い、自然とクリアになる青水は動物プランクトンや硝化バクテリアの方が優位に立ち増えた状態と言えます。

クリアになったからといって微生物が居なくなったわけではありません。
これを無理に青水に戻す必要ありません
いい意味で、食物連鎖が行われている証拠であり、微生物も豊富な状態と言えます。
水質面同様に微生物の有無も見た目だけで判断してしまうのは禁物です。

 

青水のpHとアンモニア

青水の場合、少なからず一定のアンモニアが検出されます。
アンモニアがあるから青水になる一方で青水は天然のろ過フィルターでもあります。
詳しくは青水とアンモニアこちらの記事をご覧ください。

 

不思議な青水

また青水はpHが高くなりやすい水でもあります。
例えば青水が高濃度になってきた場合、pHの値は10近い数値を示します。
pHが過剰に高く、また一定数のアンモニアがあるという一見魚にとって最悪な水ともいえるはずの青水。
にも関わらず、飼いやすい一面も多い、これが青水の不思議なところです。
その理由は青水の本質的なところを見ていくと自ずと見えてくるかと思います。

 

アンモニアなどの養分があるから青水になり逆に言えば、それらを養分としてメダカ達が生存できるラインでキープしてくれているのも青水です。
青水のメリット

・水あたり(刺激)が優しい
・良い意味で成長を抑制し鱗並びが綺麗になる
・運動量が減るため、肉付きがよくなる
・色艶、色揚げ効果がある
・成長が緩やかになり老化を遅らせる
・微生物が豊富なため、稚魚の餌が豊富で餓死が少ない
・天候による沈殿さえなければ水質管理が楽
・色やとろみ、泡切れで水質の良し悪しがわかるため水換えのタイミングがわかりやすい

 

クリアウォーターの場合

植物プランクトンがアンモニアなどを養分とし光合成などで有機物を作り出す一方でクリアウォーターの場合は植物プランクトンとは違う形の微生物、バクテリアたちがソイルや容器の壁面や底の汚泥等に潜みアンモニアなどを酸化させ比較的無害な形、硝酸塩などに変化させてくれます。
バクテリアの水質浄化作用に関しては
Youtube動画「メダカとバクテリア」をご覧ください。(yotuubeにて「メダカとバクテリア」で検索)
※ただ、メダカの屋外飼育の場合、多くは濾過器などを使わないため自然と青水飼育になっていることが多いです。

 

室内飼育が難しく感じる理由

室内飼育が難しく感じる理由としても青水があります。
メダカの屋外飼育においては自然と否が応でも青水になりやすい一面があります。
飼育者が水をコントロールし管理しているつもりでも、実際には自然が水をコントロールしています。
この自然に魚にとって良い水づくりが室内飼育になったときに出来ていない方は室内飼育が難しく感じます。
これに関してもyotuubeにて動画にしています。

 

様々なプランクトンたち

節足動物の仲間

タマミジンコ、ミジンコ、カイミジンコ、ネコゼミジンコ、オカメミジンコ、ゾウミジンコ、マルミジンコ、ノロ、シカクミジンコ、ヒゲナガケンミジンコ、ケンミジンコなど

鞭毛藻の仲間

ユーグレナ、クリプトモナス、ウログレナ、ファクス、ケラチウム、ディノブリオン、ペリディニウム、ギムノディニウムなど

原生動物の仲間

アメーバ、ゾウリムシ、ツボカムリ、ツリガネムシ、ハルテリア、コドネラ、ラッパムシ、ボド、ブレファリスマ、エピスティリス、チンチニディウム、パラディレプタス、ラフィディオフリス、アクチノスフェリウム、ディディニウム、トコフリヤ、コレプス、ブルサリヤ、アントフィサ、ストケシア、ペラゴディレプスタスなど

藍藻の仲間

ミクロキスティス、アナベナ、コエロスフェリウム、オシラトリア、メリスモペディアなど

珪藻の仲間

コメツブケイソウ、カスミマルケイソウ、フナガタケイソウ、アウラコセイラ、クチブルケイソウ、イタケイソウ、オビケイソウ、ハリケイソウ、クサリケイソウ、イトマキケイソウ、ホシガタケイソウ、コバンケイソウ、ハダナミケイソウなど

緑藻の仲間

ボツリオコックス、ボルボックス、クロミドモナス、テトラスポラ、スタウラストルム、ミクラステリアス、コエラストルム、セネデスムス、コスモクラディウム、オーキスチス、クンショウモ、コスマリウム、クロステリウム、アンキストロデスムス、ユードリナ、ディクチオスフェリウム、アオミドロ、ミクラクチニウム、アミミドロ、ヒザオリ、テトラセルミス


こちらの記事は媛めだかchのyoutube動画
「メダカの青水飼育完全攻略」の冒頭の数分部分になります。
本編の動画では1時間40分に渡って青水を説明した動画があります。イラストや実際の映像をふまえ詳しく解説されています。完全無料でご覧いただけるので気になる方はそちらをご覧ください。

※各記事は動画でより分かりやすく、より詳しくご覧いただけます。