媛めだかが独断と偏見で選ぶ針子の死因トップ3
外気温とメダカたちが棲む水中の水温は異なります。
日中は太陽光のお陰もあり30℃近くまで水温も上昇しますが朝方になると10℃近くまで落ちてきます。
その差、およそ20℃。
ここまでの温度変化は例えば人間でも風邪を引いたり、体調崩しやすくなると思います。
変温動物であるメダカ達。
特に針子において、この変化は非常に厳しいものとなります。
逆に言えば、5月に入り気温が安定してくると途端に卵や針子の管理が容易になってきます。
針子が落ちやすい季節は春先だけではありません。
春先に卵を管理する際に温度が足らず孵化に至らないことがあるため小さめの容器で管理することがありますが、真夏に春と同様に小さな容器で針子を管理していると、少し日光が当たるだけでも水温は簡単に40℃近くまで上昇します。
40℃といえば私たちが入っているお風呂と変わらない温度、もはやお湯です。
さすがに生まれたての針子は耐えられず煮えてしまい跡形もなく消滅し落ちてしまいます。
対策としては春先であれば、夜間、朝方に出来るだけ水温が下がらないようにする。
夏場であれば、過度な水温上昇によって針子が煮えないようにすることが大切です。
針子の死因で一番多いのが餓死であると十数年前より定説として言われ続けていました。
私自身も以前は先人の方々が言うのだから、きっとそうなのだと思っていました。
ただ、当養魚場で管理していく上で餓死というのはそれほど多くないように感じます。
逆に餓死を気にし過ぎるがあまりに人工飼料、ゾウリムシにPSB,青水など微生物を殖やすためや餌を供給するために、それらを過剰に与え過ぎてしまうことによる水質悪化によって針子たちが落ちていく原因を作っていると感じることがあります。
微生物も生きていています。
生きている微生物が飽和状態になるとどこかで限界を迎え水が悪くなっていきます。
また春先の寒暖差、水温の乱高下によっても水は悪くなります。
夏場であれば高水温も重なり、より水が傷みやすくもなります。
この辺りは第1位の水温とリンクする部分も非常に多く水温と水質悪化。
この二つの繋がりを考えることも大切です。
過度なアンモニア濃度の上昇など、水質の悪化は成魚でさえ死んでしまうこともあります。
ましてや産まれたての小さな針子にとっては死活問題となります。
針子の頃は水質悪化に対する耐性が弱いと考え、成魚以上に水質悪化に気を付ける。
針子にはヨークサックと呼ばれる栄養分、卵黄が入った臍嚢(さいのう)があります。
このヨークサックのおかげでメダカの針子たちは餌を食べなくても3~5日はヨークサックの栄養分だけで成長し生きられます。
孵化後、3~4日以内に針子たちが落ちているようであれば、それは餓死ではなく、別の原因が考えられます。
とはいえ、水質も良好で水温も安定しており問題がない場合で、それでも針子たちが落ちていくようであれば餓死の可能性が出てきます。
ゾウリムシにPSB,青水、微生物といっても色々と種類がありますが、いずれも通常は日の当たる屋外飼育環境下であれば自然と湧き自然と発生するものです。
本来は屋外飼育という環境下で餓死するということ自体が珍しいも言えます。
その上で、微生物が上手く発生していない場合には餓死である可能性もあります。
針子の場合、病気の判断が難しいため忘れがちですが、針子だって病気になります。
これは成魚同様に水質悪化や水温の急変に伴うものであり、忘れがちな部分でもあります。
これに関してはまた改めて動画にしたいと思います。
餓死の疑いがある場合には、過剰な水温にならない程度に日の当たる場所で針子を飼育する。
病気の疑いがある場合は死因1位の水温と2位の水質が主な原因のためそれらの対策をする。
メダカの針子・稚魚の生存率が低いと言われることがありますが、これはここまで記述してきたような事柄があるためです。
これらの事柄についてはyoutubeでも色々と配信しています。
興味がある方はそちらも合わせてご覧ください。
「媛めだか 針子」、「媛めだか 稚魚」などでyotuube検索するとご覧いただけます。