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下記の記事は「岩松 鷹司先生の著書 全訂増補版 メダカ学全書」を参考にしております
※画像は媛めだか作出フルボディの鰭長ダルマ(熊猫)
ダルマメダカはチヂミメダカとも言われています。
このダルマメダカの形質は遺伝子よって発現します。
ダルマの遺伝子には現在判明している時点で6種類ほどあります。
チヂミ遺伝子(ダルマ遺伝子)は背骨の成長に異常をきたすことで背骨が癒着するような形で短くなり、それによって見た目がチヂミます。
一種の奇形とも言えますが、その愛らしい姿からだダルマメダカとして多く流通しています。
ダルマの遺伝子は潜性遺伝になります。
仮に親個体であるペアがダルマメダカの遺伝子を持っていたとしても環境によってはキレイに発現しません。
ダルマの遺伝子は癒合、溶和という意味のfused(フューズド)の頭文字から取り「fu遺伝子」とも呼ばれています。
またドワーフ(小人)遺伝子と言われたりすることもありますが、これらはどちらかといえばネザーランドドワーフなど小動物として大人気のペットのうさぎで使用されることが多いため、ここでは分かりやすくダルマ遺伝子またはfu遺伝子としてご紹介していきます。
fu遺伝子にもfu1,fu2と種類があり現在のところfu1~fu6まであるとされています。
これらの遺伝子の癒着の仕方によって半ダルマ(はんだるま)、本ダルマ(ほんだるま)といった風に、同じダルマでもチヂミ遺伝子にも強弱があります。
遺伝子が複数存在するということは同じダルマ同士でも対立遺伝子が異なっていた場合にはダルマにならないということでもあります。
遺伝子の種類が多い分、累代が浅い段階だとダルマにならないこともあります。
目には見えない遺伝子のため、同一系統にて累代を重ねながら固定率を上げていく必要があります。
fu遺伝子は複数あるため、必ずしもダルマ同士のメダカがダルマになるとは限りません。
半ダルマ風の遺伝子もあれば、本ダルマ風の遺伝子もあります。
また仮に同一のfu遺伝子だったとしてもダルマにならないことがあります。
通常は同一のfu遺伝子であれば、ダルマになりそうなものですが、この遺伝子の発現には水温が強く関係していることが知られています。
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「岩松 鷹司先生の著書 全訂増補版 メダカ学全書」によると
水温20℃の環境下においてダルマメダカの出現率が10~20%なのに対し、水温28℃ではダルマメダカの出現率は100%に近いとの実験結果が得られています。
実際に同一ペアにて採卵を試みたところ、春と夏では明らかに子の個体群のチヂミ率が変わってきました。
あきらかに真夏に採卵した個体群はチヂミ、春先に採卵した個体群はチヂミ率が悪いという結果がでました。
まさに岩松先生の著書の通りの実験結果となりました。
ここで誤解してはいけないのが水温が高いからダルマになると単純に思わないことです。
これらはfu遺伝子を持っている個体においての話になります。
fu遺伝子を発現させる上で、必要な水温があります。
それが28℃以上です。
これ以下の水温になるとチヂミ率、ダルマメダカになる確率が下がっていきます。
ここで大切なことが、メダカの体は比較的早い段階で出来上がるということです。
卵の段階、もっと言えば、産卵させる前からこのくらいの水温をキープしておかないとチヂミ率が低下します。
この続きに関しては今後youtubeにアップ予定です。
詳しくはそちらをご覧ください。