ビニールハウスでメダカを飼育するメリットとデメリットや放射冷却について

ビニールハウスでメダカを飼育するメリットとデメリットや放射冷却について

ビニールハウスで起こる放射冷却ってどんなもの?メダカのビニールハウス飼育の注意点。

メダカ飼育におけるビニールハウスのメリット・デメリットと冬に注意したい放射冷却

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ビニールハウスのメリット

ビニールハウスは雨や風など天気に左右されにくく真冬でも20℃を超える位にまで温度を上昇させることができます。
また、加温設備などの導入を行えば、通年を通して育成・繁殖させることが出来るため、年間通して常時生産することも可能になります。

 

ビニールハウス内の温度が上昇する仕組み


太陽光がビニールを透過しハウス内にある物質の温度を上昇させていきます。

地面や容器、水、選別ケース、網、メダカボウル等、あらゆるものの温度が上昇します。
これらの温度が上昇した物の熱の伝達。熱伝導によって空気も徐々に暖まっていきます。

 

本来であれば空気は常に動いているため空気の熱は通常は拡散され一部の空間に留まるといったことはありません。
ただ、ビニールハウスの場合は、この空気の動きがビニールによって外部に放出されることを抑制されているため、太陽光が当たれば当たるほど様々な物の温度が上昇することによって、熱伝導で温められた空気もビニールハウス内に留まってくれます。

 

暖かくなったビニールハウス内の空気・熱は囲われたビニールによって拡散されるのが抑えられ、暖かさを保っています。
簡単に言えば、これがビニールハウスが暖かくなる理由です

 

ビニールハウスのデメリット

夏場など台風が来た時などに倒壊の恐れがあります。
また、ビニールハウスは私たちが住んでいるような断熱性や気密性に優れた断熱材入りの住宅ではありません。
いわば薄っぺらなビニールが一つ張られているだけのものです。
そのため、日中は暖かくても、夕方になり太陽光が沈んでくると外気温の低下と共にビニールハウス内の温度はあっという間に下がっていきます。
特別な加温設備を導入しない限りは温度を保つことは難しいです。
いわゆる温室をイメージしてしまうと少しがっかりしてしまうことがあります。

 

 

ビニールハウス飼育の最大のデメリット放射冷却

また、ビニールハウス飼育において注意しておきたいこととして放射冷却という現象があります。
簡単に言うと温度が高くなっている物体が熱を外に放射して冷えるという現象です。

お風呂のお湯が冷えていくようなイメージといえば分かりやすいと思います

 

放射冷却の流れ

お風呂のお湯が冷えていくのと同様に、ビニールハウス内の空気は暖かいと上へ逃げていき、逆に冷たい空気は重いため下へ留まりやすくなります。

部屋の暖房付けている時に上の方は暖かいけど足元が寒いのと同じです。
冷たい空気は重いため地面近くに留まります。

 

昼間は太陽光によって温まった物質の熱によってハウス内の温度が上昇

 

太陽が沈むとハウス内の熱は逃げていき一気に冷たい空気に

 

天気予報でも「良く晴れた日の夜は放射冷却で冷え込みが激しくなる」と言われることがありますが、あれも地面から放射される熱が空・宇宙空間へと放射されるため冷え込みが厳しくなります。

 

逆に雲が多い夜はあまり冷え込まないと言います。
地面から放射された熱が雲によって遮られるため宇宙へ戻りにくくなるためです。

 

メダカ飼育における放射冷却のデメリット


ビニールハウスを使っていると天気の良い日には真冬でも日中になると20℃以上に暖められ、水温も10℃後半近くにまで上昇します。

水温の上昇と共に植物プランクトンが沢山湧いて良い感じと思っていたら、放射冷却によって夜間・朝方には5℃以下に。
冬場のビニールハウス飼育はこんな寒暖差が起きてしまうことも多いです。
寒暖差による微生物の増減、それに伴う水質悪化、寒暖差によるストレス=病気の発症の悪循環をもたらしかねません。

 

媛めだか流のビニールハウスの使い方

当店ではビニールハウスを透明の屋根として雨や雪除け代わりに使っています。
当養魚場がある愛媛松山では雪はパラパラ降る程度のため、雪でビニールハウスが倒壊することもありません。
冬場も越冬態勢に入ってくれた方が個人的には楽なので冬場でもビニールで囲うことはしません。
これが意外と使い勝手がよくて個人的には重宝しています。

 

本来のビニールハウスの形にしてしまうとメダカの活動も活発になり、寒暖差による微生物の増減や水の劣化など、管理が面倒になることもあります。

 

必ずしもビニールハウスの導入で冬が楽になるとも限らないので、これからビニールハウスの導入を検討されている方はその辺りも覚えておくと良いと思います。

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