メダカの飼い方と繁殖方法|メダカ屋が教える産卵から針子の育て方まで

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  • メダカ飼育における汚泥除去の大切さ
    メダカの屋外飼育における汚泥除去の重要性~青水の沈殿および食べ残し、デトリタス他~汚泥とは魚を飼育していると様々なものが容器の中に蓄積されていきます。それらの堆積物・蓄積物はひっくるめて汚泥と呼ばれています。メダカの屋外飼育において言えば、植物プランクトンの死骸やメダカの糞、食べ残しの餌など色々なものが底に溜まり蓄積されていきます。こういった微生物の死骸や排泄物などの有機物などはデトリタスといった言われて方をされることもあります。このデトリタスなどの汚泥は水に溶けること水中を浮遊しながら、やがて容器の底の方に沈殿、蓄積されていきます。この汚泥の中には硝化細菌、硝化バクテリアなどの良い菌もいれば、病原菌などの悪い菌も含まれています。通常の観賞魚飼育においては濾過などによって濾過槽内に蓄積されていきそれらの汚泥が水中に舞い上がることはありません。メダカの屋外飼育の場合、これらの汚れは容器の底に蓄積されていきます。これがあまりよくありません。この蓄積された汚泥は屋外という不安定な気候・天候によって水質を悪化させていきます。例えば、急な雨などによって水質バランスが崩れたり、過度な水温の上昇とともに水の腐敗が始まります。水質を綺麗にするバクテリア達汚泥に含まれる菌の中にはメダカたちにとって良い菌もいます。例えば硝化バクテリアなどの魚たちにとって良い細菌(バクテリア)たちです。彼らは本来、水を浄化してくれるバクテリアたちは好気性です。酸素を沢山必要とします。屋外のろ過なし水槽では酸素などはもちろん、本来定着するためのバクテリアたちの棲みかとなる濾過槽も存在しません。底床材(砂利や赤玉)を敷いていたとしても、屋外においての微生物の増殖と死滅は過剰なほどに多いものです。次第に底床材は詰まり限界を迎えます。水槽ろ過ありの熱帯魚飼育のような水質浄化を屋外の彼らに期待し過ぎないようにしてください。天候や気候に左右され微生物の増殖と死の過剰な繰り返しに影響されるのがメダカの屋外飼育です。これらのバクテリアに頼るといった飼い方自体が不向きな環境です。ましてやメダカ飼育で使われているような小さな容器に室内飼育のイメージを求めるのは間違いです。仮にはじめは上手くいっていたとしても、それらは束の間、年間(シーズン)通してみた時に継続的に水質維持していくことは困難でしょう。メダカ業界では必要以上に微生物を添加するのが流行っていますが、屋外のように微生物が自然と湧く環境下においては過剰な微生物の添加は不要とも言えます。どちらかといえば、必要なのは微生物の添加ではなく、十分な量の水量です。メダカ1匹あたりに対する水量をゆったりと確保し、必要な時に水換えを行い、不要な時には水換えを控える。これらが最も大切になってきます。微生物はある程度の水温があれば自然と湧きます。逆に言えば自然と湧くことができない程の低水温下に微生物を添加してもそれらは死ぬだけです。生物の死は水の腐敗へとつながります。過剰な微生物のすすめ熱帯魚屋・アクアリウムショップなどであれば、水槽に餌、濾過槽、数百数千という各種熱帯魚。販売するものが無数にあります。ただメダカの世界においてはメダカ屋はメダカ以外に「売るものがない」という一面があります。またメダカ屋自体の多くが一般の愛好家の副業であることも多いです。そういったメダカ業界特有の背景から毎年流行りを作り販売されている一面もあるかと思います。少し過剰なまでに微生物を含む商品がごり押しされることがあります。正直趣味の世界でなければ全否定したい商品も中にはありますが、あくまでも趣味の世界のため愛好家自身が自ら選択し楽しむ分には好きに使われても問題はないかと思います。メダカの屋外飼育がどれだけ微生物が湧きやすい環境下であるかも知っておく必要があります。ただ、もしその商品を使う目的が単にメダカを殖やしたいということであれば、参考までに私自身はメダカ屋でメダカで生計を立てていますが、「人工飼料のみで特別なことは何もせずともメダカを殖やし生活できるほど販売し、それでも余ってしまうほど殖えるのがメダカ」であることも知っておいてください。汚泥由来による酸欠話は戻りますが、メダカだけでなく、容器の中にいる生き物は基本的には全て呼吸しています。場合によっては汚泥由来による溶存酸素量の低下とともに酸欠になることもあります。硝化バクテリアなどの酸素を必要とする好気性細菌を含む活性汚泥などは豊富な酸素が供給されていない場所では活発に働くことができません。汚泥の中には沢山の微生物が存在しているため水質を浄化してくれるという一面もあります。ただ、これは適切な処理、環境下においての話です。メダカの屋外飼育のように日々微生物が増殖し死滅し沈殿しているような環境下において、汚泥の蓄積は水質浄化というよりもそれらが過剰に蓄積されることによって有害な菌も蓄積されていき病気の温床になったり、水質の悪化へとつながっていきます。また汚泥が過剰に蓄積されていくと嫌気性条件下で硫化水素が発生していることもあります。屋外の場合、雨などによって撹拌されることで急激に高濃度に硫化水素ガスが発生することもあります。水に溶けやすいので、魚の呼吸器障害、酸欠のような状態になり突然死を招くこともあります。雨に限らず、強風などで汚泥が舞い上がるなどして、良くないガスが発生する場合もあります。いずれも稀なケースではありますが、屋外のような気候・天候が不安定かつ水温なども安定しない環境下においては汚泥由来の良くない毒素が出て来ることがあります。真冬や季節の変わり目を除けば、これらの汚泥は小まめに除去していくことが非常に大切になってきます。ではなぜ真冬や季節の変わり目を除くかというと、微生物も少なからず必要なためです。夏場であれば、あっという間に微生物が湧き水が出来てきます。メダカたちの活性や免疫や代謝も高いため、積極的な水換えでも問題ありません。ただ、季節の変わり目や冬場に同様のことをしてしまうと問題が出てきます。水が温かく保てているのは微生物のおかげでもあります。水が出来づらい季節の変わり目や冬場に全換水などしてしまうと、水温が下がり、メダカたちも免疫力も下がり、病気の発症へとつながります。より詳しく分かりやすくイラストなど踏まえ動画でも説明しているので興味がある方はそちらもご覧ください。こちらの記事の動画タイトル「メダカ飼育で汚泥を除去することの大切さ」動画では実際の汚泥の取り方や別動画でバイオフィルムについても解説しています。合わせてご覧ください。
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  • メダカの青水飼育~いかすもころすも愛好家次第!青水ってどんな水?
    メダカの青水飼育|青水ってどんな水?メダカの屋外飼育は気候・天候に左右されます。私たち人がどんなに工夫しようとも環境次第で青水になります。メリットも多く、またデメリットも多い青水。だからこそ上手く利用していくための知識が大切になってきます。これまでYoutubeにて青水に関する動画だけでも数百本と上げてきました。ここでは大まかな青水の特徴や青水飼育への考え方を記述させていただきます。青水って何?植物プランクトンにはミドリムシ藻、緑藻、藍藻、珪藻、黄色鞭毛藻、渦鞭毛藻、褐色鞭毛藻、これらの仲間たちと沢山の種類がいます。青水とはこれらの植物性プランクトンの仲間たちが含まれた水です。植物プランクトンは葉緑素という色素を含んでいる為、それらによって水が緑に見え、それを主に青水と呼んでいます。一言にプランクトンといっても、様々な種類が無数に存在しています。オキアミひとつをとってもプランクトンです。原生動物、単細胞生物。これらは簡単にいうと体が1つの細胞から出来ている生物もいれば他にも独立栄養生物、微細藻類(びさいそうるい)などがあります。微細藻類のように葉緑体をもち光合成をする藻類もいます。(独立栄養)植物プラントンが作り出す有機物は食物連鎖の出発点といえます。水中に棲む魚たちにとって、この出発点を作ってあげることも大切です。水が緑だから、透明だからというのは単に見た目上の話であり水質の良し悪しを測るものではありません。青水の中の微生物は限定的プランクトンといっても、どれだけの種類がいるかは分かっていただいたと思います。では青水の中にそれら無数の微生物が存在しているかというとそうとは限りません。水草の場合例えば、水草や植物の場合、自然界では同一種が一つの個体群として群栄しています。多種にわたる水草が同じ場所に混合して自生することは少ないです。特定の水草が群生し、別の水草が侵食してきた場合には既存の水草が淘汰されていきます。このように同じ環境下、同一箇所で複数の植物が混合して自生していることは少ないです。水草レイアウト水槽のように多種多様の水草が混合して自生していることはまずありません。多くの場合は1種類または数種程度で群生し繁茂し、他は淘汰されていきます。青水の場合これを青水に置き換えてみてください。青水から徐々にクリアウォーターに変わっていく時があります。雨などによって一気に植物プランクトンが死に沈殿してクリアになる場合とは違います。植物プランクトンが死ぬわけではなく、徐々に青水がクリアになっていくケースです。この場合の一つの例としては植物プランクトンを食べる動物プランクトンなどの微生物が増えてくるためです。植物プランクトンが多く含まれていた状態の青水の中に植物性プランクトンを餌とする動物性プランクトンが殖えてきた場合には水を緑色に見せている植物プランクトンが減り(淘汰)、飼育水がクリア(透明)になっていきます。気候・天候により植物プランクトンが死に沈殿しクリアになる青水とは違い、自然とクリアになる青水は動物プランクトンや硝化バクテリアの方が優位に立ち増えた状態と言えます。クリアになったからといって微生物が居なくなったわけではありません。これを無理に青水に戻す必要ありませんいい意味で、食物連鎖が行われている証拠であり、微生物も豊富な状態と言えます。水質面同様に微生物の有無も見た目だけで判断してしまうのは禁物です。青水のpHとアンモニア青水の場合、少なからず一定のアンモニアが検出されます。アンモニアがあるから青水になる一方で青水は天然のろ過フィルターでもあります。詳しくは青水とアンモニアこちらの記事をご覧ください。不思議な青水また青水はpHが高くなりやすい水でもあります。例えば青水が高濃度になってきた場合、pHの値は10近い数値を示します。pHが過剰に高く、また一定数のアンモニアがあるという一見魚にとって最悪な水ともいえるはずの青水。にも関わらず、飼いやすい一面も多い、これが青水の不思議なところです。その理由は青水の本質的なところを見ていくと自ずと見えてくるかと思います。アンモニアなどの養分があるから青水になり逆に言えば、それらを養分としてメダカ達が生存できるラインでキープしてくれているのも青水です。青水のメリット・水あたり(刺激)が優しい・良い意味で成長を抑制し鱗並びが綺麗になる・運動量が減るため、肉付きがよくなる・色艶、色揚げ効果がある・成長が緩やかになり老化を遅らせる・微生物が豊富なため、稚魚の餌が豊富で餓死が少ない・天候による沈殿さえなければ水質管理が楽・色やとろみ、泡切れで水質の良し悪しがわかるため水換えのタイミングがわかりやすいクリアウォーターの場合植物プランクトンがアンモニアなどを養分とし光合成などで有機物を作り出す一方でクリアウォーターの場合は植物プランクトンとは違う形の微生物、バクテリアたちがソイルや容器の壁面や底の汚泥等に潜みアンモニアなどを酸化させ比較的無害な形、硝酸塩などに変化させてくれます。バクテリアの水質浄化作用に関してはYoutube動画「メダカとバクテリア」をご覧ください。(yotuubeにて「メダカとバクテリア」で検索)※ただ、メダカの屋外飼育の場合、多くは濾過器などを使わないため自然と青水飼育になっていることが多いです。室内飼育が難しく感じる理由室内飼育が難しく感じる理由としても青水があります。メダカの屋外飼育においては自然と否が応でも青水になりやすい一面があります。飼育者が水をコントロールし管理しているつもりでも、実際には自然が水をコントロールしています。この自然に魚にとって良い水づくりが室内飼育になったときに出来ていない方は室内飼育が難しく感じます。これに関してもyotuubeにて動画にしています。様々なプランクトンたち節足動物の仲間タマミジンコ、ミジンコ、カイミジンコ、ネコゼミジンコ、オカメミジンコ、ゾウミジンコ、マルミジンコ、ノロ、シカクミジンコ、ヒゲナガケンミジンコ、ケンミジンコなど鞭毛藻の仲間ユーグレナ、クリプトモナス、ウログレナ、ファクス、ケラチウム、ディノブリオン、ペリディニウム、ギムノディニウムなど原生動物の仲間アメーバ、ゾウリムシ、ツボカムリ、ツリガネムシ、ハルテリア、コドネラ、ラッパムシ、ボド、ブレファリスマ、エピスティリス、チンチニディウム、パラディレプタス、ラフィディオフリス、アクチノスフェリウム、ディディニウム、トコフリヤ、コレプス、ブルサリヤ、アントフィサ、ストケシア、ペラゴディレプスタスなど藍藻の仲間ミクロキスティス、アナベナ、コエロスフェリウム、オシラトリア、メリスモペディアなど珪藻の仲間コメツブケイソウ、カスミマルケイソウ、フナガタケイソウ、アウラコセイラ、クチブルケイソウ、イタケイソウ、オビケイソウ、ハリケイソウ、クサリケイソウ、イトマキケイソウ、ホシガタケイソウ、コバンケイソウ、ハダナミケイソウなど緑藻の仲間ボツリオコックス、ボルボックス、クロミドモナス、テトラスポラ、スタウラストルム、ミクラステリアス、コエラストルム、セネデスムス、コスモクラディウム、オーキスチス、クンショウモ、コスマリウム、クロステリウム、アンキストロデスムス、ユードリナ、ディクチオスフェリウム、アオミドロ、ミクラクチニウム、アミミドロ、ヒザオリ、テトラセルミスこちらの記事は媛めだかchのyoutube動画「メダカの青水飼育完全攻略」の冒頭の数分部分になります。本編の動画では1時間40分に渡って青水を説明した動画があります。イラストや実際の映像をふまえ詳しく解説されています。完全無料でご覧いただけるので気になる方はそちらをご覧ください。
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  • メダカの寿命(月齢)で変わるアンモニアと水温耐性
    メダカを購入するときの注意点!老化で変わるアンモニアや水温への耐性メダカ達も我々人と同様に老化していきます。その過程で変わっていくことがいくつかあります。今日はそのことについて記事にしていきます。魚たちの寿命と価格観賞魚には大きく分けて2種類あります。寿命が長い魚と短い魚です。寿命が長い魚の場合であればある程度仕上がり大きく育ってきた方が価格が高くなります。鯉などがそれにあたると思います。植物でいえば、樹齢何百年といった盆栽なんかも高かったります。ただ寿命が短い魚の場合だと若魚の頃の方が価値が高い傾向にあります。これはメダカのように寿命が短い魚において産卵に向いている時期、若魚の期間が短いためです。年老いたメダカは産卵してくれません。この点からも本来は若魚の方が価値が高い魚といえます。とはいえ、メダカの世界ではメダカ達が1才から2歳くらいを迎える頃が一番キレイとも言えます。見た目的には一番仕上がってはいるものの既に産卵が止まり卵生みの悪くなった個体が販売されていることが多い世界でもあります。初心者の方ほどLサイズの仕上がったメダカを欲しがりますが、実際に価値があるのは若魚ですおすすめなのは若魚メダカが寿命の短い魚であり、産卵を意識した時に買い時と言える期間が短い理由については分かっていただけたかと思います。では具体的にいつくらいまで許容範囲といえるかについてお話していきます。春の購入春先から初夏にかけてであれば越冬個体の販売がほとんどなので1才前後の個体が多くなってくると思います。越冬個体であれば、冬の間に代謝が止まったような状態のため、月齢以上にまだまだ若く、春から夏にかけて沢山の卵を産んでくれると思います。今がまだ春先から初夏であれば、選択肢としては昨年生まれの成魚たちになってきます。夏の購入初夏を過ぎるころには今年の春生まれの子たちが売り出され始めます。この時、初心者の方はまだ小さいから産卵しないと思われる方が多いですが、メダカは生後1か月から産卵します。育て方にもよりますが、春に生まれた子は夏には卵を沢山産み始めることが通常です。今が真夏であれば迷わず今年生まれの個体を購入しましょう。秋の購入越冬に向けた季節です。来年度の繁殖に使えない年老いた昨年生まれの個体の購入は避けたいところです。メダカには卵核という卵の元になるものがあります。一生のうちで産める卵の数がある程度決まっています。卵を産めなくなった寿命間近な2年、3年を迎えようとしているメダカは避け、今年生まれの元気な若魚の購入をおすすめします。老化に伴う変化本来年老いた個体というのは見た目は仕上がっていて綺麗に見えるものの老化に伴いアンモニアや水温への耐性も弱くなってきている部分も多く、老魚と若魚の飼育難易度の違いメダカたちも我々ヒト同様に老化しています。購入される時は1年2年3年と育っていく中でメダカたちの寿命が近くなっていることをしっかりと覚えておいてください。人間でも20の頃と40過ぎてからだと傷の治りが遅かったり風邪を引いても長引いたり、ありとあらゆる面で弱くなっていることを感じると思います。メダカも同じです。年とともに夏の暑さ、高水温にも弱くなり、またアンモニアなどの水質悪化への耐性も弱くなってきます。寿命が長い魚であれば成魚の方が体も大きくもちろん強いです。ただ、メダカは短命の魚です。寿命が短い魚は成魚の期間も短いです。メダカにとっての1年は私たち人にとっての30年くらいに匹敵します。例えば2歳を過ぎたメダカと生後3か月の若魚、飼育難易度が圧倒的に変わってきます。若い頃は少しくらい無茶な飼い方、過密でも高水温になりやすい場所でも全く問題ありません。ただ、年齢が1才を超えてくるあたりからは体が大きくなっている分、排泄物の量も増えてきています。少しずつ容器のサイズにもゆとりを持ち、高水温にも注意しながら飼育するなどしていく必要が出てきます。メダカは寿命が短い魚であることをしっかりと把握したうえで、今後のメダカ購入時の注意点としてお役立てください。
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  • メダカとグアニン~虹色素胞・グアニンの増やし方~
    メダカの虹色素胞に含まれるグアニン層の増やし方虹色素胞・グアニンとはメダカの場合は主に鱗に黒色素胞(こくしきそほう)、黄色素胞(おうしきそほう)、白色素胞(はくしきそほう)、虹色素胞(こうしきそほう)といった色素胞があります。その中の一つ虹色素胞は細胞の中にグアニンと呼ばれる結晶、グアニン層が集まっています。グアニンがメダカを輝かせるグアニンは光を反射する性質があるため、ラメ入りのメダカの鱗がキラキラと輝いて見えたり、体外光と呼ばれる光輝く外光もグアニンによるものと言えます。またヒレ先に集まったグアニンが青白く輝き、フサヒレと呼ばれるようなフリル(ヒレ先)が輝いて見えるものもグアニンによるものです。このグアニンが沢山ある個体ほど、人の目から見たときに反射によりキラキラと光輝き綺麗なメダカとして判断されています。イメージとしてとらえると蛍玉や蓄光石をご存じでしょうか?蛍玉はガラス職人さんが作った工芸ガラスであり、とんぼ玉の一種です。光に反射にキラキラと光る姿はまるでメダカ達の体外光やラメなどのグアニンを彷彿とさせます。一方で蓄光石は太陽光や室内灯の光を吸収し暗闇でも光り輝いてくれるものです。メダカのグアニンも似たようなところがあるなと思っています。夕方のラメ系のメダカ達、やたらとキレイだと感じたことはないでしょうか?日中に燦燦と光輝く太陽光を浴び、まるで光を虹色素胞、鱗にため込んだかのような輝かせてくれます。厳密にいえば違いますが、イメージとしてとらえたときにグアニン層はまるで光を蓄え放出しているかのように感じます。グアニンと太陽光蓄光石やとんぼ玉の話をしましたが、これらはあくまでもイメージの話であり実際には異なります。ただ、実際に太陽光などがグアニンの増殖に影響していることも確かです。基本的に魚は水温の上昇と共に活性や代謝が上がってきます。適正な高水温下においてメダカたちの活性や代謝が上がると同時にグアニンの発生も活発になると考えられます。屋外飼育において、太陽光が当たることでメダカたちの棲む水槽内の水温は上昇します。これらもグアニンの発生に太陽光が一役買っているといえます。周囲の環境によって変化するグアニングアニンは周囲の環境によってダイナミックに変化することで知られています。メダカにおいて、まだ厳密にはっきりとは分かっていないことも多いですが、明らかに育てて方で変化します。これまでの経験則で言えば薄い色合いの容器で容器の中からも光を反射させ、他の色素胞よりも虹色素胞を優位にし、高水温などによってグアニンの細胞分裂の発生を積極的に促していく。私はそういったイメージを持ちながら育てています。虹色素胞に含まれるグアニン層は非常に面白く謎めいています。光に支配されるメダカたちメダカたちは光によって様々な変化を私たちに見せてくれます。分かりやすい機能でいえば、保護色機能があります。いわゆる背地反応です。メダカたちは目から入る光で情報を得ています。体色をつかさどる色素胞もまた同様です。容器の色によって、メダカたちの目から入る情報が変化します。その後、色素胞は拡散したり凝集したりしています。この拡散と凝集によって例えば、薄い容器から濃い色の容器に移動したときに素早くその容器の色、背地に適応したように色素胞を変化させます。これが目から入った情報による拡散、凝集という生理現象です。この現象には2つのタイプがあります。それが生理学的体色変化と形態学的体色変化です。これについてはメダカの背地反応・拡散と凝集をご覧ください。色素胞の減少と増殖のコントロールこれらのことをしっかりと理解できていれば、色素胞の減少と増殖のコントロールが可能となります。例えば、白い容器にメダカを入れていると徐々に体色が薄く変化していきます。これが比較的短期間で変化する体色変化=生理学的体色変化です。そのまま、さらに長期間の間ずっと白などの薄い容器にいれて育てていると色素顆粒が凝集した状態が続きます。次第に黒色素胞の数が減少し、個々の細胞も退縮し体色がより顕著に白くなっていきます。もちろん、また黒容器に入れると逆に拡散され濃くなっていきます。この時間をかけた変化を形態学的体色変化と定義づけ動画の方ではお話させていただいております。※画像は白容器で飼育していたメダカを黒容器に入れ1か月飼育した場合の実際の様子です。説明とは逆パターンの事例になります。最も大切なのは遺伝的な要素ここまでグアニンの増やし方への考え方をお話してきましたが、一番大切なのは遺伝です。幹之(みゆき)メダカの歴史皆さんご存じの幹之メダカですが、昔は点ほどの光でした。(点光)その光(グアニン)が改良と共に伸びていき今のようなフルボディと呼ばれるような口先までびっしりと光輝くメダカへと変化しました。仮にこういった遺伝子が入っていないメダカ=例えば野生のメダカをいくら育て方を工夫して育てたところで、全身が光輝くメダカにはなりません。※キタノメダカ(原種)がフルボディになることはない×最も大切なのは遺伝です。フルボディの親で採卵(繁殖)させる仔だからこそ、フルボディの遺伝によって光輝くメダカが生まれてきます。この部分が基本であることをしっかりと覚えておく必要があります。グアニンの申し子と言われる魚たちグアニンが多い魚といえば、真っ先に思い浮かぶ魚はなんでしょうか?私は真っ先に太刀魚(タチウオ)が思い浮かびます。海水魚であることと、鱗がない点から比較対象としては不向きではあるものの、そのグアニンの多さは、食べすぎるとグアニン多量摂取によって腹を下す原因(グアニン中毒)になるとまで言われています。それほどまでにグアニンが多い彼らが棲むのは水深200mを超えるような深海です。日中は100~350m付近で生息し朝夕、夜間になると表層付近に餌を求めて活動しています。日中は太陽光が当たらないような深海で生息し、メダカ飼育におけるグアニンの伸ばし方とは全く逆ともいえる環境で生息しています。それでも彼らの体は常にフルボディのグアニン層に包まれています。まさに鱗の代わりとも言えます。逆に表層付近の暖かい場所に生息している浮き魚(うきうお)とも言われている、こちらもグアニンの代表種ともいえるサンマのような魚もいます。このことからも分かるように基本的には遺伝(その魚が元々もっているDNA)が何よりも大切というのが分かるかと思います。その中で、メダカのように育て方によってグアニンの乗り方(見え方)が変わるのもまた事実です。育て方で変わるグアニンは遺伝に影響しない?ここまで読み進めていただいた方はグアニンは育て方で細胞分裂の発生が促され、環境によってダイナミックに変化することがあること。また基本的には遺伝が何よりも大切であることがご理解いただけたと思います。その中で仮に育て方が上手くいかず惜しくもフルボディにならなかったスーパー幹之くらいのメダカがいたとします。では、その親から子を取ったときに仔の世代でフルボディにならないかと言われると、育て方次第で仔を全てフルボディにすることもできます。もちろん、点光の親の仔をフルボディに育て上げることは難しいですが、少しの違い程度であれば、育て方で伸ばすことが出来ると考えられます。こちらの記事の内容はyoutube動画からの一部抜粋です。より詳しく知りたい方は【媛めだか グアニン】で検索。
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  • メダカの喧嘩と相性!ケンカ(小競り合い)が絶えないときの予防対策について
    病気の原因にもなるメダカの喧嘩を抑えるための予防対策喧嘩が多いメダカたちメダカは非常に喧嘩の多い魚です。針子から成魚に至るまで喧嘩の絶えない魚です。野生下では1匹1匹のテリトリーを確保できる広さがあるため、喧嘩は少ないです。飼育下ではそういった広さもないため、どうしても喧嘩が起こりやすい環境です。仲良く群れで泳ぐメダカたち針子の頃から幼魚、若魚、成魚とずっと飼育していると仲良く群れで泳いでいるように見えますが、実際にはいじめられっ子が淘汰され愛称の良い個体同士が生き残っただけとも言えます。メダカたちの相性メダカには相性というものがあります。相手の色味を見て判断していたり、同系統の個体に惹かれたり、ヒレの長い♂に惹かれたりと、メダカは相手の顔を覚えています。普段見慣れた相手に愛着が湧き惹かれやすい傾向があったりもします。品種改良による拒絶品種:ラパス品種改良をしていると他品種同士で、ペア組することも多く、そういった時には互いが拒絶反応を示すこともあります。この辺りの話は「メダカの相性」といった動画にて詳しく解説しています。産卵床は最高の隠れ家メダカ飼育の醍醐味ともいえるものの一つに産卵・繁殖があります。多くの場合、余計なものを入れると卵を取りづらい、採卵しずらいため容器の中には産卵床のみといった場合も多いです。いじめられっ子の特定例えば、2ペアで飼育していた場合で1匹いないなと思った時は産卵床を除けて探してみてください。喧嘩がある場合、おそらく産卵床付近に隠れているはずです。特定の個体が特定の個体に追い回された結果、容器の中で隠れる場所が産卵床しかなかった場合は産卵床に隠れます。隠れる場所がない場合隠れる場所がないと追い回され続け、ストレスなどで餌も食べられなくなったり、追い回される時にヒレなどが傷みボロボロになっていきます。結果的にストレスなども伴い細菌感染による病気なども発症します。最悪の場合、追い回され隠れ家がない場合、逃げようと容器の外に飛び出すこともあります。メダカは本来、飛ぶということはあまりしません。ただ、他の魚に追い回され行き場を失ったときは別です。およそ15㎝ほどはジャンプします。過密飼育による予防過密飼育をしていると周りがメダカだらけのため、なわばり・テリトリーどころではなくなり喧嘩もなくなります。このことを利用し、観賞魚、特に熱帯魚などでは過密飼育で喧嘩を予防するといったことがあります。ただ、メダカの屋外飼育のようにろ過なしの上、気候の急変によって水質が悪化しやすい状態での過密飼育はストレスなども重なり不向きな方法と言えます。産卵床による予防メダカの屋外飼育は気候変動による水質悪化が顕著なため出来る限り簡易的で日々の水換えなどがしやすい状態で飼われることが多いです。そのため、ベアタンクでの飼育が多くなってきます。ベアタンクとは・・・砂利など容器の中に余計なものを何も入れない飼育タンクこうした事情があるため、水草なども入れたくない方も多いです。産卵・採卵のシーズンであれば、産卵床を入れてあります。これがちょうど良い隠れ家にもなります。ただ、採卵シーズンが終わると産卵床を除けてしまうため、メダカたちは隠れる場所がなくなります。メダカたちの喧嘩が始まった際の逃げ場、隠れ家として、採卵しなくても産卵床など入れておくと隠れ家がわりになり、いじめられっ子の特定も容易になります。いじめられっ子の隔離隠れ家があったとしても、そのまま飼育することは難しいです。ずっと隠れていては餌も食べられません。ストレスなども重なり次第に痩せてきます。もしも、いつも産卵床の周りに隠れている子がいる場合は隠れている子を別の場所に移してあげるか、その隠れている子を追い回しているちょっと気の強い子を別の場所に移してあげるなどする必要があります。メダカの喧嘩に関する動画や相性に関する動画もyotuube上にアップしてあります。合わせてご覧ください。「媛めだか 相性」などで検索
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  • メダカの盆栽飼育で成長速度をコントロール
    メダカの成長速度をコントロールする方法盆栽飼育とは観賞魚の世界には盆栽飼育という言葉があります。通常多くの観賞魚は水槽のサイズ、容器の大きさに合わせるように成長していきます。例えば、古代魚や大型魚においては奥行きサイズに達すると、それ以上には成長しずらいです。メダカの場合は?メダカの場合はメダカ自体が小さな小魚のため大型魚のように容器の奥行きがメダカよりも小さいといったことはまずありません。ただ、過密飼育をしているとメダカたちの成長は抑制されます。もっといえば、強い個体と弱い個体、または生まれた日の違いによって成長差が生まれます。この場合は、大きく成長した個体とまだ小さい個体を選別し、別々の容器に分けてあげることでそれぞれの成長が促進されます。小さな容器で個体数を多く飼育する沢山の卵を採卵し、沢山の針子が孵化し、その子たちが育った時、どこかのタイミングで成長が止まったように感じた経験はないでしょうか?成長が止まった時、それが、その容器での現状の飼い方での個体数の限界と言えます。そのまま飼育していても成長は望めません。成長の抑制と加速過密飼育をしていると、メダカたちはまるで盆栽のように成長が止まります。この時、暖かい季節であれば大きな容器にしてあげると今度は一気に成長が加速します。飼育者側の問題1ペアのメダカたちが僅か1~2か月で数百という卵を産みます。それらが孵化し、数百という稚魚たちが成長していきます。ここで現実的な問題に直面します。これらの稚魚たちを育てるだけのスペースを急遽用意する必要が出てきます。とはいえ、ご自宅のスペースには限りがあり容器が置ける数にも限界がある方が大半だと思います。そういった時に過密飼育、盆栽飼育をすることによって少しゆっくりと成長してもらうことができます。メダカたちには少し申し訳ないですが、こうして成長をコントロールすることも可能です。基本的には増やし過ぎには注意し、ご自宅のお庭のスペース、お世話にかかる時間なども踏まえ計画的に採卵していきましょう。
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  • メダカの集中濾過の作り方~テトラのじょうろでキレイメダカ鉢で集中ろ過システム作り~
    テトラのじょうろでキレイメダカ鉢を使った集中濾過システムの作り方テトラのじょうろでキレイメダカ鉢まずはテトラの「じょうろでキレイメダカ鉢」が必要です↓【PR】Tetra テトラ じょうろでキレイメダカ鉢 ※こちらのリンクはAmazonアソシエイトリンクを使用しています。テトラのじょうろでキレイメダカ鉢は元々オーバーフロー加工がされているため、DIYなどによる穴あけは不要です。必要なもの・テトラのじょうろでキレイメダカ鉢・塩ビパイプ・塩ビにつなぐホース・集中濾過で使うポンプ・濾過槽・水量調整のためのボールバルブ※ボールバルブはホームセンターなどで購入すると高額です。数が必要な場合は少し質は落ちますが、通販で安価な商品を消耗品感覚で購入された方が安上がりで作成できます。1つ200~300円前後で販売されているものが記事執筆時点では多いようです。例えば、こちら<PR>ボールバルブ※こちらのリンクはAmazonアソシエイトリンクを使用しています。室内でも使用可能ゴムパッキンがついているので室内でも安心して使用できます。オーバーフローシステムを理解できている方であれば、単にガラス水槽がサイドフローのメダカ容器になっていると思っていただければわかりやすいかと思います。じょうろでキレイメダカ鉢の仕組みについてはYoutubeにて動画にしているのでそちらをご覧ください。「媛めだか じょうろでキレイメダカ鉢」にて検索。作り方について配管の仕方などの作り方についてはお写真と文章のみではなかなか説明しづらい部分もあるため、実際に作成の様子を見ていただけた方が分かりやすいと思います。百聞は一見に如かずということで、詳しくはYoutubeの媛めだかch「メダカの集中濾過の作り方」をご覧ください。ユーチューブではこちらのように実際の配管の様子など動画と説明付きでご覧いただけます。
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  • メダカのおやつ?ミジンコ浮草にアブラムシは餌にしても良い?
    ミジンコ浮草やアブラムシはメダカに与えても大丈夫なの?ミジンコ浮草についてミジンコ浮草はミジンコといっても名ばかりでミジンコではありません。本物のミジンコほどの栄養価はなく、むしろ、どちらかというとデンプン質の種子植物なのであまり消化吸収がよくありません。雑食性の強い魚(金魚や鯉など)は炭水化物の消化吸収能力も高いため問題ない場合も多いですが、基本的には与えすぎに注意が必要です。×みじんこ浮草はあえて与える必要がないものと言えます。アブラムシについてホテイソウなどを入れていると自然とアブラムシが葉に発生します。ビオトープはもちろんのこと、メダカの屋外飼育において、害虫はつきものです。メダカたちはこうした、蚊やユスリカ、またそれらの幼虫(赤虫やボウフラ等)、時には花粉などの種子植物まで屋外メダカたちは自然と捕食しています。消化に悪いものもありますが、こういった昆虫類などが発生する時期は気温が高い時期です。意図的に主食として与えでもしない限りはさほど気にする必要はないでしょう。〇たまに自然と落ちてくるおやつ程度に考えておけば良いでしょう。
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