メダカの冬越しのための青水の使い方と注意点ほか

メダカの冬越しのための青水の使い方と注意点ほか

越冬において青水を使用する際の基礎知識と注意点についてご紹介していきます。
当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。

【PR】※当サイトはamazonアソシエイトリンクを使用しています

屋外飼育に安定を求めるべからず

メダカの屋外飼育において一年を通してマイナスの気温になることもあれば気温40度を超えることもあります。
灼熱の太陽光が差す炎天下もあれば大雪に大雨、台風がくることもあります。

室内と屋外の違いを知ることの大切さ

室内での観賞魚飼育のような濾過バクテリアを意識した飼育方法によって環境を安定させても気候・天候により崩壊する可能性があるのがメダカの屋外飼育です。

水換え主体の飼育

メダカの屋外飼育において一般的に使用されているような小さな容器で水換えやリセットなしで長期的に安定させるというのは難しいです。
当養魚場では容器には何も入れない状態=ベアタンクにて春から秋にかけてであれば部分換水、全換水、リセット主体の飼育方法をしています。

水換えというのはメリットが多いです。

ただ、水が変化するという意味において魚に負担がかかるという一面もあります。
その負担を和らげてくれるのも青水になります。


水を見る

普段の飼育において大切なのは魚の状態を見るだけでなく水を見ることです。
魚は直ぐに調子が悪くなるとは限りません。

水が先に悪くなり、後から魚の調子が悪くなります。

魚の様子だけを見ていると調子が悪くなってからの水換えになってしまいます。
先に水を見て水の状態が悪いなと感じた時に水換えすれば、魚が調子を崩す前に水換えできます。

青水は水の状態が非常に分かりやすく慣れてくると通常は見た目では分かりづらい水質が水を見るだけで水換えやリセットのタイミングが分かってくると思います。

魚に優しく、水換えのタイミングも分かりやすいのが青水といえます。


越冬においての青水

越冬においてもメダカと容器と水と太陽光=これさえあれば自然発生する青水は最高越冬水とも言えます。
とはいえ、どのようなものにも一長一短あります。
ここでは青水での越冬に関するメリット・デメリットと越冬の基礎知識をご紹介していきます。


青水での冬越しメリット

  • 水質変化に対して魚たちに優しい水=水あたりが良い。
  • ※水あたりとは・・・pHショックなどを含めた水質変化に強い水(優しい水)

  • 植物プランクトンのおかげで新水と比べ水温変化がゆるやか(保温効果あり)
  • ※青水の保温性・・・夏場は新水よりも5~10℃近く水温が高くなるため魚が傷みやすいが冬場は逆にメダカたちを温かく包み込んでくれる

  • 冬場の補助食=備蓄食料となる
  • ※冬場の備蓄食料・・・冬は低水温によって活動が低下し活性が止まっているような状態のためエネルギーを必要としないため僅かな微生物がいれば十分事足りる


青水での冬越しデメリット

  • 寒波によって植物プランクトンが死に沈殿する。
  • ※沈殿・・・雨や雪、寒波によって簡単に沈殿してしまうことがあります。

  • 真冬にフタなしでの継続維持は難しい
  • ※波板の有無・・・雪や冷たい雨、寒波によって植物プランクトンが沈殿することを防ぐためフタが必要な場合も。

  • 冬場でも水換えが必要な場合がある
  • ※真冬の水換え・・・寒波によって植物プランクトンが死んでしまった場合、部分換水によって水質維持する必要も。

関連記事・・・冬でもメダカの水換えをした方がよい理由|冬場の換水(水替え)について


置き場所への意識

青水飼育において置き場所は非常に大切です。

メダカの屋外飼育においては置き場所が少し変わるだけで水中環境が全然違ってきます。


日当りが良い場所の場合


日中に植物プランクトンが光合成しやすく、また水温も上がりやすいため植物プランクトンの活動も活発になり、青水の維持がしやすくなります。
例えばリセット後でも少し種となる青水をいれておけばあっという間に青水になってくれます。
逆に青水がすぐに濃くなり過ぎることがあるため注意が必要です。
また日中に水温が上がりやすい分、1日の水温変化、寒暖差が大きいため青水の沈殿が起きることがあります。


日当りが悪い置き場所の場合


日当りが悪いと植物プランクトンも光合成しづらく、また水温も上がってこないため青水の維持が難しくなります。
その分、1日の内の水温変化が少なく、寒暖差の影響を受けづらい場所になります。


冬場の餌

関連記事①・・・冬場のメダカへの餌やりについて
関連記事②・・・メダカの冬越し準備での餌切りのタイミング|水質悪化と消化不良

餌止め(えどめ)の時期によるメリット・デメリット
  • 早い段階での餌止め
  • メリット・・・消化不良になりづらい
    デメリット・・・冬の期間が長い

  • 遅い段階での餌止め
  • メリット・・・冬の期間が短い
    デメリット・・・消化不良になりやすい


餌止め後の消化器官の停滞


メダカたちが餌を食べなくなると消化器官の機能が一時的に低下していきます。
メダカは無胃魚のため胃はありませんが、急に餌を与えてしまうと消化器官が驚いて、また別の問題が生じてしまうことがあります。

「餌を切ったら、春まで与えてはだめ。」というのはこういったところもあります。


備蓄食料としての青水
消化にも優しい植物プランクトンは越冬中にも最適な水、補助食とも言えます。

※プランクトンと微生物、厳密に言えば定義がことなりますがプランクトンであり微生物でもあるような存在もいるため当記事や動画ではひっくるめて微生物として扱っております。
ミドリゾウリムシのように植物プランクトンのクロレラと共生したり微生物とも共生可能な動物プランクトンであり植物プランクトンの要素もあり、また微生物のような存在もいます。また同じ青水でも季節によって湧きやすい物が変わってくるのでその都度、変わってくることもあります。


過剰な添加は不必要

通常、冬場餌を与える必要はなく、湧かせた微生物を意図的に入れたりすると逆に湧き過ぎて水が傷んでしまう可能性のもあります。

自然と発生するように、また自然と発生する微生物で事足りる量の密度での飼育を心がけましょう。(過密飼育に注意×)


青水飼育におすすめの容器


「青い容器だと色の補正で青水がキレイに出来ているように見える」これは半分正解、半分間違いです。
青い容器、非常に光を通しやすく青水が維持しやすい容器です。

※黒容器などと比べると青水が作りやすく維持しやすい容器になっています。


一緒に見ておきたい関連記事
メダカたちの越冬に向けてエアーレーションを止めるタイミング
屋外メダカの真冬の水換え方法と注意点について

※各記事は動画でより分かりやすく、より詳しくご覧いただけます。