水換えしない方が良いの?メダカと日和見菌について

水換えしない方が良いの?メダカと日和見菌について

水換えしない方が良いという話や雨ざらしのメダカが強いという部分には解釈的な誤解が多いです。

水換えしない方がメダカが死なない?って本当なの?

水換えによって起こる代謝や活性の向上が引き起こす病気の発症について。
汚泥の中で育ったメダカは強いと思っていたら大間違いです。
水換え程度の水質変化で簡単に病気になります。

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水換えで起こる変化


こういったことを思ってはいないでしょうか?
・「水換えした方が良いと思い、水換えしたらメダカが死んでしまった。」
・「うちのメダカは雨ざらしで水換えも足し水だけ。そんな中で育っているから強いんだよ。」

これらは本質的なところで解釈を誤解をしている人が多いです。



汚泥まみれの水槽で飼育していた場所からメダカを掬い、新水の状態の場所に移した場合に何故メダカが調子を崩すのか。
汚泥飼育だから強いと思っていたメダカが、どうしてこうも簡単に病気になるのか。
これは普段の水換え不足によるものです。


普段水換えをサボっている場所の飼育水(古水)は代謝や活性などが抑制された状態です。
pHなども低くなっていることもあります。

この状態から水換えしたことによって一気に活性や代謝が上がってくると病気が発生しやすくなります。
今までは古水によって抑制されたいた代謝や活性の向上によって病気が発症します。
春先に餌を食べ始めるときにやメダカを起こしていく時に病気が発生しやすいのと同じです。

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日和見菌

病気の原因となる病原菌は水中に常在しています。

では何故、常在菌である病原菌が水中にいてもメダカ達は病気にならないのでしょうか?


日和見菌といったものを聞いたことがある方も多いと思います。

日和見菌とは・・・

健康な状態では害を及ぼさない細菌のことです。
人の場合で言えば、免疫力の低下や体調不良によって病原性を発揮し感染するような菌になります。
健康状態のバランスが崩れたことをキッカケに悪さをする菌と言えます。

例:黄色ブドウ球菌など


メダカたちの飼育水中に常在している病原菌も日和見菌のように普段は病気が発症することはありません。
ただ、季節の変わり目や普段水換えしていない汚泥まみれの場所から新水の場所に移すなどによって起こる急激な環境変化やストレスによって病気が発症しやすくなります。


汚泥飼育のメダカは弱い?


「うちは雨ざらしで水換えなんてしたことない。足し水だけだよ。雨ざらしで生き残ったメダカだから強いんだよ。」
こんなことを言っているメダカ屋がいると思います。


確かに、一理あります。


ただ、そんな風に「強い」と豪語していたメダカだとしても、その場所からメダカを掬い、選別しお客様の所で新水に変わった時には簡単に病気が発症します。連れて帰ってすぐは元気でしょう。ただ、数日もすれば病気が蔓延することも珍しくありません。水換えしない自身の飼育環境でだけ強いメダカの出来上がりです。

そもそも世話をしていないことを自慢するようなメダカ屋は生き物を扱うべきではありません。。


むしろ普段から水換えがしっかりとされているメダカはお客様の所で新水に変わった変化程度で病気になったりはしません。
普段小まめに水換えしている場所のメダカが全換水しても新水に移しても病気にならないのに対して
普段水換えしていない場所のメダカの場合は全換水などしてしまうと簡単に病気が発症することが多いです。


これを見て、ひとつ誤解しないで欲しいのは水換えのタイミングや回数、量などその時その時で変わってきます
メダカの屋外飼育における水換えは春夏秋冬、季節に応じて変化させるものです。
季節によっては、あえて水換えしないという飼育テクニックがあることも忘れないでください。


水換えの大切さ

水換えされ飼育されたメダカは強く美しい

「水換えをしないで自然に任せると強いメダカに育つ」という考え方は、生物学的に誤解を招くものです。
確かに自然環境には水換えというものはなく、その中で生き残った個体=環境に適応した強い個体と言えます。


ただ、人工的な飼育環境下においてはアンモニアや亜硝酸の蓄積などによる水質の急変、小さな容器だからこそ起こる水温の急変が起こります。これらはメダカの免疫力を低下させ、ストレスや病気を引き起こします。


むしろ水換えは「健康的な強い個体」を育てる上で必要不可欠と言えます。
飼育下のような狭い環境に自然淘汰を模倣するのではなく、飼育環境を最適化することによるメダカの生命力や繁殖力を高めることを考えていきましょう。

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