通常ビタミンDは、主に紫外線によって生成されています。
紫外線は波長の長さによって「UV-A、UV-B、UV-C」の3つに分けられ、この中でもビタミンDの生成に関わるのは「UV-B」です。
ビタミンDにも種類があり植物や菌類に存在するエルゴステロールから生成されるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と動物に存在する7-デヒドロコレステロール(7-DHC)から生成されるビタミンD3(コレカルシフェロール)があります。
メダカの屋外飼育において生成されるのはビタミンD3です。
上記の事からメダカを飼育する上で「太陽光がないとメダカが飼育できない!」と言った情報がネット上には多く、誤解されている方も多いです。
ただ、実際にはそういったことはありません。
太陽光が全くない環境でもメダカは飼育・繁殖・育成することができます。
なぜ世界中に数千種類もの観賞魚が室内で飼育されているにも関わらず、メダカだけが太陽光がないと飼育できないと誤解されているのか?
これは「メダカ業界あるある」とも言えます。
メダカ業界はまだまだ歴史が浅い業界です。
趣味で飼育している愛好家の方の多くは観賞魚の知識が浅い初心者層の方が多く、また販売者側も過半数が副業愛好家の方だったりとプロとアマチュアの垣根がない業界です。
そのため、近年では当たり前のように病気のメダカたちが販売されていたりします。
これは販売者側の無知がゆえに起こっているといえます。
メダカの繁殖が容易なことと犬猫のように販売する際に許可が必要ないため、先日まで庭先で趣味程度に飼育していた人たちがメダカブームに乗り販売を始めたためこういったことがよく起こっています。
室内飼育の場合も同様です。
近年のメダカ業界では販売者側の多くが知識・技術が未熟なため室内での飼育・繁殖・育成が上手くいっていません。
彼らは「屋外だとうまくいっていたのになぜ?」→「太陽光がないからだ!」
これによって「太陽光がないとメダカは飼えないよ」となり広く流布したと考えられます。
消費者の多くは「メダカ屋さん=プロなんだから、この人の言うことは間違いない」と思ってしまいます。
メダカ業界が他の観賞魚業界と比べ極端なまでに適当な情報が飛び交っているのはブームに乗った魚に無知な販売者側の責任ともいえるでしょう。
ほとんどの観賞魚はLEDライトで飼育されています。もちろん、中には繁殖されているものもあります。
では、メダカだけは例外でしょうか?そんなはずはありません。
太陽光の有無で変化することはたくさんあります。
例えば、屋外飼育の場合、植物プランクトンのような自然のろ過フィルターとも言えるような浄化作用のある微生物が湧きやすいため立ち上げ初期の不安定な水質でもメダカが飼いやすくなります。他にも太陽光による水温上昇=活性や代謝の向上、また殺菌効果により病気になりづらかったり、他にも太陽光における恩恵がたくさんあります。
室内飼育においては太陽光の恩恵を得られません。
室内飼育においては飼育者側が太陽光に頼らず飼育する必要があります。
近年のメダカブームによって多くのメダカ飼育用の餌が開発されてきました。
ただ、ほんの十数年前まではメダカの餌といえば、原材料がほぼ小麦のような粗悪品ばかりでした。
それでも屋外飼育においては自然と湧く微生物や太陽光のおかげで全く問題なく飼育できていました。
室内でメダカを飼育する場合にはキョーリンやテトラなど各種観賞魚メーカーから市販されている良質の餌を使う必要があります。
室内で飼育することが当たり前の熱帯魚用の餌においては餌の中に各種ビタミンやミネラルなどが添加されていたり、水質調整剤といったものもたくさんあります。
メダカにおいても室内で飼育するのであれば、熱帯魚同様の飼育への考え方を持つ必要があります。
とはいえ、特にこだわりすぎる必要はありません。
市販されている観賞魚メーカーの商品であれば、どれでも室内で飼育繁殖することができます。
使っている餌が悪いから上手くいかないということは余程のことがない限りありません。
屋外飼育と室内飼育では全くと言っていいほど、飼育への考え方が変わってきます。
上手くいかない場合は他の原因を探っていきましょう。
飼育に慣れるまでは下記のようなフレークフードが使いやすいと思います。
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