メダカの卵の発育過程を徹底解説|受精から孵化までの成長と観察ポイント

メダカの卵の発育過程を徹底解説|受精から孵化までの成長と観察ポイント

メダカの卵は、受精後すぐに細胞分裂を始め、約7~10日で孵化します。
発育には適切な水温・水質・酸素が不可欠で、器官が順番に発達します。
孵化した稚魚はお腹の卵黄で数日間生き、やがて自力で泳ぎ始めます。

メダカの卵はどう育つ?受精・発生・孵化までの科学的プロセスと飼育のコツ

メダカの卵の発育過程を分かりやすい解説していきます。

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産卵と受精

  1. メダカは水草などに卵を産みつけます。卵には「卵門」と呼ばれる小さな穴があり、ここから精子が入って受精が成立します。
  2. 卵門が開いているのは産卵後およそ6分間のみで、1匹の精子だけが通過できます。
  3. 受精が成立すると、卵の殻(卵膜)は約30分で硬くなり、外部からの衝撃にも耐えられるようになります。

卵の発生と成長

  1. 受精直後の卵は1つの細胞ですが、すぐに細胞分裂(卵割)が始まります。
  2. 約1時間半で4細胞期、2時間半で8細胞期、3時間半ほどで32細胞期に進みます。
  3. 8時間半ほどで桑実胚(モリュラ)、24時間ほどで胞胚(ブラストラ)、33時間ほどで原腸胚(ガストラ)という段階に進み、胚体(魚の体のもと)ができ始めます。

器官の形成と成長

  • 2日目には胚体が細長くなり、頭や尾の区別がつきはじめます。
  • 3日目には目や心臓の原型ができ、心臓の拍動が始まります。
  • 4~5日目には目が黒くなり、水晶体(レンズ)が形成されます。卵黄の周囲に血管が発達し、血液の流れも確認できます。
  • 6~7日目には胸びれなどのヒレができ、胚は卵の中で活発に動くようになります。
  • 8日目以降、体の色素が増え、卵の中で稚魚が動き回る様子が見られます。卵黄は徐々に小さくなり、孵化の準備が整います。

孵化


水温26℃前後の場合、受精から約7~10日で孵化します。水温が低いと日数は長くなります。
孵化直前には卵の殻が再び柔らかくなり、稚魚(針子)が自力で殻を破って外に出ます。
孵化したばかりの稚魚は全長約5mmで、お腹に「卵黄嚢(ヨークサック)」という栄養袋を持ち、数日間は餌なしでも生きられます。
関連記事・・・メダカの卵が孵化するまでの日数・期間(積算温度の計算式)


発育に必要な環境


卵の発育には水温(20~30℃が目安)きれいな水質十分な酸素が不可欠です。
水温や水質が悪いと発育不良やカビの発生、孵化率の低下につながります。

メダカの発生段階の科学的分類

メダカの発生は、細胞分裂から器官形成、孵化まで0期から39期までの40段階に細かく分類されています。
各段階で、目や心臓、中枢神経、ヒレなどが順番に発達していきます。

ポイントまとめ
  1. 受精後すぐに細胞分裂開始 → 1日以内に胚体形成 → 2~3日で器官原基出現 → 7~10日で孵化
  2. 発生段階は39に細分化され、各器官が順を追って発達
  3. 水温・水質・酸素管理が発育の成否を大きく左右する


メダカの卵の発育過程は、観察や飼育の際にとても興味深いテーマです。
自由研究や教育にも最適で、生命の神秘を身近に感じられます。

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