メダカの病気|コショウ病(ウーディニウム)の原因・対策・治療方法について

メダカの病気|コショウ病(ウーディニウム)の原因・対策・治療方法について

メダカの病気の中でも非常に多い病気の一つといえます。白点病と間違えがちですが、メダカの場合、ウーディニウム(コショウ病)の方が多いと言えます。

コショウ病(ウーディニウム)原生生物の原因と対策と治療方法

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メダカのコショウ病


「白点病」とよく間違えられるものにコショウ病(ウーディニウム)というものがあります。

白点病の場合は白点虫が体中に寄生する前にメダカが先に死んでしまいます。
そのため、飼育者が白点病だと気付く前にメダカが落ちてしまっているケースも多いです。
関連記事・・・メダカと白点病|病気・寄生虫(原生生物)の治療法と対策


原因:渦鞭毛虫(ウーディニウム)

白点病と比べると小さな黄白色の粒子(点々)がコショウをまぶしたようになるのが特徴です。

コショウ病の原因は原生生物の渦鞭毛虫類だと言われています。

温水性の淡水魚全般に存在する渦鞭毛虫または渦鞭毛藻の一種で白点虫よりも小型であるのが特徴的です。また渦鞭毛虫藻の場合だと光合成で栄養を摂取しているとも言われています。

主に水質悪化により発生しやすい病気の一つと言えます。
これは全ての病気において共通しているとも言えます。
詳しくはこちらの関連記事をご覧ください
メダカの病気の種類・原因・薬について

また、渦鞭毛虫・渦鞭毛藻の一種の寄生が原因とされているウーディニウム症(コショウ病)ですが、海水性の物と淡水性のもの両方がいると言われています。


症状:小さな点々

症状としては、黄白色の点々が鰭(ヒレ)や体表、鰓(えら)に見られます。
コショウを振りかけたような状態になることからコショウ病と呼ばれています。

原生動物であるウーディニウムに寄生されたとしても、初期~中期の段階においてメダカたちは割と元気に泳ぎ、餌食いも落ちません。また、メダカは体色の関係で、白点病やウーディニウムが確認しづらいです。オロチやブラックダイヤ系の品種のように体色が黒くないと肉眼で確認することが難しい場合もあります。※体色の薄いタイプはほぼ見えません。


コショウ病はメダカの屋外飼育において非常に多い原生生物由来の病気といえます。


更に症状が進行してくると鰭(ヒレ)をたたみメダカたちが弱々しくなってきます。
この状態になる前の段階で出来るだけ早く治療していきたいところです。


治療方法

コショウ病の場合、この薬を使えば必ず治るというような魚病薬がありません。
この薬を使えば治るといった明確なものはないにせよ、治療していくには塩水浴や薬浴にて寄生したウーディニウムを脱落させ治していく必要があります。


治療には主に色素剤が用いられることが多いです。

色素剤と少しだけ殺菌材の薬もプラスされているメチレンブルーが主成分のハイブリッドタイプの薬=グリーンFリキッドや、あとはマラカイトが主成分のアグテンなどに塩も併用しつつ様子を見てみてください。

関連記事・・・メダカの塩浴で病気予防!無症候性キャリアと塩の正しい使い方ガイド
更に重症化してくると細菌感染が始まるとも言われています。
その場合にはエルバージュ、エルバージュエースこの辺りが必要になってくることもあります。

色素剤の魚病薬と細菌性の魚病薬は治療の目的が違いますが、病気は二次感染なども多いため、薬選びは常に柔軟に考え使用していく必要があります。

※銅イオンが有効とされており、海水魚のウーディニウムの治療で用いられています。
魚病薬を使えば一時的に落ちた(脱落)ように感じますが、一度感染した容器においては数日後に再発することも多いです。
点々が消えた後も1週間程度は魚病薬を併用しながら時間をかけて駆虫していく必要があります。


水温

観賞魚の病気の治療において基本的に水温を高く設定することも大切です。
28~30℃程度にまで水温をあげて治療することで治りが早くなります。


治療の流れ

隔離

基本的には発症した容器(水槽)のメダカ全てを薬浴させてください。
初期段階であればグリーンFリキッドやメチレンブルーなど軽めの薬がおすすめです。
治療用の容器(水槽)に水を張り(水温や塩素に注意)、魚病薬を投入します。
準備が完了したら、メダカたちを水合わせの上、治療用の容器(水槽)に移していきます。
※塩も有効なため0.5%程度での塩水浴も合わせて行ってください。


経過観察

2日~5日程度、経過を観察しながら、もし水質面で不安がある場合は3分の1から2分の1程度、水換えの上で様子をみていきます。
問題がなければ、換水なしで経過を見ても問題ありません。


換水(薬抜き)

使う薬の種類にもよるため詳しくは各種魚病薬の説明書をご覧ください。
そのうえで、多くの薬においては治療開始から概ね6~7日目には換水(水換え)を行い薬を抜いていきます。
暖かい季節であれば、全換水、季節の変わり目など水温面で不安がある場合は2分の1程度の部分換水に留めます。


状態確認

この時点で、コショウ状の点々が消えているか確認します。
点々がまだあったり、なくなっていたとしても再発防止のためもう1週間、同様のことを繰り返してもよいでしょう。


最終確認

薬を抜いて4日前後経過後も再発していなければ治療完了といえます。
もし、改善が見られない場合や他の病気を併発している場合などにおいては、タイプの違う薬や少し強めの薬(エルバージュエースなど)に変えて再度治療を試みてください。


夏~秋に多い

この病気ですが、屋外飼育において言えば、主に夏場から秋にかけて多く見られます。

夏の高水温下では水質面の悪化も伴い発症しやすく、また秋になり少し水温が下がってきたことによる免疫力の低下・季節の変わり目の水質変化によっても発症しやすいです。

毎年変わる気候、毎日変わる天候、メダカの屋外飼育において病気は必ずなるものだと認識しておくことも大切です。


薬が苦手な方へ餌でコショウ病を治す方法

昨今、発売された餌の中にパラクリアという寄生虫の脱落に効果を発揮する可能性があると言われているものがあります。
飼料中に配合された7つのハーブによってコショウ病の原因となる寄生虫を駆虫する効果があると考えられています。

病気の治療で一番大切なのは何より、病気にならないように飼育することです。
日頃の水質や温度管理、またこうして餌を使用することで予防することも大変効果的です。


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