ほんの数年前までであれば需要と供給のバランスから5月頃になる頃には欲しいメダカが買えないことも多かったです。
そのため、いち早く3月に入ったあたりからメダカを探し始める愛好家の方も沢山いらっしゃいました。
ただ、ここ最近はメダカを養殖して販売するメダカ副業ブームということもあり需要に対して、供給する側もかなりの増加傾向にあります。
また、数年前までは一般的ではなかった冬場にヒーターなどを使い繁殖させる方も増えてきており通年通してメダカの供給量が十分に足りてきています。
そのため、まだ冬の寒さが残っている季節に焦って購入する必要はありません。
早くメダカを購入し、早く産卵させ、早くメダカを沢山増やしたい。
こういった方も多いでしょう。
ただ、3月~4月初旬はメダカを繁殖させづらい季節です。
3月に入ると、日照時間なども増え水換えをしながらメダカを起こしていくと新水の刺激も加わり産卵が始まることも多いです。
産卵させ卵を採卵すること自体は難しくはありませんが、実際、産卵して卵がとれたとしても孵化が難しい季節です。
卵が成長・発生していくのに必要な最低水温があります。
概ね水温が常時最低でも15℃以上ないと卵の発生が進まず、孵化に至らないことが大半です。
3月~4月の中旬くらいまでは夜間、朝方になると一気に気温が冷え込み水温が下がる日が多くあります。
仮に無加温で太陽光を上手く利用しながら水温を上げ孵化させることが出来たとしても生れてきた針子たちにとっては寒暖差の激しい厳しい環境が待ち受けています。
3月から4月中旬までは卵の孵化率も低く、また孵化したとしても針子が寒暖差によって死んでしまったり、水温が低過ぎることで成長することができません。
寒暖差で微生物が死んでしまうのと同様に針子たちにとっては非常に厳しい季節の変わり目が3月~4月初旬です。
この時期は趣味の範囲でメダカ飼育をされている愛好家の方であれば無理に今から繁殖させる必要はないといえます。
3月~4月中旬の繁殖は難しい季節です。
メダカ飼育をはじめて間もない方は、このことを知らず水カビだらけの卵を見てカビの抑制につながると言われているメチレンブルーを入れてみたり、また無事に孵化したとしても孵化した針子たちが死んでいくのを見てPSBを入れてみたりと。色々と試行錯誤を始めます。
あーでもない。こーでもない。と試行錯誤しながら繰り返しているうちに4月中旬以降になり気温が安定してきて暖かい季節がやってきます。
突然、上手くいき始めます。
こういった時、その時、たまたま使っていた商品をこれだ!と思ってしまいがちです。
そうなると、その商品がないとメダカを殖やす事が出来ないと信じ切ってしまうこともあります。
心配しなくても5月に入れば夜間・朝方の最低気温も安定してきて今までの苦労がなんだったのかと思うほどに面白いほど孵化し、針子も自然と湧く微生物によって自然と育ってくれると思います。
初めてメダカ飼育を始められる方は是非4月下旬~5月以降にメダカ飼育を始めてみてください。
とても飼いやすくて繁殖も容易でメダカ飼育の魅力が一番分かりやすい季節になっています。