メダカの受精率低下は放精回数が原因?最新研究でわかった精子枯渇と飼育のコツ
メダカのオスは1日に19回放精?「放精回数」と「受精率低下」が関係メダカ(Oryzias latipes)は、その繁殖行動や生態がよく研究されている観賞魚・実験魚です。近年の大阪公立大学大学院を中心とした研究により、オスの1日あたりの放精(産卵行動)回数と、それによる受精率の変化、さらには飼育管理への示唆が改めて明らかにされました。当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。本記事は大阪公立大学大学院の研究をもとに、メダカオスの1日平均19回の放精と受精率低下の関係を解説しています。研究データを引用しつつ、独自の飼育アドバイスを加えた内容となっております。オスの放精回数オスのメダカは平均して1日19回(最大27回、最少4回)もの産卵行動を示します。放精数と受精率の関係大阪公立大学大学院の研究によると、1日の総放精数のうち50%以上は、最初の3回の産卵行動で消費されたそうです。最初は平均46,000個以上の精子を放出しますが、回数を重ねるごとに急減し、最後は約2,800個にまで減少し、産卵開始から最初の数回の受精率はほぼ100%だったのに対し、10回目以降は急激に受精率が下がり、未受精となるケースも報告されたと言います。精子数の目安おおよそ精子が30,000個以下になると、受精率が大きく低下します。精子枯渇後の行動精子が枯渇してもオスは産卵行動を続けますが、その場合、受精率はほぼ0%になり得ます。メスとの違いオスが産卵行動をやめないのに対して、メスは1日1回の産卵で、その日に持つ卵をほぼすべて放出します。学術的背景・メダカ繁殖の専門知識外部受精魚種での「精子枯渇」現象メダカのような外部受精魚では、オスは交尾ごとに精子を大量消費します。特に最初の産卵で多量に放出し、連続交尾では精子が急速に枯渇するため、後半の産卵では受精率が極端に落ちます。これは他の魚種でも共通する現象で、受精の成立には精子の量が決定的です。雄間競争と精子配分メダカは、ライバル雄の行動を認識すると、精子の放出量を調節するなど、進化的な精子配分戦略を持っています。回復期間についてオスの精子は枯渇しても毎日産卵が可能な魚なので、精子数は数日で回復する可能性が高いと考えられます。連日の産卵環境でも、受精卵を継続的に得られる例は多いため、当日の枯渇が必ずしも翌日以降の枯渇に繋がるとは限りません。メダカ繁殖でのポイントオス1匹に対しメスを複数(例:1対3~1対5)入れる案メスの産卵タイミングがずれて重なりにくいため、一日に複数のメスを使うことで「効率アップ」が期待できます。しかし、オス1匹が連続的に多くの産卵行動を取ると、精子枯渇によって受精率が下がるリスクもあります。効率重視 or 受精率優先確実に高い受精率・採卵数を求める場合は、1対1または小規模な組み合わせで管理し、オスをローテーションさせることも有効です(例:オスを数日単独管理し精子を回復させてから再投入)。未受精卵が多くなる場合の対応策無精卵(未受精卵)が増えた場合、オスの精子枯渇が原因の可能性があります。対策としてはオスを数日間隔で休ませる、複数のオスを交代制で使用する、繁殖用オスを若々しく元気な個体から選ぶことが勧められます。まとめオス・メスの数、ペアリング方法によって採卵効率や受精率は大きく変動します。受精率低下の原因の一つは「オスの精子数不足」なので、繁殖グループの運用方法やオスの管理方法を工夫することが大切です。メダカの繁殖は奥が深く、学術研究からのフィードバックを飼育現場にも活かすことで、より良い累代繁殖や個体の維持・拡大が可能となります。本ページで取り上げているデータは大阪公立大学大学院の「Fishy business: Male medaka mating limits revealed」など公表論文に基づき、それを独自の観点によってメダカ飼育にて活用する方法をご紹介しております。
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