メダカの飼い方と繁殖方法|メダカ屋が教える産卵から針子の育て方まで

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「 越冬 」の検索結果
  • 冬場のメダカの餌にゾウリムシやPSBは必須?
    当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。冬にゾウリムシやPSBは必要?不要?結論から言えば必要ありません。メダカは冬になるとエネルギーを必要としなくなります。詳しくは冬場のメダカへの餌やりについて「必要ない」というよりは厳密にいえば、あえてゾウリムシを餌として与えたり、PSB・光合成細菌を添加する必要は必ずしもないという意味合いです。冬場も水温を温かく保ってくれる微生物たち自体はバクテリアなどの細菌も含め必要不可欠といえます。生態系の最下層に位置するともいえる彼らは水質面でも重要かつ必要な存在です。ただ、植物プランクトンなどの微生物は寒波が押し寄せてきて氷などが張る低水温になってくると死んでしまうことも多く沈殿していきます。仮にバクテリアなどは生きていたとしても冬場はバクテリアなどの細菌類も活動が低下していることも多いです。そういった中で人為的に培養した微生物や細菌を飼育水に添加したとしても死んでしまうこともあります。(冬)季節・自然に任せた発生微生物の中には低水温に強い微生物もいます。春、夏、秋、冬、春夏秋冬で水中に湧く微生物の種類も変わってくることがあります。暖かい季節と寒い季節では水中に湧く微生物の種類も少しずつ変わりまた、同種においても水温に対する耐性が変わってきます。夏は高水温に強い微生物・細菌が湧き、冬は低水温に強い微生物や細菌が湧いてきます。低水温とゾウリムシ例えば、ゾウリムシなどは低水温にも強い微生物です。ただ、低水温に強いとは言えど培養の実験において5℃以下になるとゾウリムシは確認できず、高水温でいえば、35℃以上でも確認できなかったという実験結果もあります。極端な高水温、極端な低い水温では生存が難しくなってきます。とはいえ、これは培養における話で、氷の下でもゾウリムシを確認することもできます。もともと増殖していた彼らがメダカ達同様に、自然に少しずつ水温が下がっていくことだったり、季節に合わせて発生したゾウリムシは水温に対する耐性も変わってきます。また氷の下の水温が意外と暖かいということもあり生存しています。注意すべきは人為的に培養したゾウリムシを氷が張るほどの冬場の飼育環境に添加することです。冬場は水温5℃以下になることも多いです。室内の温かい部屋や屋外でも小さなペットボトルなどで水温を上げた状態で培養したゾウリムシたちを低水温の越冬中の容器に入れることで簡単に死んでしまうことだってあります。極端な話、例えば塩分濃度と水温を高め孵化させたアルテミア(ブラインシュリンプ)を低水温の淡水の飼育水に入れるとすぐ弱り死ぬのと同様、人為的に培養されたゾウリムシが投入後その場所でずっと生きているとは限りません。微生物や細菌も死ぬことで水質悪化へとつながります。毎日沢山培養したゾウリムシなどを1月2月の真冬の氷が張るような低水温になっている越冬中のメダカ達の容器に入れる必要は感じません。むしろ微生物の投入が水質悪化に繋がることもあります。特に、過剰な量の微生物が投入されると、酸素の消費が増加し、水中の酸素濃度が低下することも水質悪化へつながり、また、微生物の死骸や代謝産物が水中に溶け出すと、有機物の増加により白濁、水質悪化へとつながります。冬場の餌の必要性野生の鯉やフナなどが冬になると比較的暖かい水が流れ込むような場所で暖を取り冬眠のような状態になっているのを見たことがあると思います。寒い日にいくら生餌を使って釣ろうとしてもなかなか食いついてくれません。逆に冬場でも天気が良く暖かい日中であれば食いついてくれることがあります。メダカの屋外での越冬に関して言えば、冬場でも天気が良くて暖かい日というのは自然と微生物が湧いてきます。冬場に天気が良くて、水温が上がってくるとメダカ達が水面付近を泳ぎ始め、その時に微生物たちも増殖を始めます。自然のサイクル本当に上手くできています。寒い日が続くとメダカ達も餌を食べず、底の方で暖をとり、暖かい日が続いてくると少し餌を探しはじめます。その時に微生物が自然と湧いてきます。大切なのは容器に対するメダカの数が重要です。これさえ守っていれば、自然と水中に湧いてくる微生物だけで十分春を迎えることができます。真冬に餌を与える必要があるケースというのは本来は自然と湧く微生物だけで事足りるはずなのに、真冬にエサを与えないとメダカ達が越冬できないほど水量に対してたくさんの数を入れてしまっている(過密飼育)と言えます。容器に対して沢山の数を過密飼育してしまうと、いくら餌を与えていても水質面も含めあまり良い結果にはつながりづらいです。釣りの世界でいえばリアクションバイトという言葉がありますが魚は反射的に動くものに反応して食べるつもりがなくても食べてしまうことがあります。本来は微生物が湧きづらい水温下でゾウリムシなどの生餌を人為的に毎日のように与えることで水質の悪化や消化不良にも繋がる可能性もあります。自然とメダカ達が食べたい時だけ食べられるような自然に微生物が湧いてくる環境作りのほうが大切だと思います。屋外の飼育環境においても水温の上昇によるメダカ達の活動と微生物の増殖が自然と上手くリンクするような環境づくりが大切です。微生物や細菌を冬に添加する意味を考えるゾウリムシなどにおいては多くの方が餌としての投入を考えていますが、メダカたちは冬場は活動が停止しておりエネルギーもほとんど必要としていないため餌としてではなく、水質面の向上目的として使うほうが良いといえます。そういった意味で言えば、光合成細菌などの添加も悪くはないでしょう。ゾウリムシはどこにでも湧いてくるゾウリムシ等の微生物はいったいどこから来るのでしょうか?不思議に思う方も多いと思います。ゾウリムシなどの微生物は外からやってくるため空気に触れることが出来る場所であれば、どこにでも湧くことができます。大切なのは水温と水質冬にPSBを与えてもゾウリムシを与えても容器に対するメダカの数が多すぎると水も汚れ餌食いも落ち、悪い菌が湧き病気になり結局太らず痩せてきます。大切なのはメダカも微生物や細菌も適正数であることが大切です。多すぎる微生物による水の富栄養化(水質悪化)多すぎる細菌による水質の悪化(悪玉菌、病気の発症)これらを防ぐために1匹当たりの水量をしっかりと確保する。成魚1匹当たり5リットル以上を確保できれば理想的です。濾過なしのメダカの屋外飼育における有毒なアンモニアにダイレクトに働きかける濾過細菌【PR】※amazonアソシエイトリンクを使用しています水質改善「ニチドウたね水」
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  • メダカの室内越冬!室内でメダカを冬越しさせる際の注意点について
    室内飼育でメダカを冬越しする時に注意したいこと~室内での越冬方法~当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。屋外とは違う点太陽光室内飼育と屋外飼育で全く異なる点があります。それが太陽光です。屋外だと太陽光により置き場所(太陽光の有無)によって大幅に水温が上昇します。屋外では容器の並べ方や置き場所によって大きく水温が変化します。詳しくは容器の置き場所で変わる水温室内飼育の特徴太陽光の有無出窓や窓際などの例外を除けば基本的にはメダカの室内飼育では太陽光は当たりません。通常は観賞魚用のLEDライトなどを使用し飼育することになります。この際によく「メダカは太陽光(紫外線)がないと飼育できない」と言われることがありますが、これは全くのデマです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。※メダカの室内飼育に太陽光(紫外線)は必要ない!LEDライトで十分な理由エアコンの有無近年、異常気象によってエアコンによる冷暖房を使用する機会が以前よりも増えてきています。メダカを室内で飼育する際に観賞魚用のヒーターなどを使わない場合、基本的には水温は室温に左右されます。エアコンによる冷暖房を使用していたとしても室内にいる時間が多い場合は「人が過ごしやすい気温」は「メダカたちにとっても過ごしやすい水温」のため問題ありません。ただ、例えば、夜寝る前まで室内を暖房で温めている状態から、突然エアコンを消した場合、一気に冷え込む室温によってメダカたちの水槽の水温も大きく変動します。注意したいのはエアコンを使用したことによる水温の乱高下です。冬場に室内で越冬させるのであれば、過度に水温が上がったり下がったりすることは出来るだけ避けたいところです。半端な水温による越冬のしづらさ室内でメダカを冬越し・越冬させようとする時の難しさに半端な水温があります。室内でメダカを飼育していると水槽を置いている場所によっては真冬でも水温が10℃以上を推移することも多いです。リビングなど人が常にいる場所だと水温が高く維持されるため、メダカたちが冬になっても越冬態勢に入らないことも多いです。この場合は無理に越冬させようとせず、春先くらいの感覚で飼育した方が良い場合もあります。この際に注意したいのが給餌問題です。消化不良に注意室内の場合、置き場所によってはメダカたちが越冬態勢に入らないこともあるため、餌を切るほどまでに水温が下がらないことがあります。メダカたちの活性が高いようであれば、冬でも給餌が必要な場合があります。室内飼育においては屋外のように水面が凍結するほど水温が下がることが少ないです。メダカたちの様子を見ながら飼育環境に応じて給餌が必要な場合は冬場でも餌を与えてあげてください。冬場の消化不良対策にもなるメダカの餌はこちら負担の少ない良消化フード メダカの舞メンテナンス【PR】※amazonアソシエイトリンクを使用しています底床材と濾過の有無室内の場合、ベアタンク飼育(砂など何も敷かない状態)だと水が出来づらいです。また屋外であれば植物プランクトンなどの微生物が湧きやすく天然の濾過フィルターの役割を果たしています。ただ、室内飼育の場合、それらの恩恵を受けることができません。屋外以上に水質面に気を付ける必要があります。屋外では濾過なしで沢山の数を飼育できていたとしても室内で同じ数を飼育するのが難しいと感じるのは、こうした微生物の含有量によるところもあります観賞魚用の砂利やソイルを使用したり、スポンジフィルターやロカボーイなどちょっとした濾過フィルターもあるとより飼育しやすくなります。まとめ室内での冬越しの注意点としては暖房による人為的な水温の乱高下屋外と違い微生物が湧きづらい点それによる水質面や冬場の補助食など上記の屋外との違いを意識し、その部分を補いながら水量に対するメダカの数に余裕をもって飼育することも大切です。
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  • 冬季メダカ飼育のエアレーションを止める理由とタイミング
    冬のメダカ飼育でエアレーションや濾過は止める?止めない?冬のメダカ飼育では、エアレーションや濾過を止めることが一般的ですが、水温や飼育環境によっては止めない方が適切な場合もあります。メダカの越冬を成功させるためには、エアレーションによる水温撹拌や水流の影響を理解し、最適なタイミングで管理を調整することが重要です。当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。【PR】※当サイトはamazonアソシエイトリンクを使用していますエアレーションの意味エアレーションをすることには様々なメリットがあります。例えば、酸欠防止だったり、夏場であれば泡がはじける時(気化熱)によって水温を下げてくれるため夏場の水温上昇対策にもつながります。水中の溶存酸素量が豊富であればメダカ達だけでなく水中の微生物・バクテリア(細菌)たちにとっても有効です。バクテリアの中にも好気性バクテリアのような酸素が大好きなバクテリアもいます。またエアーレーションで曝気することでアンモニア濃度の減少にもつながります。エアレーション止める理由通常、エアレーションはメダカたちにとっても、水中の微生物・バクテリアたちにとってもメリットが多いです。春先から秋にかけては出来ることであればエアレーションしておきたいところです。ただ、冬になると事情が変わってきます。水は3.98℃が一番重く例えば、外気温が0℃に近くなるような真冬の朝方になると水面に氷が張ってきます。氷が張ったとしても水中の水温が0℃に近いとは限りません。水は3.98℃が一番重くなるため温かい水が底の方に沈んでいき水面に氷が張っていたとしても容器の底の方の水温は4℃近くあることが多いです。水面に氷が張っている状態でも底の方の水温は4℃近くあり水面付近と比べると温かい為、メダカ達は底の方で暖を取り、寒波をしのいでいます。こうした状況下でエアレーションをした状態だと底の方に溜まった温かい水が撹拌されてしまいます。ホットコーヒーに氷を入れた状況を想像してみてください。混ぜなければ、コップの底の方のコーヒーは温かいままですがマドラーなどでかき混ぜることで、あっという間にアイスコーヒーになっていきます。真冬のエアレーションはこのマドラーのようなものです。緩やかな変化仮に結果的には同等の水温になったとしても、そこに至るまでの過程が大切です。水温変化はできる限り緩やかに抑えておきたいところです。また、冬場はメダカたちも活性や代謝が止まったような状態です。活性や代謝も止まっているため通常は水底でジッとしています。エネルギーもほとんど必要とせず、餌を食べることもありません。こうした状況のメダカたちにエアレーションしてしまうと問題が生じます。エアレーションによる水流によってメダカたちがその場に留まるために運動(泳ぐ)をする必要がでてきます。免疫が下がった状態のメダカたちにとって疲弊は免れません。これもエアレーションを止めたい理由の一つといえます。春~秋の間は酸欠予防や水温上昇を防いだり浄化にも一役買い、メダカたちの命を救ってくれていたはずのエアレーションが今度はメダカの命を奪うものへと変わってしまいます。まとめると冬になるとメダカは活性が下がり、水底で静かに過ごす時間が長くなる。水は約3.98℃で最も密度が高く、外気温が4℃以下になると水底の方が温かくなるため、メダカは底の暖かい水域に集まる。エアレーションや濾過装置を稼働させ続けると、底の温かい水が撹拌されて全体の水温が下がるリスクがある。強い水流があるとメダカは流されないように泳ぐ必要があり、余計なエネルギーを消費する。冬の越冬中に無駄な体力を消耗すると、メダカの衰弱や死亡の原因となる。止めなくても良い(止める必要がない)ケース水量が多い、もしくは大きな容器の場合、水温変動が緩やかで、隅に水流の及ばない「澱み」ができていれば、メダカはそこで休息できます。強い流れのある池や大型水槽でも、ワンド(流れの緩いスペース)や岩陰・水草などの隠れ場所があるとメダカはそこで体力を温存できるため、必ずしも全停止が推奨されるわけではありません。濾過装置のポンプが多少水温の維持に寄与する場合(特に極寒地域以外)、完全停止が必須とはなりません。越冬時の自然界における魚類の適応行動多くの淡水魚は冬季、エネルギー消費と寒さを避けるため、流れの緩い深みや隠れ場所に移動し、活動量と摂餌量を最小限に抑えます。これは低代謝状態を利用した越冬行動であり「冬越し」と呼ばれます。冬季の体力維持のため静かな環境を好みます。流れがある環境:流速の影響下に長時間置かれるとエネルギー消費が増加し、越冬失敗の要因になることが示唆されています。極端な例として、極寒時の漁礁や湖沼では、最下層の「ヒプオリメティック(低酸素・低エネルギー消費領域)」が魚の隠れ家となる研究があります。ただし、メダカ達が完全な越冬態勢に入るまでは酸欠などの水質悪化が懸念されます。今までエアレーションを導入していた環境においては止めるタイミングが大切になります。止めるタイミングはいつ?通常メダカたちは水温が15℃以上あれば、元気よく活発に泳いでいます。日中のメダカたちは常に軽くウォーキングしているような状態です。夜間の就寝中と比べ日中は呼吸が早く、多くの酸素を消費しています。これが水温が15℃を下回ってくると、次第に少しずつ動きが緩やかになってきます。水温10℃を下回る頃には動きもだいぶ鈍くなってきます。メダカ達の活性が下がり日中も泳ぐことをやめ、水底で暖を取るようになってくると消費する酸素量も大きく減ってきます。と同時に水温が下がることで、水中に溶け込むことのできる酸素量は逆に増えていきます。今まで高水温下で活動していたバクテリアたちも水温が下がってくることで活動が停止していきます。止めるタイミングは飼育環境や地域、お使いの容器の水量や色、前後のお天気によっても変わってくるため具体的な数字で示すのは難しいです。目安としてメダカやバクテリアの活動が鈍くなってくる時期、日中の一番温かい時間帯の水温が10℃~15℃以下になってくる頃にはエアレーションを止める時期といえるでしょう。まとめ「なぜ止める必要があるのか」「なぜ止めなくても良いケースがあるのか」という理由を理解し、メダカや飼育環境の個別状況に応じて使い分けることが最も重要です。小型水槽や屋外コンテナ、野外飼育など多くの家庭環境では冬季はエアレーション・濾過を停止した方が無難ですが、隠れ家や澱みを設けられる場合や、大型設備では環境に合わせて柔軟に対応しましょう。冬場も「メダカになったつもり」で環境と行動を考え、生体本位の管理を心がけてください。
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  • 越冬中のメダカを守る「隠れ家」の力!ストレス軽減から病気予防まで徹底解説
    メダカに隠れ家は必要?ストレスホルモン「コルチゾル」隠れ家を設置することで、メダカの越冬中のストレスが軽減されます。ただし、隠れ家にはメンテナンスの手間や病原体の温床になるリスク、捕食者の住処になることもあるため、設置の有無は飼育環境や管理能力に応じて判断しましょう。当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。【PR】※記事内にアフィリエイト広告が含まれています隠れ家の生理的・行動的利点隠れ家はメダカのストレスホルモンであるコルチゾルの生成と放出を抑制する効果があります。環境ストレス(高温や過密飼育、争いなど)によりストレスがかかると、メダカの体内でコルチゾルが生成され、免疫力低下の原因となります。隠れ家を設けることで、個体は安全な場所として認識し、落ち着きを得ます。特に冬季は社会性が低下し、臆病な行動が顕著になるため、隠れ家は心理的安心感を提供し、慢性ストレスの蓄積を防ぎます。例えば、アフリカのタンガニイカ湖やマラウイ湖に生息するアフリカンシクリッドでは、シェルターや岩場の構造が個体間の社会的行動に大きく影響することが知られています。特に、縄張りを守るオス同士の間では、隠れ家や岩陰が多い環境ほど服従行動が減少し、逃走行動はシェルターの配置や数に応じて変化することが知られています。これは、隠れ家が「逃げ場」として機能し、下位個体が攻撃を直接受けずに回避できるためでもあります。隠れ家を適切に配置することで、個体間の争いを減らし、ストレスホルモンの上昇を防ぐ効果があると考えられています。冬期における隠れ家の役割冬季はメダカの活動が低下し、光量の減少や水温の低下により、不安感が増大します。名古屋大学の研究では、冬季条件(短日・低温)下のメダカが「冬季うつ病様行動」を示し、社会性の低下や探索行動の抑制が観察されました。このような環境下では、隠れ家が「安全基地」として機能し、不安の緩和に寄与する。また、産卵行動においても、水草や産卵床といった隠れ家は、メスが安全に卵を産み付ける場所を提供し、繁殖成功率を高めることが考えられます。一方で、冬季はメダカの反応が鈍くなるため、急な人影や音に驚いてパニック状態になることがあります。このとき、鋭利な角を持つ牡蠣殻や硬い素材の隠れ家があると、鰭や体表を傷つけるリスクが高まります。傷口から細菌や真菌が侵入し、水カビ病や尾腐れ病を発症する可能性があるため、素材選びには注意が必要です 。隠れ家の設置における注意点隠れ家には明確なデメリットも存在します。まず、水草を用いる場合、光量や栄養管理が必要となり、ベアタンク飼育に比べてメンテナンスの手間が増えます。また、隙間に有機物(汚泥)が溜まりやすく、アンモニアや亜硝酸の発生源となります。さらに、ヤゴ(トンボの幼虫)や貝類が隠れ家ともなり、大繁殖を招く恐れがあります。ヤゴはメダカの稚魚や成魚を捕食するため、定期的な点検と除去が不可欠になってきます。人工的な隠れ家(陶器製の穴の空いた土管など)は、安全性と管理のしやすさのバランスが取りやすいです。怪我のリスクを大幅に低減できます。設置する個数は過剰にならないよう注意し、水換えや掃除がしやすい配置を心がけてください。総合的な飼育戦略隠れ家の設置は、ストレス軽減と病気予防の観点から、その効果は飼育環境に依存しています。結論として、隠れ家は「必須」ではなく「選択肢」であり、飼育者の管理能力と環境条件に応じて柔軟に判断することが重要です。ストレスホルモン(コルチゾル)メダカにとっても、人間と同じように「コルチゾル(ストレスホルモン)」は体の調子を大きく左右します。簡単に言うと、メダカがストレスを受けたときにその反応を引き起こすホルモンで、長く続くとさまざまな悪影響が出ます。コルチゾルがメダカに与える主な影響免疫力の低下コルチゾルが過剰に出ると、免疫細胞の働きが弱まり、細菌感染や水カビ病などにかかりやすくなります。つまり「ストレスの多い環境=病気に弱いメダカ」という状態を作り出します。成長や繁殖への悪影響過剰なコルチゾルは、筋肉やエネルギー代謝を抑え、成長スピードが遅くなります。また、生殖ホルモンの働きが妨げられるため、卵の発達や産卵数にも悪影響が出ます。性の変化(雄化)の誘導研究では、高温などの環境ストレスによってコルチゾルが増えると、遺伝的に雌のメダカでも雄化することがわかっています。これは、コルチゾルが生殖腺の働きを変えるためです。行動の変化(攻撃性や逃避反応)ストレスホルモンが増えると、メダカは警戒心が強くなり、仲間への攻撃性が上がったり、逆に怖がりになって隅に隠れて動かなくなることもあります。環境づくりのポイントコルチゾルの上昇を防ぐには、水温・水質を安定させる過密飼育を避ける天敵や強い光・音などを減らす隠れ家や植物を配置して安心できる空間をつくるこうした環境づくりが有効です。これにより、メダカのストレス反応を緩和し、体内のコルチゾル生成を抑えることができます。まとめコルチゾルはメダカが「危険を感じたときに出す防御ホルモン」ですが、増えすぎると免疫低下・成長阻害・性転換・行動異常を引き起こします。 つまり、「ストレスを減らしてコルチゾルを落ち着かせること」が、健康で長生きするメダカを育てる最大のポイントです。参考文献: Current Zoology, 70(6), 803–809 (2024); PMC9272773 (2022)。 当記事はこれら研究論文の知見をもとに作成しています。おすすめの隠れ家おすすめなのは、古くから観賞魚飼育に利用されてきた落葉高木・モモタマナ属の枯れ葉「アンブレラリーフ」です。商品名「マジックリーフ」として広く知られ、水質の安定化や魚の健康維持に優れた効果を発揮します。マジックリーフに豊富に含まれるタンニンは、植物由来のポリフェノールの一種で、カテキンなど複数の有機化合物の集合体です。このタンニンが水中に溶け出すと、抗菌・抗カビ作用を示し、冬越し期間中の細菌や水カビの繁殖を抑制します。さらにタンニンはタンパク質や金属イオンと結合する性質を持ち、これにより水中の重金属を除去する効果もあります。また、タンニンに含まれるフミン酸やフルボ酸といった酸性物質が溶け出すことで、水が褐色がかり、「ブラックウォーター」と呼ばれる自然な環境を作り出します。この暗めの水環境は光の刺激をやわらげ、魚の警戒心を和らげてくれるため、ストレス軽減にもつながります。ブラックウォーターは自然界の落葉水域に似た環境であり、繁殖行動の促進にも良い影響を与えることが知られています。沈んだマジックリーフは水底に自然な陰を作り、冬季に底でじっとして過ごすメダカたちにとって隠れ家・シェルターとしての役割も果たします。 さらに葉が分解される過程で微生物やバクテリアが定着し、水質の生物的安定化にも寄与します。自然の循環を取り入れたこの仕組みは、人工的な加温や添加剤に頼らず、自然に調和した越冬環境を作る上で非常に有効です。Amazon冬越しにも最適?マジックリーフはこちら楽天市場アンブレラリーフ 2袋(約10枚入り) マジックリーフ 関東当日便価格:1,410円(税込、送料別) (2025/10/25時点)発泡スチロールを浮かべるのも外気温に晒される水面の保温対策にもなるし、鳥や人影からも隠れやすく落ち着いた隠れ家になるよ★
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  • 秋から冬へ、メダカが越冬態勢に入る時期はいつ?意外と遅いその理由と対策
    メダカにとっての冬はいつから?越冬態勢のスイッチこの記事では、メダカが秋から徐々に越冬態勢に入り、冬眠へと向かう生理的変化や行動のタイミングを、水温を基準にわかりやすく解説しています。さらに、餌を食べなくても糞をする不思議な現象や、冬眠前後の適切な飼育法についても、初心者から経験者まで参考になる内容で伝えています。当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。意外と遅い冬の訪れ11月も後半になると、人はもう冬の気配を感じますが、メダカにとってはまだ秋の終わりのような季節です。水温が15℃を切るまでは活発に動き、徐々に越冬態勢に入っていきます。このズレはなぜ生じるのか。気温の数字だけで見ると、11月は「3月中旬から4月上旬」に相当し、12月上旬〜中旬は「3月上旬から中旬」に近い暖かさです。特に西日本など比較的温暖な地域では、この時期のメダカはまだ完全な越冬態勢には入っていないことが多く、本格的な「冬モード」に切り替わるのは、例年クリスマスを過ぎてからとなります。いわゆるクリスマスショックの訪れです。季節知覚と温度感受性の生理学的背景変温動物であるメダカの代謝の仕組みメダカは変温動物であり、その体温は環境水温がそのまま体温(水温≒体温)となります。このため、代謝速度は水温に直接依存し、酸素消費量および消化酵素活性は10~15℃付近で顕著に抑制されることが知られています。具体的には、低水温下では消化酵素(特にアミラーゼやリパーゼ)の活性が顕著に低下し、この現象は「低温消化抑制反応」とされています。日照時間が短くなり水温が低下していく秋季から初冬の段階でも、日中の水温が15℃前後であれば、メダカの代謝酵素は比較的活発に機能し、摂餌行動も継続します。つまり、気温の「数字」ではなく、実際の「水温」と「代謝酵素の活性」に加えて、秋の短日(光周期の短縮)もメダカの季節判断に大きく関与していると言えます。臨界温度の重要性メダカが実際に越冬に向けて準備を開始するのは、水温10~15℃を下回り始める段階です。この温度領域では、体内の各種代謝酵素活性が急速に低下し、同時に肝臓での脂肪貯蔵が活発化し始めます。この過程は、冬期を生き抜くための生理的適応であり、秋口から11月を通じて進行する脂肪蓄積が、その後の越冬成功率に大きく影響します。11月のメダカはまだ餌を食べる?摂餌行動と水温の関係11月〜12月前半の水温は、晴れた日なら日中にしっかりと上がることが多く、メダカも自ら餌を探して泳ぎ回ります。この段階で最も重要なのは、体温と摂食行動の密接な関係です。水温が低下するにつれ摂餌行動がなくなる過程は、単なる「活性の低下」ではなく、複雑な生理的な切り替わりが関係しています。餌やりのタイミング判断一方で、クリスマス前後から一気に寒さが増してくると、日中の水温がなかなか上がらず、次第に摂餌行動が減退していきます。クリスマス前後の寒波到来!クリスマスショックの訪れです。目安として、以下のポイントで判断してください:水温が10℃を下回る日が続いている日中でもほとんど餌に反応しなくなってきたメダカの動きが鈍く、底や隠れ家に留まるようになったこれらが見られたら「越冬モードに入りつつあるサイン」と考えられます。それまでは、11月の時点では、メダカの動きと水温を見ながら、無理のない範囲で少量ずつ餌を与えても問題ありません。冬越し準備での餌切り(餌止め)のタイミング餌を食べないのに糞をする理由鰓耙を利用した受動的ろ過摂食「最近ほとんど餌をあげてないのに、メダカが糞をしている……」という不思議な現象を経験したことはないでしょうか?この現象は、メダカの生理学的な受動的ろ過摂食(passive filter feeding)機構によって説明できます。メダカを含む多くの魚類には、鰓耙(さいは)と呼ばれる器官があります。これはエラの一部であり、口から吸い込んだ水が鰓を通過する際に、微細な有機物やプランクトンをろ過する構造を持っています。ただしメダカは鰓耙が少なめの魚のため、鰓耙による典型的なろ過摂食には依存していません。冬前~初冬のメダカは、食物不足や代謝低下に伴い、呼吸のために口を開けて水を吸い込む際、水中のプランクトン(植物性プランクトン、バクテリア、有機デトリタスなど)が鰓耙に引っかかり、本人(本魚)の意識なしに体内へ取り込まれることがあります。つまり、冬季のメダカが呼吸時に微量のプランクトン・バクテリアを取り込み、それが部分的に消化・吸収されることで、摂餌行動を示さなくとも、わずかながら糞が生成される可能性があります。また冬期のメダカにおいて、代謝速度の大幅な低下に伴い、吸収可能な栄養量が極めて限定されます。この段階でも少量の糞が観察されるのは、ろ過メカニズムが受動的に機能しているためであり、同時に体内に蓄積された脂肪が緩徐に分解・利用されていることを示唆しています。越冬期に生餌を入れても意味がない理由越冬期のメダカの代謝状態完全な越冬態勢に入った真冬のメダカは、意識的な摂餌行動をほとんど行いません。この段階で肝臓から筋肉への脂質移動が活発化し、越冬期間を通じて蓄積脂肪を徐々に消費することで、生命維持に必要な最小限のエネルギーを確保しています。微生物群集の季節動態と水質悪化さらに、水温5℃以下の厳しい冬になると、水中の微小生物群集(ゾウリムシ、ミジンコなど)も、環境に応じて休眠状態に入り、自然環境でもほとんど姿を見かけなくなります。室内で増やしたような生餌をそのまま寒い屋外容器に投入すると、メダカ以前に生餌自体が活性を失い、その死骸が水質悪化の直接的な原因となってしまいます。つまり、「生きている餌だから水を汚さない」という一般的な考えは、冬場には当てはまりません。ストレスと免疫機能の関係特に秋から冬への移行期には、1日の水温差が10℃以上に達する状況を避けることが極めて重要です。メダカを含む変温動物が急激な水温変化にさらされると、体内のストレスホルモン(コルチゾール)の濃度が上昇し、血漿中の乳酸とアンモニア濃度が増加することで、生理的負担が生じます。このストレス状態では、免疫機能の低下に加えて、体水分の恒常性維持が困難になり、疾病感受性が著しく上昇します。越冬中に無理に生餌を与える行為は、代謝酵素の不活性化と相まって、消化不良や水質汚濁を同時に招くため、避けるべき行為です。越冬モードに入ったら「そっとしておく」季節リズムの同調と魚たちの変化の重要性冬の訪れは、人間の感覚よりも一歩遅れてやって来ます。メダカたちが完全に越冬態勢に入るまでは、日中の水温や動きを見ながら、無理のない範囲での給餌や水換えなど、穏やかなお世話を続けてあげてください。越冬を経験させることは、単なる「寒冷期の生存」ではなく、翌春の繁殖率向上と良好な形態発達につながることが養殖学の知見から知られています。これは、低水温期を通じて魚体内の季節リズムが「リセット」され、春の日照時間と水温上昇に応答した積極的な摂食・生殖活動へとスムーズに切り替わるためです。また、冬眠を経験したメダカは、そうでない個体に比べて寿命が延びる傾向が観察されており、これは低代謝期間の生理的休止状態が、細胞老化速度を緩和する効果によるものと考えられています。余計なことをしない大切さ雪が降り、水面が凍るような本格的な冬に入り、メダカが底でじっと動かなくなったら、そこから先は「静かに見守る時間」です。容器を頻繁に動かしたり、網で追い回したりすると、越冬モードからの不要な覚醒が誘発され、エネルギー消費が増加するとともに、ストレスホルモンの上昇によって免疫機能がさらに低下します。「そっとしておくこと」も大切なお世話のひとつであり、これは単なる「放置」ではなく、メダカの季節順応と生理的サイクルを尊重した、生き物の体や習性に合わせて、安全で健康に育てるための正しい飼育方法です。メダカの季節変化を知ること今回の記事でお伝えした内容は、従来の観察的知見に加えて、以下の学術分野からの知見を統合したものです変温動物の代謝生理学:酵素活性と水温の関係、臨界温度の概念魚類の栄養動態:脂肪代謝、季節的な栄養戦略鰓耙の生理機能:受動的ろ過摂食のメカニズム季節適応と免疫機能:ストレスホルモンと水温変動の影響繁殖生理と越冬効果:冬眠経験が翌期の繁殖成功率に及ぼす影響季節ごとのメダカの変化を知ることは、「今この瞬間」の行動にもきちんと理由があることを理解することにつながります。水温が下がるこれからの季節、メダカたちの生理的なタイミングを尊重したお世話を心がけ、冬を無事に乗り越えて、来春の繁殖シーズンへ向かわせてあげてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。このような季節の変化と飼育のタイミングについて、今後も動画や記事でお届けしていきます。YOUTUBEのチャンネルではよりかみ砕いて分かりやすくお伝えしています。登録とグッドボタンで応援していただけると幸いです。
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  • 【メダカの越冬】寒さより「風」が危険?死なせないため足し水方法
    気温だけ見ていませんか?真冬の「風」が引き起こす水質悪化と凍結リスクへの対処法先日の動画では「風でメダカが死んでしまう」という少しショッキングなテーマでお話ししましたが、今回はその内容をさらに深掘りし、学術的な視点や物理法則も交えて、なぜ「冬の風」がメダカにとって致命的なのかを解説します。経験則だけでなく、理屈(メカニズム)を知ることで、より確実な冬越し対策が見えてきます。当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。「気温」より怖い?「風」がメダカの命を奪う理由結論から言えば、真冬の強風は、低温以上に危険な存在です。多くの飼育者さんが「気温(水温)」には敏感ですが、「風速」や「湿度(しつど)」の影響を軽視しがちです。しかし、冬の風は以下の3つの物理・化学的過程を通じて、メダカを死に至らしめます。蒸発による急激な水位低下(物質移動)気化熱と対流による熱損失(熱移動)溶存物質の濃縮と浸透圧ストレス(水質変化)それぞれ詳しく見ていきましょう。ドルトンの法則で読み解く「水位低下」冬の風は「空っ風」と呼ばれるように非常に乾燥しています。動画でもお話ししましたが、風が吹くと「蒸発」が加速し、数日で驚くほど水位が下がります。これは気象学や物理化学において「ドルトンの蒸発法則」として説明される現象です。これによると、水面からの蒸発スピードは、主に以下の2つの掛け合わせで決まります。飽和水蒸気圧と実際の水蒸気圧の差=飽差(ほうさ・VPD)(つまり、空気がどれだけ『乾き』を求めているかの指標です。)風速無風状態であれば、水面付近の空気は蒸発した水分ですぐに飽和状態(湿った状態)になり、それ以上蒸発できなくなります。しかし、風が吹くとどうなるか。 湿った空気が常に吹き飛ばされ、「乾燥した新しい空気」に置き換わり続けるため、蒸発が止まることがありません。「乾燥(大きな飽差)× 強風(空気の入れ替え) = 最大級の蒸発」冬場に起きているのは、まさにこの現象です。 「餌切り」をしてお世話の回数が減り、つい容器から目を離している間に、水位がガクンと下がってしまう。その原因はここにあります。潜熱(気化熱)と顕熱輸送による「冷却」「風が吹くと水温が下がる」これを感覚的に理解するために、動画では「ホットコーヒーを息で冷ます原理」を例に挙げました。これを熱力学の視点で解説すると、2つの冷却作用が働いています。潜熱(せんねつ)の放出水が蒸発して水蒸気になるとき、周囲から熱を奪います。これを気化熱(潜熱)と呼びます。この熱エネルギーは水自身から奪われるため、蒸発すればするほど水温は下がります。前述の通り、風によって蒸発が促進されると、水面から猛烈な勢いで熱が持ち去られ、条件によっては気温よりも水温が低下することさえあります(湿球温度への接近)。顕熱(けんねつ)の輸送これは水と空気の温度差による直接的な熱移動です。 水面と接している空気の層(境界層)は、水温によって少し温められています。 しかし、風はこの「温まった空気の膜」を常に吹き飛ばし、冷たい空気を直接水面に触れさせ続けます(強制対流)。人間が風速1m/s増すごとに体感温度が約1℃下がると言われるのと同様、水面も冷たい風にさらされ続けることで、熱エネルギーを強制的に奪われ続けます。この「潜熱」と「顕熱」の使い分けができているアクアリウム記事はほぼ存在しません。しっかり覚えておきましょう。「煮詰まったカレー」と水質ショック僕が最も警鐘を鳴らしたいのがここです。「蒸発するのは純粋なH2O(水)だけ」という事実です。飼育水の中には、以下の成分が溶け込んでいます。メダカの排泄物バクテリアの代謝産物ミネラル分水分だけが蒸発すると、これらの濃度は高まります。動画では「2日目の煮詰まったカレー」と表現しましたが、専門的にはTDS(総溶解固形分)の上昇を意味します。蒸発によるメダカへの負担「蒸発すると水はどうなるのか?」そして「それを踏まえてどう足し水すべきか?」蒸発すると、飼育水はどう変化する?一言で言えば、「不純物だらけの『濃い水』」になります。水分(H₂O)だけが空気中に逃げ出し、以下の成分が水槽内に取り残され濃縮されます。ミネラル分(カルシウム・マグネシウム): 水が硬くなります(GH/総硬度の上昇)。汚れ(硝酸塩・有機物): 毒素の濃度が上がります(TDS/総溶解固形物の上昇)。などここが危険なポイントメダカ達はこの特殊な環境、「濃縮された飼育水」に体を慣らして(適応して)ギリギリ生きています。冬の「足し水」3つの鉄則上記の「極限状態」の水に、新しい水を入れるわけですから、少しの手順ミスが命取りになります。以下の3点を必ず守ってください。水温は合わせる「少しずつ」または「数回に分ける」掻き回さない(底の汚れを舞い上げない)だからこそ、冬場の足し水は、水温・水質ともに「変化を最小限にする」ことが大切になってきます。物理的な撹拌と「聖域」の崩壊通常、水(真水)は 約4℃、厳密にいえば3.98℃ で最も密度が高く(重く)なります。そのため、無風の自然界や静かな容器では、表面が0℃で凍っても、それが「断熱材」の役割を果たし、水底には約4℃の水が静かに溜まります。ここがメダカたちの越冬場所(聖域)です。しかし、強風はこの安全地帯を物理的に破壊します。「強制対流」による全層冷却風で水面が波立つと、冷やされた表面の水と、底の暖かい水が無理やり混ぜ合わされてしまいます(ターンオーバー)。これにより、本来守られるはずの水底の4℃層が消失し、容器全体の水温が均一に0℃付近まで低下してしまいます。「過冷却」とシャーベット化の恐怖さらに危険なのが、波があることで「表面に氷の膜が張れない」ことです。氷の膜(フタ)ができないため、冷気は水の中に直接入り続けます。すると、水温が氷点下になっても凍らない「過冷却(Supercooling)」の状態や、微細な氷の結晶が水中を漂う「過冷却水からのフレジルアイス(氷晶)形成」が起こります。静止していれば表面だけが凍るはずが、撹拌されることで水全体が一気にシャーベット状になり、メダカは逃げ場を失って氷に閉じ込められてしまいます。対策:防風と「足し水」の徹底以上のような仕組みを踏まえると、対策はシンプルかつ明確です。蒸発と熱移動を防ぐ(物理的遮断)波板やフタの使用:風を直接水面に当てないことが最強の防御です。蒸発(潜熱損失)と対流(顕熱損失)の両方を防ぎます。防風ネット・遮光ネット: 完全にフタをしなくても、風速を弱めるだけで気化熱の損失は大幅に軽減されます。夏場の虫よけネットを冬場も応用すれば「減風効果」につながります。発泡スチロール板:水面に浮かべることで、空気との接触面積を減らし、保温・蒸発防止の効果があります。水位と水質の維持(こまめな管理)こまめな足し水:濃度が高まりすぎる(カレーが煮詰まる)前に、少しずつ水を足して元のTDS(濃度)に戻します。水温合わせ:足す水の温度は必ず合わせ、メダカにショックを与えないように注ぎます。気温2℃でも水は凍る?「湿球温度」の罠ここでもう一つ、少し専門的ですが、非常に重要な「湿球温度(しっきゅうおんど)」という話をさせてください。皆さんは、理科の授業で「乾湿計(かんしつけい)」を見た記憶はありませんか?2つの温度計が並んでいて、片方の球部が濡れたガーゼで包まれているあれです。常に、濡れている方(湿球)の温度計の方が、低い温度を示していたはずです。実は、冬の風にさらされたメダカ容器は、この「湿球」と同じような状態にあります。天気予報で「明日の最低気温は 2℃ です」と言っていたとします。「なんだ、氷点下じゃないから凍らないな」と安心するのは早計です。もし湿度が低く(例えば湿度40%)、風が吹いていたらどうなるか。熱力学の計算上、その時の「湿球温度」は 氷点下(約-1.5℃前後) になります。水面からは激しい蒸発が起き、気化熱が奪われ続けるため、水温は気温の2℃ ではなく、限界まで冷やされた湿球温度の-1.5℃ を目指して下がっていきます。その結果、「気温はプラスなのに、水面だけが凍結している」という、狐につままれたような現象が起きるのです。これが、風と乾燥が組み合わさった時の本当の怖さです。僕たちが気にするべきは、天気予報や温度計に表示される「気温」だけではなく、湿度と風速を加味した「水が実際に感じる温度(湿球温度)」です。とここまで、小難しいことを言いましたが、何も難しく考えることはありません。何より大切なのは、できるだけ冷たい風を当てないこと。 もし風が当たって水が減ってしまっても、焦らなくて大丈夫です。ゆっくりと水を足して、元の水位に戻してあげてください。最後に:環境に合わせた答え探し動画の最後でもお伝えしましたが、当養魚場では現在、波板を使わない「雨ざらし飼育」を行っています。これは決して放置しているわけではなく、愛媛県という比較的温暖な気候に加え、防風ネットや容器の設置場所(壁際など)による「風のコントロール」ができているからです。ただ、全ての地域において、同じように上手くいくとは限りません。「波板などの対策が必要か否か」は、過保護かどうかの精神論ではなく、お住まいの地域の風も含めた気候・天候の違い飼育容器・飼育環境など飼い方の違いお住いの地域(西日本・東日本)での違いこれらを考慮した上での「適切な判断」が大切になってきます。ぜひ皆さんも、ご自身の環境における「風のリスク」を再評価し、メダカたちを守ってあげてください。
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  • メダカの冬越しのための青水の使い方と注意点ほか
    当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。【PR】※当サイトはamazonアソシエイトリンクを使用しています屋外飼育に安定を求めるべからずメダカの屋外飼育において一年を通してマイナスの気温になることもあれば気温40度を超えることもあります。灼熱の太陽光が差す炎天下もあれば大雪に大雨、台風がくることもあります。室内と屋外の違いを知ることの大切さ室内での観賞魚飼育のような濾過バクテリアを意識した飼育方法によって環境を安定させても気候・天候により崩壊する可能性があるのがメダカの屋外飼育です。水換え主体の飼育メダカの屋外飼育において一般的に使用されているような小さな容器で水換えやリセットなしで長期的に安定させるというのは難しいです。当養魚場では容器には何も入れない状態=ベアタンクにて春から秋にかけてであれば部分換水、全換水、リセット主体の飼育方法をしています。水換えというのはメリットが多いです。ただ、水が変化するという意味において魚に負担がかかるという一面もあります。その負担を和らげてくれるのも青水になります。水を見る普段の飼育において大切なのは魚の状態を見るだけでなく水を見ることです。魚は直ぐに調子が悪くなるとは限りません。水が先に悪くなり、後から魚の調子が悪くなります。魚の様子だけを見ていると調子が悪くなってからの水換えになってしまいます。先に水を見て水の状態が悪いなと感じた時に水換えすれば、魚が調子を崩す前に水換えできます。青水は水の状態が非常に分かりやすく慣れてくると通常は見た目では分かりづらい水質が水を見るだけで水換えやリセットのタイミングが分かってくると思います。魚に優しく、水換えのタイミングも分かりやすいのが青水といえます。越冬においての青水越冬においてもメダカと容器と水と太陽光=これさえあれば自然発生する青水は最高越冬水とも言えます。とはいえ、どのようなものにも一長一短あります。ここでは青水での越冬に関するメリット・デメリットと越冬の基礎知識をご紹介していきます。青水での冬越しメリット水質変化に対して魚たちに優しい水=水あたりが良い。※水あたりとは・・・pHショックなどを含めた水質変化に強い水(優しい水)植物プランクトンのおかげで新水と比べ水温変化がゆるやか(保温効果あり)※青水の保温性・・・夏場は新水よりも5~10℃近く水温が高くなるため魚が傷みやすいが冬場は逆にメダカたちを温かく包み込んでくれる冬場の補助食=備蓄食料となる※冬場の備蓄食料・・・冬は低水温によって活動が低下し活性が止まっているような状態のためエネルギーを必要としないため僅かな微生物がいれば十分事足りる青水での冬越しデメリット寒波によって植物プランクトンが死に沈殿する。※沈殿・・・雨や雪、寒波によって簡単に沈殿してしまうことがあります。真冬にフタなしでの継続維持は難しい※波板の有無・・・雪や冷たい雨、寒波によって植物プランクトンが沈殿することを防ぐためフタが必要な場合も。冬場でも水換えが必要な場合がある※真冬の水換え・・・寒波によって植物プランクトンが死んでしまった場合、部分換水によって水質維持する必要も。関連記事・・・冬でもメダカの水換えをした方がよい理由|冬場の換水(水替え)について置き場所への意識青水飼育において置き場所は非常に大切です。メダカの屋外飼育においては置き場所が少し変わるだけで水中環境が全然違ってきます。日当りが良い場所の場合日中に植物プランクトンが光合成しやすく、また水温も上がりやすいため植物プランクトンの活動も活発になり、青水の維持がしやすくなります。例えばリセット後でも少し種となる青水をいれておけばあっという間に青水になってくれます。逆に青水がすぐに濃くなり過ぎることがあるため注意が必要です。また日中に水温が上がりやすい分、1日の水温変化、寒暖差が大きいため青水の沈殿が起きることがあります。日当りが悪い置き場所の場合日当りが悪いと植物プランクトンも光合成しづらく、また水温も上がってこないため青水の維持が難しくなります。その分、1日の内の水温変化が少なく、寒暖差の影響を受けづらい場所になります。冬場の餌関連記事①・・・冬場のメダカへの餌やりについて関連記事②・・・メダカの冬越し準備での餌切りのタイミング|水質悪化と消化不良餌止め(えどめ)の時期によるメリット・デメリット早い段階での餌止めメリット・・・消化不良になりづらいデメリット・・・冬の期間が長い遅い段階での餌止めメリット・・・冬の期間が短いデメリット・・・消化不良になりやすい餌止め後の消化器官の停滞メダカたちが餌を食べなくなると消化器官の機能が一時的に低下していきます。メダカは無胃魚のため胃はありませんが、急に餌を与えてしまうと消化器官が驚いて、また別の問題が生じてしまうことがあります。「餌を切ったら、春まで与えてはだめ。」というのはこういったところもあります。備蓄食料としての青水消化にも優しい植物プランクトンは越冬中にも最適な水、補助食とも言えます。※プランクトンと微生物、厳密に言えば定義がことなりますがプランクトンであり微生物でもあるような存在もいるため当記事や動画ではひっくるめて微生物として扱っております。ミドリゾウリムシのように植物プランクトンのクロレラと共生したり微生物とも共生可能な動物プランクトンであり植物プランクトンの要素もあり、また微生物のような存在もいます。また同じ青水でも季節によって湧きやすい物が変わってくるのでその都度、変わってくることもあります。過剰な添加は不必要通常、冬場餌を与える必要はなく、湧かせた微生物を意図的に入れたりすると逆に湧き過ぎて水が傷んでしまう可能性のもあります。自然と発生するように、また自然と発生する微生物で事足りる量の密度での飼育を心がけましょう。(過密飼育に注意×)青水飼育におすすめの容器「青い容器だと色の補正で青水がキレイに出来ているように見える」これは半分正解、半分間違いです。青い容器、非常に光を通しやすく青水が維持しやすい容器です。※黒容器などと比べると青水が作りやすく維持しやすい容器になっています。一緒に見ておきたい関連記事メダカたちの越冬に向けてエアーレーションを止めるタイミング屋外メダカの真冬の水換え方法と注意点について
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