メダカの飼い方と繁殖方法|メダカ屋が教える産卵から針子の育て方まで

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  • メダカの色揚げ方法~楊貴妃など朱赤の色揚げに必要な知識とおすすめの餌について~
    楊貴妃の色はいつ変わるの?朱赤系メダカの色揚げ方法とおすすめの餌当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。【PR】※記事内にアフィリエイト広告が含まれていますメダカが赤く見える理由メダカたち実は赤色の色素は持っていません。基本的には黄色の色素が僕たちの目から見ると赤く見えているということになります。メダカの色は鱗・体表に含まれる色素の割合で変化しています。皆さんご存じの楊貴妃メダカの赤色も同様です。黄色の色素が私たちの目に赤く見えているといえます。ヒメダカと比べるとずっと朱赤が濃くなることで知られている楊貴妃メダカですが、両者はともに黄色素胞(おうしきそほう)が主体で黒色素胞(こくしきそほう)は殆ど存在していません。黄色素胞の見え方は蓄積される天然の色素=カロテノイドが関係色素胞の分布がよく似たヒメダカと楊貴妃メダカですが、色味が違います。ヒメダカの場合は黄色素胞内の色素顆粒が淡黄色(たんこうしょく)なのに対し、楊貴妃メダカの場合は黄色素胞内の色素顆粒が橙赤色(とうせきしょく)になっています。天然色素カロテノイドの1種であるアスタキサンチンやルテインの濃度がヒメダカと楊貴妃メダカでは異なります。中でもアスタキサンチンの濃度は楊貴妃メダカがヒメダカの10倍以上高い値を示すと言われています。関連記事・・・カロテノイドを意識した卵の孵化率向上方法上記の記事のサケの卵が赤い理由でもご紹介したように、カロテノイドの一種であるアスタキサンチンは天然の赤色色素です。※ヌマエビが死んだあと赤くなるのも普段はタンパク質と結合しているアスタキサンチンがエビが死んでしまうことによって分解され表に現れてくるためです。他にも野生のフラミンゴはピンク色をしています。フラミンゴが普段食べている食事(エビなどの甲殻類・珪藻類など)には、アスタキサンチンが含まれています。フラミンゴの美しいピンク色の理由の一つです。動物園で飼育されているフラミンゴは赤い色素を含む餌を与えていない場合、色がどんどん薄くなっていきます。このことから動物園では色が薄くならないように色素を含んだ餌が与えられていることも多いです。※朱赤系リアルロングフィンこれらは楊貴妃などの朱赤メダカにおいても同様です。メダカでいえば黄色素胞にアスタキサンチンなどのカロテノイドを蓄積させることで、より赤くなっていきます。1年、2年と時間を掛けて蓄積させていくことで赤に近い濃い朱赤のメダカにすることができます。残念な事実・・・メダカの様に寿命が短い魚においては時間を掛けて蓄積させていては完全に仕上がってきた頃に寿命が近くなってしまいます。楊貴妃や完全に仕上がった三色系統のメダカなど多くの品種において見た目上、一番の見頃を迎える頃にメダカたちの寿命は近いといえます。※本来、寿命の短い観賞魚においては若魚ほど価値があるのですが、何故かメダカ業界は寿命が間近な完全に仕上がった個体の価格が高騰しがちです。これは消費者(買い手)側に初心者層の方が多いのも理由の一つと言えるでしょう。もう卵も産まなくなったようなペアを高値で売り付けられないようご注意ください。おすすめの餌メダカの餌の中にはオキアミミールなどを主成分とした商品も多いです。オキアミにも天然色素であるアスタキサンチンが含まれています。では、あえて色揚げ専用の餌を使う必要はあるのでしょうか?メダカたちが一日に摂取できる食事の量は限られています。出来るだけ色揚げ要素の高い餌を与えることで色揚げ効果は十分期待できるといえます。キョーリン メダカの舞 スーパーオレンジ 40g メダカの餌 朱赤系メダカ 色揚げ お一人様50点限り 関東当日便価格:465円(税込、送料別) (2024/12/25時点) 楽天で購入 餌だけではない色揚げ要素全てのメダカが餌で色が揚がるとは限りません。例えば、ヒメダカなどは楊貴妃メダカと比べるとアスタキサンチンを蓄積できる量が限られているとも言われています。いくら工夫しても楊貴妃のように濃いオレンジになることはありません。※また餌で色揚げできる色素は限られています。この辺りはやはり生まれ持った遺伝子も大切になってきます。また餌だけではない、飼育環境によっても変わってきます。移動させると色落ちする理由現在、当養魚場での販売は一般のお客様に対しての小売りがメインとなっておりますが、以前はショップへ卸売りなどもしていました。当時の不思議な話を一つさせてください。当養魚場に訪れるお客様にある日こんなことを言われました。「どこどこのペットショップの紅帝は薄くて全然赤くない。ここの(当養魚場)はビックリするくらい赤くてきれいだね。」こんな風に言っていただけていました。ただ、どちらも当養魚場で育てた紅帝で元々は同じくらいの赤さの朱赤メダカでした。※補足:紅帝も楊貴妃もハウスネーム違いで形質(遺伝子)で見えれば同じ魚です。ようするに室内に移動させると動物園のフラミンゴ同様に工夫しないと色が薄くなっていきます。普段食べている餌が色揚げに大きく関連している理由の一つでもあります。屋外であれば自然と涌いてくる天然色素の豊富な植物プランクトンや藻類などによって自然と色が揚がっている状態です。植物プランクトンといっても多種多様です。ヘマトコッカス藻のような単細胞の植物プランクトンの場合、高濃度なアスタキサンチンを生合成して 体内に蓄積することの出来る植物プランクトンもいます。人によって言うことが違う理由楊貴妃などの朱赤のメダカの色揚げにおいて、人によって言うことが違います。何故、人によっていう事が違うことがあるのか?この部分をご説明していきたいと思います。よく言われるケースにおいて水質面でいえばpHだったり、あとは日当たりの有無、他にも水温などがあります。青水の方が色が揚がるという人クリアウォーターの方が色が揚がるという人pHが高い方が色が揚がるという人pHが低い方が色が揚がるという人水温が低い方が色が揚がるという人水温が高い方が色が揚がるという人これらはどれも両極端な意見です。一つの要素だけで見た時に一見すると全て真逆の意見ですが、それぞれ理由があります。例えば、青水だと水中に沢山のアスタキサンチンなどが含まれている為、当然、色揚げの要素があります。一方で、クリアウォーターの場合、青水のように過昇温を気にする必要がないため青水以上にしっかり日に当てることが出来るため、エビやサケの卵が紫外線から身を守るため赤い色素を蓄積するようにメダカも色が揚がりやす一面もあります。アジアアロワナなんかもコンテスト前には太陽光に当てるという方もいたりします。仮に太陽光だけに着目しても一体どれだけの飼育環境の変化が起きているでしょうか?太陽光があたることで水温が上昇します。またインフゾリアや植物プランクトンなども増殖します。もっと言えば、それらが光合成することでpHも上昇します。pHが高いから色が揚がっているのか、もしくは青水になることによるカロテノイドによって色が揚っているのか、青水になることによって保護色機能が働くことによる色素胞の変化で色が揚っているのか、水温の上昇に伴い活性が上がったことによる遺伝子発現量の変化による色素の増減によるものなのか。など太陽光の有無だけで、どれだけのことが変わっているか。今度は逆、冬になると色が揚がるという方もいます。こういった季節が変化するだけでも驚くほど環境が変化します。季節の変化とともに太陽光が弱くなることでもメダカたちの色は変化していきます。うろ覚えですが、朱赤の色素、黄色素胞は少し暗いくらいの方が朱赤が濃くになりやすい一面もあるといったような研究結果が確かあった気がします。冬場(冬越しなど含む)に色が揚りやすいため、水温が低い方が色が揚がると言われる方もいますが、こうして見たときに水温以外にも飼育環境が大きく変化しています。冬になるにつれ太陽光は弱くなり日照時間は減り周りが暗くなることによって背地反応の出方も変わってきます。冬場はこなれた水で飼育することも多い為pHは夏場よりも下がってきます。低水温によって遺伝子発現量も劇的に変化し、それによった色素胞の変化もあるでしょう。日本の鯉は驚くほどキレイだ。海外の方が皆、口をそろえて言います。これは日本に四季があるから。一つ一つを見て判断できないのが屋外飼育です。一つ変わるだけで、ぱっと思いつくだけでも3~4つ実際にはもっと沢山の環境変化があります。室内で飼う熱帯魚飼育、必ずおおそよの正解があります。私自身30年近く熱帯魚を飼育していますが、昔一緒に働かせもらっていた30年近く熱帯魚店で働いていた店長らと今でも交流がありますが、飼育に関することで話がかみ合わないといった、ほぼないです。「こうだよね。」といった形で意見がだいたい一致します。これは濾過槽が付いていて、水質は一定、ヒーターが付いていて、水温も一定、毎日決まった時間に点灯し消灯するライトも一定。ここには正解があります。ただ、メダカの屋外飼育においては全く同じ環境は一つもないと言えます。関連記事・・・容器の置き場所や並べ方で変わる水温~メダカの屋外飼育~さらに例えばpHが上がる環境と下がる環境ではpH以外に根本的に飼育方法自体が全く異なっています。青水とクリアウォーター飼育でも単純に同じ飼い方という事はあり得ません。冬に色が揚がると「水温が低い方が揚がるんだ。」という人が現れ、青水で色が揚がると「青水だと色が揚がる。」と言い、pHが高い時に上がると今度は「pHを高くすれば良い」と言いはじめ、逆に低い時に揚がったと感じたら「phは低いと良い」という人が表れます。屋外飼育でpHが揚がる環境といえば植物プランクトンの光合成が盛んな濃い青水であれば10近い数値になります。仮にクリアウォーターで牡蠣殻やサンゴ砂を使ってもあがるのはpHだけではありません。硬度も一緒にあがってきます。屋外でpHが下がる環境といえば流木を入れたり柿の葉を入れたりろ過も導入したとします。この時点で水中に湧く微生物の種類、備蓄食料ともいえる普段食べる餌が変わってきます。これ全部真逆の意見だったとしても、どれも間違いではありません。何故なら変わっているのが一つの要素ではないからです。さらに言えば、品種でも変わってきます。朱赤メダカと三色や紅白系の赤い部分だと全然違ってきます。下地の色、普通鱗か透明鱗かでも変わってきます。餌の面だけで見れば青水飼育、背地反応でみれば黒などの濃い容器、でも黒容器では青水になりづらいから青水の方が赤くなりやすいと感じたりと、これら全てを一つずつ考え始めると全て複雑に絡み合っています。もっと盲点的な所でいえば青水飼育とクリアウォーターではアカムシなどのメダカにとっての備蓄食料の有無が変わってきます。さらに言えば、使っている容器が水色タライであれば赤玉を入れることによる底面からの背地反応でも朱赤の色は劇的に変化します。もっと細かく言えば、他にもいくらでも思い浮かぶでしょう。簡単な色揚げ方法ここまでご覧いただき、朱赤の色揚げに関して、この記事を見る前よりも余計に分からなくなった。全てを考慮して飼育しようとした時に不可能だと感じた。そんな方もいるのでは?一番簡単な色揚げ方法のご提案明確にはっきりしていることで言えば、保護色機能による背地反応は確実に影響しています。メダカの色が変わるのはいつ頃から?保護色機能・背地反応・色素胞についてあと、楊貴妃などの朱赤系のメダカにおいて言えば、食べる餌に含まれるカロテノイドの蓄積も確実に影響しています。黒容器で色揚げ用の餌を使用する理由は前述の通りです。黒容器で色揚げ用の餌を与えます。注意点としては水質悪化によって病気になるとメダカたちの体色は薄れていきます。水質面での安定も大切です。対策としてはスポンジフィルター等を導入したり底床材として大磯砂などを使用してもよいでしょう。関連記事・・・メダカとグアニン~虹色素胞・グアニンの増やし方~
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  • メダカが眼から受ける刺激!桿体細胞と錐体細胞(オプシン)と背地反応について
    色覚用の光センサーである錐体オプシンがメダカにもたらす変化この記事は、メダカが光環境を感知し、季節や波長の変化に応じて体色や繁殖行動が変わる仕組みを解説したものです。光がメダカの生理や行動を強く支配しています。当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。「媛めだか オプシン」で検索すると出てきます。メダカは光に支配されているメダカたちは産卵や成長など含め光りに支配されていると言っても良いほど光の影響を受けています。多くの水棲生物がそうであるように、メダカも概日リズム(サーカディアンリズム)と季節リズム(サーカンナルリズム)を光環境に基づき制御しています。特に、光の強さや波長分布は視覚だけでなく、松果体を含む非視覚的光受容系を介して内分泌系に影響を及ぼし、成長・産卵周期を調整しています。季節による遺伝子発現量の変化メダカたちは冬になると光に対する感受性が著しく低下します。逆に夏になると光に対して敏感になり、これによって遺伝子発現量の変化が起こります。※季節の変化には光環境のほか水温や餌の供給状況なども影響を与え、メダカの生理活動に複合的に関与していることが知られています。夏と冬で体色などに変化が生じるのは単に水温による代謝や活性の違いだけではありません。多くの方がこの部分で誤解していますが、メダカ達が受ける光の感じ方の違いも大いに関係しています。より詳しくメダカの網膜内で発現するオプシン遺伝子は季節変動を示し、特に冬季には長波長感受性の低下や全体的な光受容タンパク質の発現抑制が観察されています。これにより光感受性が低下し、代謝エネルギーの節約とともに繁殖行動抑制が起こります。春夏への移行でオプシン発現が急増し、光情報伝達シグナルも活性化、行動変容を促されます。桿体細胞と錐体細胞目の網膜には視覚をつかさどる視細胞があり、視細胞には視細胞の一種である桿体細胞と錐体細胞があります。暗い所での視覚に特化した桿体細胞(かんたいさいぼう)明るいところで活動する錐体細胞(すいたいさいぼう)メダカの場合あたりが薄暗くなる冬場であれば桿体細胞が働き、錐体細胞は少しの間、お休みしているような状態と言えます。桿体細胞(かんたいさいぼう)も錐体細胞(すいたいさいぼう)も眼に入ってきた光を刺激として受け取る視細胞の仲間です。色覚用の光センサー(錐体オプシン)色を感じ取る錐体細胞(すいたいさいぼう)には人でいえば赤錐体 緑錐体 青錐体の三つの色を感じる錐体視物質(すいたいしぶっしつ)オプシンがあります。赤のオプシンは赤色光を、緑のオプシンは緑色光を、青のオプシンは青色光を感じ、この3種類の錐体細胞の反応具合によって私たち人は違った色を認識しています。メダカが持つ8つのオプシンメダカには紫1つ、赤2つ、青2つ、緑3つの合計8つものオプシンがあります。メダカ達は私たちが思っている以上に眼から入ってくる情報によって行動や体が変化しています。メダカのオプシンには紫外線感受性のものも含まれており、人間の視覚よりもはるかに広い波長範囲の光を感知しています。これにより、微細な環境光の変化にも対応できる高度な視覚適応が可能となっています。より詳しくメダカの視細胞は哺乳類のように桿体細胞と複数種類の錐体細胞を含み、これらはそれぞれ異なる光条件に対応して機能しています。桿体細胞は暗所視覚に適応し、錐体細胞は多波長感受性を持ちます。メダカは8種のオプシン遺伝子を保有しており、紫外線から赤まで多様な光波長を感知することが知られています。これは彼らが種内外の色彩認識のみならず、環境光変化検知に極めて高度な適応を持つことを示しています。季節変化で起こること魚は通常、繁殖期がやってくると婚姻色が表れてきます。メダカたちも同様です。婚姻色が表れてくることによって赤や黒、これらの色が濃くなったり鰭に黒点が表れる様なこともあります。こうして大胆に変貌する色の変化=婚姻色(こんいんしょく)によって相手の興味を誘い込み誘引しています。水温だけではなく季節の変化は、こうした光(太陽光)の変化によってもメダカ達が見る世界を変え、受ける刺激が変わりメダカたちを変化させていきます。より詳しく婚姻色は性ホルモンに加え、紫外線・可視光スペクトルの波長特性の変化が季節的に誘発する遺伝子発現と相関していると言われており、メダカの色素細胞(メラノフォア、キサントフォア等)の数や活性は光環境に影響され、特に生殖行動とリンクする婚姻色は光受容の季節依存的変動に基づきます。これらは繁殖成功率向上のための適応進化の一環と考えられています。季節で変わる遺伝子発現量これらのオプシンやその下流にある情報伝達経路の遺伝子の発現量は冬になると著しく低下しています。季節が変わり春や夏になってくるとオプシンの発現が一気に上昇していきます。冬と夏とでは遺伝子発現がまるっきり変わってきます。この遺伝子発現の制御メカニズムは現在も研究が進められており、どのような転写因子やシグナル経路が関与しているか、さらなる解明が期待されています。冬場のメダカはコスト削減冬は日照時間の減少、太陽光も弱くなることでメダカたちの活性や代謝が低下します。遺伝子発現が低下するとタンパク質の合成量も減少します。冬場のメダカ達は遺伝子発現を抑えることでタンパク質の生産コストを削減しているとも考えられています。他にも特定の病気へのリスクの増加、成長の阻害、代謝の異常など、遺伝子発現量の低下は様々な影響を及ぼすと言われています。メダカがキレイに育つ季節は6~9月遺伝子発現が低下する季節にメダカ達は綺麗に育ちません。単に水温が高ければ活性があがり、代謝があがり、だから春の子は綺麗だと思われている方も多いと思いますが、光の強さ、太陽光の強さ・日照時間も大切になってきます。単純に水温だけの話ではなく、光から受けている刺激もキレイなメダカに育てていく上で非常に大切です。より詳しく光受容関連遺伝子の発現低下はエネルギー消費減少、免疫応答低下、成長停滞と関連しており、低温環境下における転写調節メカニズムは概日リズムに影響し、冬眠的休眠状態へ誘導すると考えられます。さらに、視細胞の接着分子や光修復酵素も季節変動し、網膜の構造的柔軟性を担保しています。入射光と反射光保護色機能による色素の拡散凝集反応=背地反応についてはご存じかと思います。よく分からないといった方は、まずは下記の関連記事をご覧ください。関連記事・・・メダカの背地反応・拡散凝集反応・保護色機能について背地反応による色素胞の変化をもたらす際に黒容器を使われる方も多いと思いますが、ガラス水槽においても黒容器同様の反応をもたらすことが出来ます。背地反応で最も大切なのは底面水底に砂利を敷くだけで驚くほど色素胞は変化背中に受ける光と腹から受ける光で変わる背地反応背地反応の本質メダカにとって体色変化の元となる情報は眼から入っています。これらはスモールアイのような視力の悪いメダカに黒容器と同じ背地反応が見て取れることからも容易に想像ができるでしょう。メダカの背地反応は、異なる網膜領域での光感受性に基づいています。腹部の背景色からの反射光は背側網膜の視細胞で受容され、上方(背部)からの入射光は腹側網膜の視細胞で受容されます。この双方向の光情報が中枢神経系で統合され、入射光と反射光の光量比によって色素胞の制御ホルモンの分泌が調整されます。水色タライを使う理由当店(媛めだか)が水色タライを使うのには水の良し悪しの分かりやすさ以外にも理由があります。それが光の反射です。背地の色が白などに近いと相当な量の光が反射されます。逆に黒い容器の場合、光は吸収され殆ど反射されません。腹側・背側の網膜にある視細胞から感覚神経を介して中枢に入ってきた情報は、入射光と反射光の光量比によって判断され色素に影響を与えます。ようするにメダカたちは自分達が今いる場所の背地の明暗を認識しています。※メダカ飼育において言えば、容器の色=背地といえます。側眼(そくがん)で受容された視覚情報を元にした色素胞の拡散凝集反応によって色が変化していると考えられています。結果として、背地の色に非常よく馴染んだ、色味を持ち隠蔽ともいえる保護色機能が働きます。より詳しく背地反応は視細胞の空間的な照明情報処理に基づく生理反応で、これは主に眼の網膜の背側・腹側領域の異なる光感受性により成立。メダカの網膜は構造的に四角錐細胞のモザイク配列を持ち、スペクトルの空間情報を高精度に解析し、環境反射光に応じた色素細胞の動態を制御します。色素の拡散凝集色素は入射光の強さ/反射光の強さの比で変化しています。黒色素胞の凝集例えば、メダカを白や水色などの容器にいれると交感神経が刺激されノルアドレナリンが分泌されます。このノルアドレナリンは黒色素胞の表面のαアドレナリン受容体を介しメラノソームが凝集されます。視床下部で産生されたメラニン凝集ホルモン(MCH)は、神経繊維を通じて下垂体に運ばれ、下垂体後葉(神経葉)から血中に放出されます。この MCH は黒色素胞に作用してメラニンを凝集させ、体色を薄い状態で保つのに寄与します。関連記事・・・紫外線を直接感知するメダカの脳下垂体と体色変化のしくみ黒色素胞の凝集によってメダカの体色は瞬く間に白く(薄く)なります。同時に虹色素胞(イリドフォア)やキサントフォア(黄色素胞)なども関与し、複数の色素胞が協調して白背地適応を実現します。黒色素胞が凝集すると、その下層の虹色素胞が光反射を増強させ、より効果的な白化が起こるメカニズムがあります。※短期間で素早く背地に適応する変化=生理学的体色変化黒色素胞の拡散一方で黒色の容器で飼育していると交感神経は抑制され、ノルアドレナリンの分泌が止まります。脳下垂体中葉から黒色素胞に対する刺激ホルモン(MSH)が分泌されメラノソームの拡散が始まります。次第に黒容器に同化するようにメダカたちの色味も濃く変化していきます。長期で変わる色素胞の変化また、長期間に渡って黒容器で飼育していると黒色素胞の数や形状が変化していきます。黒背地での長期飼育では、脳下垂体中葉からα-メラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)が分泌され、黒色素胞表面の melanocortin-1 受容体(MC1R)に結合します。これによってメラノソームが拡散し、体色が濃くなります。この α-MSH 作用は MCH の作用と拮抗する関係にあり、光環境に応じて両ホルモンのバランスが変化することで背地適応が実現します。・水色容器(薄い色の容器)の場合ずっと白や水色タライのような薄い色の容器で飼育しているとメラノソームが凝集した状態が維持され、次第に黒色素胞の数が減少し、個々の色素細胞も退縮しメダカたちの体色は更に白っぽく(薄く)なります。またノルアドレナリンが分泌され続けることによる感受性の低下も起こっています。短期反応(生理学的体色変化)白や水色などの容器に入れると、交感神経が刺激されノルアドレナリンが分泌されます。このノルアドレナリンは黒色素胞表面の α-アドレナリン受容体を介してメラノソームが凝集し、数分以内に体色が薄くなります。長期反応(形態学的・恒久的変化)白背地での長期飼育では、視床下部で産生されたメラニン凝集ホルモン(MCH)が脳下垂体から放出され、黒色素胞の MCH受容体(MChr2)に結合して メラニン凝集を維持します。同時に脳下垂体中葉からの α-MSH 分泌が抑制され、その結果、黒色素胞の数そのものが減少し、体色がより白くなります。・黒色容器(濃い色の容器)の場合逆に容器が黒いと黒色素胞の数の増加や発達によってメダカたちの色はより濃くなります。形態学的体色変化が生理学的体色変化に与える影響長期間に及ぶ細胞数の増減や色素に関わる調節因子に対しての感受性の変化が生理学的体色変化の効率を高めているとも考えられています。より詳しくメダカの色素細胞はノルアドレナリンとメラニン凝集ホルモン(MCH)、およびメラノフォア刺激ホルモン(MSH)によって制御される自律神経内分泌の影響を受けています。特に短期の生理学的体色変化はメラノソームの動態制御に依存し、長期飼育での形態学的変化は色素細胞数の調節を伴います。これらは神経内分泌系からの信号伝達経路と細胞骨格調節の統合で成り立っています。補足(光とは何を差している?)オプシンに関していえば主に光のスペクトル感受性(特定の波長の光に反応する)が焦点となっています。オプシンは視細胞内で光を受け取る分子なので、メダカの錐体細胞には8つの異なる波長に感応する複数のオプシンが存在していて、それによって色覚が形成されます。季節によってメダカのオプシンの遺伝子発現が変化し、光感受性や色覚が変動します。ルクス(光の強さ)やルーメン(発光の単位)よりも、スペクトル(波長)を基にした感受性の話がメインです。ただ、実際にはメダカのオプシン遺伝子発現は、光の強さ(ルクス)や光周期(日照時間)などの環境要因にも影響されます。季節変化に伴う光強度の変化(冬は弱く、夏は強い)が、オプシンの発現量に影響を与えます。​なので、オプシンの感受性は「スペクトル(波長)」に特化しているものの、発現量や生理的応答は「光強度(ルクス)」や「光周期」にも影響されます。魚側の視覚反応からすれば、光の総量(ルーメン)と受ける光のスペクトル成分(波長の分布)が両方重要です。魚側の視点で光の感受性を考えた場合、光の総量(ルーメン)が不足すれば受容体の活性化が弱くなるため、視覚機能全体に影響があります。オプシンの波長感受性の話と、光強度の総量(ルクスやルーメン)が魚の視覚反応に影響する話は補完的な関係にあります。関連記事メダカとグアニン~虹色素胞・グアニンの増やし方~ロングフィンの伸ばし方!加温しないと鰭(ヒレ)が伸びない?こちらの動画を視聴したい時は「媛めだか オプシン」で検索すると出てきます。参考文献Shimmura T, et al. (2017) 「Dynamic plasticity in phototransduction regulates seasonal color perception」 Nature Communications, 8:412.Yoshimura T, et al. (2023) 「A transcriptional program underlying the circannual rhythms of medaka fish」 Proceedings of the National Academy of Sciences, 120(52): e2312135120.Matsumoto Y, et al. (2006) 「Functional characterization of visual opsin repertoire in medaka」 Journal of Experimental Biology, 209(20): 4140-4151.
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  • 品種改良のやり方!改良メダカ作りのためのメンデルの遺伝の法則
    ヒカリ体型、リアルロングフィン、アルビノメダカの作り方(品種改良のやり方)当サイトの記事は全てyoutubeにて映像と共に動画でもご覧いただけます。こちらの記事は約40分に渡る動画から一部抜粋したものです。非常に分かりやすい動画に仕上がっているため是非、全編(完全版)をYouTubeでもご視聴ください。「媛めだか メンデル」で検索すると出てきます。メンデルの遺伝の法則についてメンデルの遺伝の法則は遺伝学の父としても知られている生物学者のグレゴール・ヨハン・メンデルが発見した遺伝学を誕生させるきっかけとなった法則です。この法則についてはYouTube(視聴推奨)でも詳しく解説しているため、こちらでは簡易的な説明とさせていただきます。エンドウを使ったメンデルの実験メンデルは黄色いさやに対して緑のさやを受粉させた交雑種を作りました。この時、黄色い豆と緑色の豆のエンドウの間で受粉させた交雑種のF1(子の世代)からは黄色のエンドウ豆だけが実りました。※交雑によって生じた雑種第1代、子の世代をF1という言い方をします。※メダカでも掛け合わせの第一世代をF1個体と言ったりします。メンデルが更に実験を進めていくと子の世代(F1)、孫の世代(F2)、ひ孫の世代(F3)と進めていくと黄色の豆と緑色の豆の両方が実る場合もあれば、黄色の豆だけの場合、逆に緑の豆だけの場合があることに気づきました。メンデルはこの実験においてエンドウがどれか1つの形質を形作るとき2つの構成要素が関わっているということを発見します。これが後の「遺伝子」と呼ばれるものになります。エンドウの実験から分かったこと他にもメンデルは「優性の法則」「分離の法則」「独立の法則」の3つ法則を導きだしました。その一つが優性の法則です。これらの法則が成り立つには遺伝子が対立形質であり、かつ別の染色体上にあることが条件となります。そのため、現在では例外もたくさんあることが明らかになっており、ごく一般的な形で成り立つのは分離の法則だけであると考える人もいます。メダカの品種改良においても全てをメンデルの法則に当てはめたとしても、その通りになるとは限りません。ただ、メンデルの考えが誤っているわけではないため遺伝の法則を元に改良を進めていくこと自体は間違いではありません。血液型で考えると分かりやすい?人の血液型に置き換えて考えると分かりやすいかも?お母さんががO型で、お父さんがA型の場合=Aの方が優性のため子供はA型が産まれます。ただ、お母さんがO型なので遺伝子型で見たときにはAOのA形になります。もし、お母さんもお父さんも遺伝子型がAAのA型であれば、子の血液型もAAのA形になります。また血液型がAAの人をホモ接合型と言い、AOの人はヘテロ接合型と言います。いずれの場合もA形であることに違いはないが、遺伝子で見た時に対となる遺伝子が異なります。メダカに置き換えて遺伝の法則を解説実際にメンデルの遺伝の法則が改良メダカの品種改良においてどのように遺伝していくのかをご紹介していきます。潜性遺伝子|アルビノメダカの作り方※画像がオス同士になっていますが、あくまでも参考画像のため気にせずご覧ください。普通種にアルビノの個体を掛け合わせても子の世代ではまだアルビノにはなりません。ただ、F1ではアルビノの遺伝子を対にもった個体のため、孫の世代になると一定数アルビノが生まれてきます。理論上は普通種が75%生まれ、アルビノ種が25%生まれてきます。形質的にみれば1:2:1になります。品種改良の場合は、このF2でアルビノになった個体同士を掛け合わせることでF3雑種第3世代からは全てのメダカがアルビノになりアルビノとしては固定完了です。不完全優性|光体型メダカの作り方ヒカリ体型のメダカは腹側の形質が背中側に反転し相称(そうしょう)するような形質が光体型の特徴です。厳密に言えば完全な鏡像(きょうぞう)ではないにしろ、腹型が背中側にほぼ反転したような形になるのが光体型ですこのヒカリ体型の遺伝子はdouble anal fin=Da遺伝子と呼ばれています。この光体型を主るDa遺伝子は潜性遺伝子(旧:劣性遺伝子)になります。※厳密にいうと実際には不完全優性といってよく見るとF1でも軟条の数が少し増える形質の一部が現れるのでF1でも光体形を掛け合わせていることが軟条の数からみて取れます。通常は背ビレの軟条の数は6本程度のところが、光体形の因子を持ったヘテロ個体においては10本前後と増えます。完全な光体形になると尻ビレと軟条の数が同じになります。(18本前後)棘条と軟条魚には固い棘条と柔らかい軟条があり、総称して「鰭条」と呼ばれています。鰭条の間には鰭膜と呼ばれる膜があります。メダカは柔らかい軟条をもっています。メダカだと小さ過ぎて分かりづらいですが、少し大きな魚で見てみるとこのような感じになっています。一見すると普通ヒレに見えるDa遺伝子をもったF1個体でも、よく見ると鰭条が通常よりも増えている。昔、この話をyoutubeで初めてした時、当時ネット上には情報としてほとんど出ていなかったことからメダカ界のタブーを話したと一部の沼が怒っていました。私からすれば、自分で学んだ知識なので文句を言われる筋合いもない話です。情報というのは共有するからこそ、新しい物が生まれていくものだと思っています。メンデルさんが残してくれた遺伝学があるからこそ分かったことでもあります。光体型に関してはF1でも対立形質の一方が完全におおいきれていないような状態。不完全優性といえます。ただ、品種改良を進めていく(光体形を作っていく)上では潜性遺伝子として考えてやっていくと良いでしょう。先程のアルビノ同様です。普通体形のメダカに光体型を掛け合わせて出来た子が雑種第1代、F1の個体です。F2(孫世代)で一部に光体型の個体が生まれてきます。F2で得られたDa遺伝子を持った光体形メダカ同士でかけ合わせることでF3でほぼ100%光体形になります。顕性遺伝子|リアルロングフィンの作り方続いてメダカでは比較的珍しい顕性遺伝子(旧:優性遺伝子)のヒレ変化です。リアルロングフィンのメダカを作りたい時に普通種にリアルロングフィンを掛け合わせます。顕性遺伝子なので、雑種第一世代(F1)で全てのメダカがリアルロングフィンになります。※実際には使った親がホモやヘテロかで違いが出ます。これは血液型がA型同士の親からO型が産まれるように遺伝子型によっては同じA型でもAO型の場合があるためです。ホモ接合体とヘテロ接合体リアルロングフィンの場合も同様です。仮にリアルロングフィンの遺伝子をラージRとし普通種のヒレをスモールrとした時にホモであればRR,ヘテロであればRrいった具合の遺伝子型になり、いずれの個体も見た目上はリアルロングフィンになります。ただヘテロの場合は対となる対立遺伝子が違っています。ホモではないため一定数は鰭の伸びない個体が出て来るという事になります。顕性遺伝だからといっても品種改良掛け合わせにおいて100%形質が表に出てくるとは限りません。RR同士のホモ接合体を持ったリアルロングフィンで掛け合わせた場合のみ理論上、子どもは全て100%リアルロングフィンになります。ただ、リアルロングフィン自体が頻繁に掛戻しや作り直しがされているため、市場に出回っているRLF(リアルロングフィン)の遺伝子をもった個体の多くはヘテロ接合体のリアルロングフィンである場合も多いと考えられます。性別を決める遺伝子他にも性別を決める遺伝子があります。オスの性染色体がXY、メスの性染色体がXXです。この場合、概ね通常は雄雌およそ均等に生まれてきます。ただ、これがメスばかりに偏ることが有ります。例えばメダカは仔魚の頃に性転換する魚として知られていますが生れてきた時にはメス個体、性染色体がXXだった個体が仔魚の頃に性転換して♂の見た目になることがあります。見た目上はどう見ても♂なので、こちらの個体をオス親として採卵した場合、見た目はオスでも性染色体で見た時にはXXのメスから性転換したオスのため、通常のオス(XY)ではなくXXのオスとなり、親がXX同士になるため子が全てXXのメスになってしまいます。動画で見るここではyoutube動画からメンデルの遺伝の法則を元にした品種改良について一部抜粋してお届けしました。youtubeの動画ではより詳しく他にも色々と解説しています。是非、ご覧ください。「媛めだか メンデル」で検索すると出てきます。「媛メダカ めだかの遺伝学」といったプレイリストもあります★
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